神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.213 魯迅

2024-06-26 23:03:30 | 好奇心


(1)きょうは富士山で4人も遭難死とのこと。どんな装備をしていたのか、どのくらいの経験があったのか、・・・本当に残念です。
 
(2)都知事選挙があらぬことになっています。
 いま騒いでいる人たちは、都知事選を別の目的のために悪用しています。実際、党首がそうだと言明していますし、テレビで放送された候補者の演説を見てもそう言っています。公然とハラスメント(迷惑行為)をおこなっているのですから非常に悪質です。
 というよりも、都民が都知事選出という重大な政治判断をおこなおうとしているときに、その妨害も辞さないというのは意図的犯罪です。
 さらに、そうだからといってその関係者を脅迫するのは重ねての犯罪ですし、事態を悪化させるものです。
 都知事選挙に対する迷惑行為にも犯罪行為にも毅然と抗議してやめさせましょう。

(3)さて、きょうは魯迅を取り上げます。
 まず、『魯迅全集』のパンフレットです。
         
    
 精悍でいいですね。
 大きさはB5判大です。1枚の紙を観音開きになるように4つに折り、8ページで構成されています。
 学習研究社が創立40周年記念事業として出版したことが左上に小さく記されていますが、昭和59(1984)年11月に第1回4冊を刊行し、その後、60年と8月に各5冊、12月に6冊を刊行したようです。
 中には、内容紹介のほかに、次の3文があります。
 1.「魯迅全集」編集委員会 「文学と人間を愛する人に捧げる」
 2.井上靖 「出版界における久々の快挙」
 3.松枝茂夫「今日望みうる最も完全な全集」
 このうち、編集委員会は次のように書いています。
 「私たちは、日本の魯迅研究の力を結集することを目指した。・・・魯迅は、・・・近代中国の夜明け前を生き、中国の生みの苦しみを苦しんだ人である。・・・いま大きく変貌しようとしている中国、その変化を通じて貫いている中国の心を知りたいと考える人に、中国の文化が、社会が、これからどこへ行くのかを考えたい人に、日本と中国の明日を大切なことと思う人に、そして文学と人間を愛するすべての人びとに、この全集をささげる。」

(4)実は、これより少し前の1976年10月、魯迅没後40周年を期して、竹内好訳の『魯迅文集』が筑摩書房から刊行されました。次のパンフレットはその時のものです。
   

 これも大きさはB5判大で、パンフレットの仕立ては上の『全集』のパンフと同じです。
 この2つのパンフレットは甲乙付け難く、なおかつ相互補完的なので、この2つがあれば、魯迅の生涯や著作はだいたい見当がつくでしょう。
 1976年10月に第1回配本があり、以下、隔月巻数順に配本されたようです。
 中身は、内様紹介と竹内好の「訳者のことば」のほか、次の4人の推薦文があります。これも、推薦者と、タイトルのみ記します。
 1.大江健三郎 「われわれのアジア文学」
 2.埴谷雄高 「竹内の魯迅か、魯迅の竹内か」
 3.色川大吉 「私たちの存在を激しく打つもの」
 4.武田泰淳 「空頭の文学者となるなかれ」

(5)私には魯迅を語るほどの蓄積はありませんが、いくらか思い出があります。
 30代の頃に上海・蘇州・香港に行く機会がありました。
 今の上海を思い浮かべると隔世の感がありますが、逆に言えば、まだ古きよき中国が上海にも残っていました。そういう処をあちこち歩いて、紅口〔ホンキュ〕公園に憩い、魯迅記念館を訪問しました。その時買ったのが次の切り絵です。
   
  
(6)東京の日野市に「自由書房」という古本屋がありました。
 授業の後に偶然見つけて以来しょっちゅう通い、ずいぶん投資しました。
 親父は、気がよく話好きで、正面のレジのところに座ってタバコをくゆらせているばかり。仕入れた本はというと、ゴミの山同然に積み上げておいて、見たければ、動かしていいですから、崩れるのを気をつけて、とかいうばかりで自分では何もしません。
 ある時、下の方からひょっこり『魯迅全集』が出てきました。状態は、下の方にあったために、たいしてホコリもかぶらす、少しこすれた跡があるもののマッサラでした。しかし、やや違和感がありましたから、縛ってあるヒモをほどいて中を見ると、中国語版でした。
 中国語版にも2種類あるようですが、これは、1987年3刷の「人民文学出版社」版でした。
 そこで、親父に、「こんなのが出て来たよ、いくら」と訊くと、1冊500円で1万円ときちんと計算はするので、考えていると、「7000円でいいや」というので、「老後の備えにもらっていきます」と言って引き取りました。もちろん、いまもマッサラです。中は一応眺めはしましたけど・・・。

 では。長くなりました。

   


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