朝の連続ドラマで陶芸の窯にまつわるシーンを観ていて、炭窯しか知らない
私たちには理解できないことが幾つかあった。陶芸も炭窯も温度管理は最も
大切なものでそれをどのように制御するのかは、熟練した人でも同一の窯で
同一に近いものを作るのは難しいことだと思う。
また、何度やっても隘路に入り込み大きな失敗をすることもあるだろう。
しかしベテランと素人との差はトラブル時にどんな対応を採れるのか、そして
被害の程度を如何に軽減できるのかである。
さて、今回の炭焼き、3日目の夕方からの急激な温度上昇が抑えられず半日
早いペースになってしまい、そこから半日遅らせるペースにコントロールせざ
るを得なくなった。遅らせる、早めるという制御は正しくできたがポイントは、や
はり3日目の夕方までにペースダウン出来ればよかったことになる。
材料も窯も人も手法も同じなのに結果に差が出る。窯の面白さはここにある。
昨夕は抑え込みを強化したままだったのが継続され、最悪の火が消えてしま
う、全て燃え尽きてしまう、いずれも回避され朝、遠くから煙を見て、
『何とか一晩越してくれたかー』安堵の声。窯は持ちこたえて220℃、精錬を始
めるために煙突・通風孔を全開にする。
今まで無理やり抑え込んでいたものから解放され30分ほどで40℃も上昇した。
これは300℃近くなった時にも今までにはなかった現象として、急に煙が大量
に放出された。窯底の敷木など最後まで火が回らなかった所に火が点いたか
らではないかと話す。
紆余曲折の結末は至って平凡で煙突内部が白くなり最終温度も354℃。あと
は、どのような炭が出来上がったのかに興味が移る。
余談ながら・・・炭窯は中に可燃性の木が入っている。陶芸は土の作品で不燃
性。炭窯の内部は恐らく500~600℃くらいだが窯が壊れたら、ドラマのように
壊れた窯に薪を追加してなんてことは、炭窯ではあり得ない。
あれ、本当に在りうるの?
9時ごろ、内部では煙が見えない
無事に消化