桑炭会 島根県伝統の炭焼き 

松江市八雲町で伝統的な八名窯を継承し炭焼き、販売をしています。
メインテーマは自然環境保全。

炭焼き4日目、コピー炭焼き順調

2022年06月07日 18時21分34秒 | 活動報告

炭焼きのノービス級が一番心配するのは2晩越し、1番目を越すときに何

かトラブルがあった場合、未だ炭木に火が回っていないからリスタートの

可能性は十分ある,3晩越しのトラブルは逆に大半に火が回って最終に

近い工程なので突っ走ってしまうことも可能性はあるが、2晩目は中止半

端な状態にあり判断できない。勿論、そんなトラブルの場合は先達の助

けにより色々な知恵に授かることになるから何とかなるのだろうが。

その怖い晩を上手く越し朝一のチェックは140℃と前回とほぼ同じ、以

後もコピー調整により順調に推移する。夕方になると煙の色が更に薄く

なり、木酢液の出方は急に減ってきた。

明日は窯籠めがいつごろになるのか。

           


雨降り炭焼き、3日目は順調

2022年06月06日 17時24分24秒 | 活動報告

雨が降るとの予報に期待しては裏切られ続けて晴天を苦々しく眺める日

々、川の流れも細くなり十数年ぶり否、もっと前には今の時期になると

『田んぼの水が足りなくなる・・・・』こんな会話をよく聞いたものだ。

農家の高齢化に拍車をかけて減反々、昔ならもっと騒いでいたはずなの

に今は水不足になっても田んぼの水不足は心配ないようだ。

かつては八雲町でも谷合があれば田だったものが原野・山林に様変わり。

食料は自分で賄うことを忘れてしまった農政、国民。

何とか元禄で浮かれ続けている国に大きなしっぺ返しが見えているようで

怖い。将来を生きる人たちは心配しないで、年老いて去り行く人が心配す

る・・・・これも大きな間違いだ。

どうも大和民族はボタンを掛け違えていることに気づいていないようだ。

枕はこれまでにし炭焼き、炭焼き。

朝一番のチェックは90℃と昨晩から5度の上昇で安堵する。15時に95℃

なった時点で煙突の小枝、通風孔を調整し上昇度合いが緩やかになるよ

うにする。この調節でどれくらい効果があるのか具体的な根拠はないが理

屈上ではやったつもりになる。

最終の17時、100℃では通風孔の微調に留め2晩越し。

今回の材料は2月頃に伐採した樫、枝は4月頃のもの。乾燥が進んだもの

だから何か解らないことに巻き込まれるのではなかろうかと心配していたが

木酢液は今までと変わりなくよく出ているし。どうもこの程度の乾燥は影響

ないと思われる。

         


炭焼き2日目、点火

2022年06月05日 17時14分45秒 | 活動報告

乾燥しきった焚き木を使っているので火持ちは悪く、とても朝まで持つま

いと思っていたが、豈図らんや(あにはか)障壁の下には未だ燃え残りの

焚き木がしっかりと残っていた。煙の勢いはよく、ひょっとして枝木に火が

点いているのではと覗いて見たがそれはなかった。焚口、通風孔ともに全

開にして点火を促す。それから約3時間後の9時過ぎ、通風孔の両側を

仮止めが為されており援軍の到着だった。以後、煙と温度の点検、結局

13時に80℃で点火とし焚口閉鎖、木酢液の採取を始める。夕方、77℃

に下がっていたが多少の上下に悩むことはないとし1晩目を越す為に

煙突に小枝、通風孔を焼く50%閉鎖する。前回の操作を模倣したのは言

うまでもない。

最初は一人でなんて大口を叩いていたがいざ始まると不安だらけ、要ら

ぬ心配まで頭を過る。そこに現れた助っ人は実に頼もしく感じる。

不安を口にするだけでも気が晴れるから、これ以上のヘルプはない。

やはり人は一人では何もできないものだ。

人に感謝しながら生きていくことは幸せなことと後期高齢者が今更なが

らの言葉・・・・まるで方丈さんの説教のよう

          炭焼きと鯉のぼりのアンマッチは面白い

         

 


前座の炭の窯出しと窯立て

2022年06月04日 18時05分38秒 | 活動報告

落語の世界はきれいな階級制度で成り立っている世界の一つである。弟

子入りすれば前座、二つ目そして真打へと上がっていく。今季8回目の炭

焼きは前座(炭焼きの経験だけからいえば二つ目と言ってもいい?)二人が

コンビを組み焼いた炭木である。

先達の手法をそっくりそのままコピーしてみたものの、その時その時の判

断は困難を極めたのは言うまでもない。

本日はその窯出しをすることになった。というのも、材料の樫が沢山残っ

ているのに薪にしたりこのまま朽ちさせるのも惜しい、それにも増して一度、

一人で炭を焼いてみたい欲望が勝り『もう一窯を』と願い出て時期的に外

れているが今季9窯目の炭焼きのための窯出しとなったもの。

炭作業のために出かける小屋は晴天下に鯉のぼりが泳ぐ、見かけない光

景。集まったのはいつもの半分6人、しかし工数はさほどのものではないか

らあせることはない。

窯出しを始める、どんな炭木が飛び出すのか恐る恐る中を覗き込むと、心

配ご無用とばかりにきれいな形で炭の山が残っている。取り出してみると

多少の割れはあるもののしっかりとした炭に仕上がっており、枝炭の残りも

グーである。

今回は取り出した炭の裁断は行わずに保管するため窯出しは1時間一寸

で済んでしまう。返す手で窯立てを始め午前中に凡そ半分を終え午後に

託す。

窯の中の温度は泥の中故、思うほどの温度はなくアノラックなしなら快適

温。1時30分から午後の仕事を始め15時過ぎには焚口作りまで終え、

ここでアイスクリームのティータイム、16時火入れと相成った。

材料は乾燥が進み、枝、焚木は生木とは言い難いほど。焚木が明朝まで

もつ可能性は低く18時に様子を見に行くと案の定、1/3まで減っていた。

火の残り具合によってであるが、明日には点火するのではないかと予想

している。