早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和三年十月 第六巻四号 巻頭俳語

2021-02-20 | 宋斤の俳語・句碑・俳画、書
宋斤の俳句 「早春」昭和三年十月 第六巻四号 近詠・俳句

   一句一語一道
生活本然の意識の上にひろがってゆく大自然のありがたさを俳句はうたふのである。

眼前の写生意識に留まってゐるはその句安全にして浅薄である。
更に進んで精神的至深の實在を得るにある。勿論失敗を度多く創作の道に積み捨てなくてはならぬ。

一の句は一つごとであって、うたふ言葉に文字に一の道しかない筈である。





壺はからっぽ 早春第二巻第三号 

2020-05-01 | 宋斤の俳語・句碑・俳画、書
     壺はからっぽ

      こヽに一つの壺があります、それは俳句という壺であります。
      周囲の人々は、この壺の中に何か入っているのかと思っております。
      覗いて見ても解らぬと云ひます。その壺、実はからっぽであります。
      それに、人々は何時までも、この空壺から何かつまみだそうとしてゐます、
      恰も寶玉が充満しても居るかのように。
      俳句の壺は、見て居れば何時までもからっぽであります。
      だから、その中へは是非何か入れなければなりません。
      なにか入れやうと自由であります、なんでも大抵入ります。
      俳句を作るのは、壺の中から壺の中から摘み出すのではなくて、
      壺の中へ自分のものを入れるのであります。
      俳句という壺はからっぽであります。



       

一句でもよい 早春 八月 第二巻第二号 

2020-05-01 | 宋斤の俳語・句碑・俳画、書
  >一句でもよい

  『XX氏を知っていますか』
  『まだ遭ったことはありませんがあの人には..........といふ句がありますね』
  『好い句ですな、私はまた.........といふ句が好きでXX氏の独得のものかと思ひます』

  他人の記憶に一句でもよい。覚えていて貰ってゐる作品を持たねば、
  作家としての一人前ではまだまだ遠い。
  投句頻繁や句会交際から、名のみ広く知られて居ても駄目である。
  作品から作家の名でなければ偽である

句作兵法十五箇条8〜15

2020-05-01 | 宋斤の俳語・句碑・俳画、書
句作兵法十五箇条8〜15
          一、 身を空にする事
          一、 はづすと云ふ事
          一、 小櫛のおしへの事
          一、 拍子の間の事
          一、 おさへると云ふ事
          一、 重く身過ぎぬの事