十夜吟 (下)
第七夜 十月二十一日 日本冷蔵会社
鳰 梟 千鳥 五句 来し道 五句
日の波のちりちり暮るゝかいつむり
交々と厠に立つが梟聴く
寺男梟の啼くと馴染気に
宵浅く虫鳴く塀の大長寺
第八夜 十月二十二日 海老江 八阪神社
商売往来 十句
枯草を領して傘屋日一日
野の宮や糸瓜も並べ賣たぐひ
寺前や花屋門掃く朝の霧
家傳薬乞へば賣る也冬木宿
第九夜 十月二十三日 松下寺町 菩提寺
八時まで雑詠句数作り
やれ蓮雨の音たち来りけり
第十夜 十月二十四日 玉造 三光神社 運座の袋廻し
凧 海鼠 朽野 霜除け 干菜 朽艸 百舌鳥 莖漬 焚火
朽野の鳥は地に飛ぶながながと
茎漬や日のうすらぎに雨散れる
枯草の吸ふばかりなる小雨哉
結夜 十月二十五日 曽根崎 露天神社
結夜は十一夜目である。 菊五句 燈(晩秋、初冬にて)五句
菊澄めるあまりに遠き山を見る
第七夜 十月二十一日 日本冷蔵会社
鳰 梟 千鳥 五句 来し道 五句
日の波のちりちり暮るゝかいつむり
交々と厠に立つが梟聴く
寺男梟の啼くと馴染気に
宵浅く虫鳴く塀の大長寺
第八夜 十月二十二日 海老江 八阪神社
商売往来 十句
枯草を領して傘屋日一日
野の宮や糸瓜も並べ賣たぐひ
寺前や花屋門掃く朝の霧
家傳薬乞へば賣る也冬木宿
第九夜 十月二十三日 松下寺町 菩提寺
八時まで雑詠句数作り
やれ蓮雨の音たち来りけり
第十夜 十月二十四日 玉造 三光神社 運座の袋廻し
凧 海鼠 朽野 霜除け 干菜 朽艸 百舌鳥 莖漬 焚火
朽野の鳥は地に飛ぶながながと
茎漬や日のうすらぎに雨散れる
枯草の吸ふばかりなる小雨哉
結夜 十月二十五日 曽根崎 露天神社
結夜は十一夜目である。 菊五句 燈(晩秋、初冬にて)五句
菊澄めるあまりに遠き山を見る