宋斤の俳句 「早春」昭和三年五月 第五巻五号 近詠
夜のおぼろものゝやはらか遠くあり
流木に行春ありて岸やなぎ
うしろ手に藤のひとふさ沙彌たてり
旅人ら来去りしまひて餘花あつし
鹿の子ゆく林の隅の水あかり
さくら草ほのと汗して卓の上
薫風や輪をゑがく馬人聳えたり
早春社四月本句會
溝飛んで露のはこべに手をつきぬ
春やゝにはこべも草のふかき哉
早春社中央句會
野の音のして春曉の燈のうすれ
薮高し春曉ともす町の端
夜のおぼろものゝやはらか遠くあり
流木に行春ありて岸やなぎ
うしろ手に藤のひとふさ沙彌たてり
旅人ら来去りしまひて餘花あつし
鹿の子ゆく林の隅の水あかり
さくら草ほのと汗して卓の上
薫風や輪をゑがく馬人聳えたり
早春社四月本句會
溝飛んで露のはこべに手をつきぬ
春やゝにはこべも草のふかき哉
早春社中央句會
野の音のして春曉の燈のうすれ
薮高し春曉ともす町の端