著者 桐野 夏生
1986年春。 二人の女性が福岡の証券会社で出会った。
一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。
貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。
野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、
ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。
時代はバブル全盛に。 東京本社に栄転が決まった望月と結婚した佳那は、
ヤクザの山鼻の愛人・美蘭(みらん)のてほどきで瞬く間に贅沢な暮らしに染まっていく。
一方の水矢子は不首尾に終わった受験の余波で、思いがけない流転の生活がスタートする。
そして、バブルに陰りが見え始めた頃、若者たちの運命が狂い出す......。
図書館の予約に出遅れたので購入して、上・下巻2冊を2日間で読了……
文章が読みやすくスラスラ読めますが、内容は暗く、不幸な登場人物ばかりでした。
小島佳那は薄汚れた「真珠」、伊東水矢子は輝かない「ダイヤモンド」……
なんとも悲しい一生です。