今は昔。竹取の翁といふものありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきの造りとなむ言ひける。
その竹の中に もと光る竹なむ一筋ありける。
11月に公開したジブリの最新作。
お正月に家族で集まった元旦、皆で観に行きました~。
元は、もちろん 古典文学 竹取物語。
ジブリの高畑勳監督作品は、1999年の「ホーホケキョ となりの山田くん」以来14年振りなんだとか。
高畑勳氏、もう御歳78歳。
わたしが大好きなアニメ「アルプスの少女ハイジ」をてがけたことでも知られるけど
本作、みていてハイジに通じる部分をすごく感じた。
物語はあまりにも有名だけど、シンプルなその画風、
するすると描かれるシンプルな物語にぐんぐんひきこまれていた。
竹の中でみつけた小さな姫。とたんに赤ちゃんに変身。お婆さんと育てることに。
みるみる少女は成長。
近所の子供たちにタケノコと呼ばれ、ぐんぐん育っていく。
おじいさんはその後、何度か竹の中で砂金や、素晴らしい着物が溢れ出したのを手にし、
姫として扱い、都に城を建てることを決意、
仕留めた獲物を翌日食べようと約束したまま引っ越すことに。
初めは豪華な城にはしゃぎ、喜ぶも、友達もいない、
望んでもいない姫としての都会暮らしに辟易してくる、、、、。
吹替えキャスト
かぐや姫、朝倉あき。
竹取りの翁 故 地井武男。途中から?三宅裕司。
育ての母に、宮本信子。
近所の兄貴分の男の子、捨丸に高良健吾
ほかに、
- 相模 - 高畑淳子
- 女童 - 田畑智子
- 斎部秋田 - 立川志の輔
- 石作皇子 - 上川隆也
- 阿部右大臣 - 伊集院光
- 大伴大納言 - 宇崎竜童
- 石上中納言 - 古城環
- 御門 - 中村七之助
- 車持皇子 - 橋爪功
- 北の方 - 朝丘雪路(友情出演)
- 炭焼きの老人 - 仲代達矢
かぐや姫はなぜ地球に来たのか。この地で何を思い、なぜ月へ去らねばならなかったのか。姫が犯した罪とは、その罰とはいったい何だったのか—。日本最古の物語文学『竹取物語』に隠された人間・かぐや姫の真実の物語を、高畑勲による全く新しいアニメーション表現で描き出す。
8/10(81点)
これはすごく好き
思ってた以上によくて、2回泣いちゃった。
翁(お父さん)はかぐや姫のことを思うがため、と言いながら
しきたりを重んじて、都に住む事、金に不自由なく高貴な身分の男に嫁ぐことこそが
幸せだと信じ込み、本人が嫌だというのにも聞く耳もたずで一生懸命。
かぐや姫はそんな父親の考えとは逆で、嫁などいかず、
毎日友達たちと自然の中で戯れていたい。
美しく育ったかぐや姫をひと目みたい、嫁にしたいと
5人の貴族たちが次々に来て、秘宝に例えた言葉をさしだすも
姫は姿もみせず、「それではあなたがたのそれぞれのその例えの秘宝を
持って来る事が出来たら結婚しましょう」と告げる。
やっきになった5人はそれぞれの方法で秘宝を持って来るが、
うち、ひとりだけ それを取る時に失敗して死んでしまった。
そのショックや、その後現れる、町いちばんの金持ちでお偉いの
自信過剰なモテ男、御門(みかど)にも言い寄られ、
抱きすくめられて我慢限界。ついに「月に返して!」と願ってしまったことで
月のお迎えがくることになってしまう。
5人の貴族たちがそれぞれ、アプローチする場面はちょっと長過ぎる
少しダレて感じたけど全体的に惹き込まれたし、わたしは退屈しないで観れた。
映画大好き、ノルウェー人のぺぺは、退屈だったーと言ってたのは仕方ない。
ウチの家族(弟の嫁含む)は賛否両論で意見分かれて面白かった☆
ラストの月の迎えのところは、なぜそこに仏さま(仏陀)が?!と違和感ありありだったけど
そんなところは目をつぶってしまえるほど、哀しく美しい物語でした~。
すぐ戻れると言われてむりやり都に引っ越す場面、
帰りたいけど帰れない哀しい思い、野山を駆け回ってた頃に戻りたいという願望。
教育係の、躾けにうんざり。
などなど、ハイジとかぶるところがあって 描いてる根本は似てるなぁと思った。
本作で宣伝でも言われてる、「かぐや姫の罪と罰」については、
何不自由ない月にいるのに、昔聴いた歌に誘われて人間の地上での暮らしに憧れてしまい、
その罰として下界に降りてこられるも、やはり思う様に自由に生活出来ない事への
苛立を押さえられずにまた月に願ってしまったというところかな。
かぐや姫の物語 2013年 日本 137min
11月23日より、公開中~
とにかく、観て良かった1本でした~
まだの方はぜひ