生まれた時からずっと、怪我が絶えない子供の謎。
甥っ子、ルイたんと同じ名前のタイトルがついた、9度目の人生となるこの不思議少年の話。
去年から楽しみにしてた1作
原作は世界的ベストセラー『ルイの九番目の命』。
この映画化を切望していた、故アンソニー・ミンゲラ監督。
息子のマックス・ミンゲラ(この人、濃い眉毛が印象的で幾つかの映画にも出演)が脚本。
メガホンを取ったのは、「P2」(脚本&原案)「ハイテンション」「ヒルズ・ハブ・アイズ」「ホーンズ 容疑者と告白の角」
などの、ホラーばっかり撮ってるアレクサンドル・アジャ監督
(監督作全部観てるけど全部結構好きだな。)
9歳の誕生日に崖から転落して昏睡状態に陥った少年の数奇な人生と、その裏に隠された意外な真相
主演と思いきや昏睡状態シーンも多くそれほど出番もない気もする
ルイくん。本作でデビューのエイデン・ロングワース。
賢い9歳の男の子。
ルイのママに、カナダトロント出身の美人女優、サラ・ガドン。
クローネンバーグ監督作のミューズとなり3作に出演、息子の監督デビュー作「アンチ・ヴァイラル」などにも出演してインパクト大。
ドゥニ・ヴェルヌーヴの「複製された男」など引っ張りだこ。
消えてしまったパパ役、ピーター・ドラックスに「ブレイキング・バッド」のアーロン・ポール。
泣ける、、、、
パスカル医師に「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェイミー・ドーナン。
ヒゲ顔でモサくしてるけどいい男。
いやこんなドクターいたらちょっと皆患者さんの家族とか大変でしょう(いや実際はそれどころじゃない)
しかしそんなイケメン既婚者のドクターだって普通の男。そりゃサラガドンみたいな女がいたら
ルイのカウンセラー、ペレーズ医師にはオリバー・プラット。
この人好きなんだけど最近、ドラマが多いみたい久々に見た いいよ
懐かしのバーバラ・ハーシーもちょこっと出演。(「インシディアス」シリーズにも最近だと出てる)
9歳の誕生日に両親とピクニックに出かけた少年ルイが崖から落ちて昏睡状態に陥る。彼はこれまでにも生死に関わる大事故を8度も経験していた。さらにルイの父ピーターは現場から行方不明となってしまい、美しき母ナタリーのもとにも謎の警告文が届くようになる。そんな中、ルイを担当することになった著名な小児神経科医アラン・パスカルは、この少年を巡る謎を解き明かすべく、自ら調査に乗り出すのだったが…。
現実とファンタジーの世界がうまく融合、不思議な世界観を生み出す。
8/10(83点)
ママが実は男を手玉にとって騙して殺していく怪物とかそっち方面行っちゃったりして?と
途中内心焦ったけど 笑
惹きつけられる魅力ある作品になってた。
一つのジャンルに括れないところ、好き。
ダークホラー?サスペンス?ミステリー?ダークファンタジー?
いろんな要素が詰まってて、なかなか珍しいタイプの映画。
キャストも全員ハマり。
ルイは頭が良くて、それゆえちょっと小生意気ででも可哀想。
ルイ目線で見るととてもかわいそうな、切なさが残る。
幼いルイが決断した、自らの人生とは。
以下、ネタバレ
ルイの何度も起きる不思議な事故は、まさかの母親が故意でやってたことだった。
オチからすると、なんだよ。となる人もいるのかもしれないけど
考えるととても残酷で悲しいリアルな話。
母親はミュンヒハウゼン症候群(周囲の関心や同情を引くため、子供の病気を装う疾患)という病気で
赤ん坊の頃から自分の子供を危険にさらしては、自分が救い、そして
ルイも少しづつそれを理解するようになり、二人の絆は強まっていった。
って、本当に子供が可哀想。
ある意味、母親も何らかの原因でその病気になってしまったのだから同情するべきところもあるのかもしれないけど
愛が足りないところが大きいんだろうな。
そして、自分の子供を愛していながらも傷つけて、、、とても切ないね。
ルイは、痛い思いをしなくてもいいし学校で変わり者と呼ばれなくて済むから
昏睡状態でいる今の9年目、9歳の人生を選んだなんて。
深いところに落ちたルイと、怪物になってルイのそばにいていつでも話をしているパパの存在。
いつでも話せるよ、と話しかけるシーンが悲しい、、、。
さまようルイを呼び覚ますために脳に装置をつけて催眠術で乗り移って話し出すというのも初めてで興味深い。
よくオカルトで乗り移った霊と話すシーンは見るけどね。
それにしても思わせぶりな女刑事はわかってるような感じなのに
夫も見つけるの遅いし、怪しいルイの母親の事情聴衆とかしないのかい。
ラストカットで目を開くルイ。
ちなみに、音楽も良い。カナダのオルタナティヴ・ロックを代表するパトリック・ワトソン。
エンドロールの曲「マン・アンダー・ザ・シー」もこの世界にシンクロしててとてもよかった
年明け一本目、いい映画観た
1/20 〜公開中