決して庭に実のなる木を植えては
ならない
植えた家は必ず衰退するだろう
父親がたの祖父は僕がものごごろつく前に
死に記憶は親の持つアルバムにしか残っていない
母親がたの祖父は
僕が小学生5年まで生きていた
脳溢血で死んだ
祖父は珍しく旅行にいきたいといい
父と母は熱海と東京に行くプランを考えた
そして初めに熱海に泊まり
その後東京の高層ビル街のホテルに泊まった
家族は喉が渇いたといい飲み物を買いに
出かけたがどこにも販売する店がなく
自販機すらなかった
祖父は大東亜戦争で内地にむかい
戦争から帰ってきた兵士で
国から恩給を貰っていた
祖父は皇居の前まで行き
ひざまずいて涙した・・・
僕らは正月やお盆になると
祖父の住む田舎に電車で行った
田舎は田舎で電車で5時間ほどかかった
祖父は沢山の土地を持っており
農業と牛を飼っていた
家には農協ラジオが流れ
柱時計がカチカチしていた
正月は餅つき機で餅を作り
皆で餅を作った
祖母はまめな人で味噌まで手作りで作っていた
少年サンデーの裏表紙に
バンダイのガンダムのプラモデルの広告が載っていた
ボールとジムの写真があった
病院にはハンバーガーの自販機が置いてあり
僕はカップヌードルを自販機で食べた
病院の病室には泣き声が聞こえ
祖父は家に運ばれ、葬儀が行われた
土地の著名人や金持ちからともらいの知らせがきて
坊主は3人拝みに来た
そして祖父はいなくなった
祖父がいなくなり
急激に周りの者が消え
祖母はひとりぼっちになった
soop「祖父があと1年生きていれば僕の人生も変わっていた」
ファーファ「諸行無情」