
"さまようのだ、疲れた風に乗り海を渡り水の沈黙と殺人の傷口の上を刑罰の上を"
///真実のところ
俺はあの沖合にずっと延びた突堤に棄てられた少年かもしれぬ
行く手は空に続く道を辿ってゆく子供
ああその路は険しく湾曲して金雀枝は丘陵を覆う
微風も吹かず微鳥の歌も泉の声も遥かに遠い進みゆけば必定 世界の涯
地の下の奥底に白い漆喰の鏝の目が浮かび上がる、
石の墓を俺に貸して呉れ
そこで俺はテエブルに肘をつき物思いにふけるのだ
燭台は新聞や雑誌を照らす
だが俺はもう禁断の書物に興味はない
地底のスミカの上
人々の家は立ち並び霧は深く立ち込めるだろう
赤く黒い泥の街・怪物のような都会そこには星もなく循環する暗夜
むしろ四囲を地球の厚みにへだてられた奥墳にこそ
藍色の深淵はあるであろう火の井戸もあり月と彗星と海と神話の出会いもある
懊悩の時が訪れる度々に
俺はこの身を碧玉の球体よ、白金の球体よと想いなすのだ
俺は黙劇の主人公、円天井の片隅に何故かひとつ換気窓の空が蒼ざめている
少年期:ジャン・アルチュール・ランボー
///真実のところ
俺はあの沖合にずっと延びた突堤に棄てられた少年かもしれぬ
行く手は空に続く道を辿ってゆく子供
ああその路は険しく湾曲して金雀枝は丘陵を覆う
微風も吹かず微鳥の歌も泉の声も遥かに遠い進みゆけば必定 世界の涯
地の下の奥底に白い漆喰の鏝の目が浮かび上がる、
石の墓を俺に貸して呉れ
そこで俺はテエブルに肘をつき物思いにふけるのだ
燭台は新聞や雑誌を照らす
だが俺はもう禁断の書物に興味はない
地底のスミカの上
人々の家は立ち並び霧は深く立ち込めるだろう
赤く黒い泥の街・怪物のような都会そこには星もなく循環する暗夜
むしろ四囲を地球の厚みにへだてられた奥墳にこそ
藍色の深淵はあるであろう火の井戸もあり月と彗星と海と神話の出会いもある
懊悩の時が訪れる度々に
俺はこの身を碧玉の球体よ、白金の球体よと想いなすのだ
俺は黙劇の主人公、円天井の片隅に何故かひとつ換気窓の空が蒼ざめている
少年期:ジャン・アルチュール・ランボー
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます