10年程前に教えていたRちゃんは、転校生でしたので、
小3の途中からピアノを教えました。
以前の場所で、すでに4~5年、ピアノを習っていた~とのことでしたが、
最初のレッスンの時に聴かせてもらいましたら、初歩の曲しか弾けていませんでした。
レッスンを始めてみますと、語彙がとても豊富でしたので、
理解が早い子のように思われました。
ところが、ピアノはなかなか上達しません。
なんでかな? 私の工夫が足りないのかな?
それとも、お家で練習していないのかな?
そんな事を思いながら、数ヶ月が過ぎました。
そんなある日、Rちゃんのお母様が
「実は、Rは、アスペルガー症候群の診断を受けています。
ですので、Rに教える時は、気を付けて頂きたいことがあります。
新しい曲を、宿題で出す時は、必ず、“この曲を、お家で、1人で練習できますか?”
と聞いてください。
それが、Rが理解したかどうかのバロメーターになります。」
と仰ったのです。
「分かった?」と聞くと、今喋っている内容、意味は分かるので、
「分かった。」と答える。
「大丈夫?」と聞くと、今は別に苦しくないから
「大丈夫。」と答える。
アスペルガー症候群の子に指導する時は、出来るだけ具体的に説明してください~
と、その時教えて頂きました。
それ以来、アスペルガー児を教える時は、必ず具体的に指導するようにしています。
「先生が横に居なくても、1人で練習出来ますか?」
「毎日、右手3回、左手3回、両手で5回、練習出来ますか?」等々~
(発達障がいの子は、具体的な数字を示した方がよい、とも教えて頂きました。)
具体的に指示をするようになってから、Rちゃんも少しずつ上達しました。
ちょっとした言葉かけで、上達の度合いも変わってくるのだな~と思ったのでした。
出来るだけ具体的に~
これは、アスペルガー児の指導に限らず、大事なことだと思います。
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1時間15分