生徒会機関誌の巻頭言を依頼され、次のように書きました。
日本が、その昔、「成長社会」だった頃、「モノの豊かさ」を求めることなど、世の中には誰も認める「正解」がありました。しかし、私が校長として、著書等から多くを学び、影響を受けた藤原和博氏(杉並区和田中学校元校長)は、現在を「成熟社会」と呼び、正解のない時代、「心の豊かさ」を求める時代と説明しています。
「心の豊かさ」とは、何があれば満たされるのであろう?それは、個人個人、人それぞれ。みんながかっこいいスポーツカーや郊外のマイホーム等の高価なモノを求めた時代は終わり、時間がかかっても列車の旅がよい人もいれば、 都会のワンルームが生活しやすいという人など、価値観、生き方、働き方、趣味嗜好がバラバラに枝分かれした時代になったということ、ひとつの「正解」ではくくれない社会になったということです。
このようなことから、日頃から皆さんには、自分の答えを導き、その答えに強く正しく生きてほしいと期待し、そのような生き方をすることによって、心を満たし、充実感ある人生を送ってほしいと願っています。
自分の答えを導くためには、情報等を理解、分析できるような知識や技能が必要です。各教科等の学習は、考えるための知識(情報)を得るとともに、一つ一つの教科、特有にある論理的であったり、科学的であったり、さらには情緒的であったりするなどの、ものの見方・考え方(情報処理能力・情報編集能力)も身に付けてほしいのです。また、皆さんもご存知のように本校は道徳教育を重視していますが、一般的な倫理観を理解し、自分の答えを見付ける上での判断材料にしてほしいからです。例えば、「思いやりの心」、これはいつの時代もこれからも大切なこと、このような普遍的な価値を道徳を通して学び、思いやりは大切とした上で、自分の答えを出してほしいのです。
私は、皆さん一人一人がこのように、学習への必要感をもち、生きるために勉強することによって、より質の高い答えを導くことができると考えています。また、その答えに基づく生き方が心を満たし、人生を豊かにすると思います。 「さあ、自分にとって、よりよい答えを導く出すために勉強しよう!」
……自分の出した答えに強く正しく生きる。そんな君が、夏の光を浴びてきらめく ひまわりみたいな笑顔で輝き続けることができますように……
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