美保関には重厚な美保神社がありました。
こちらの御祭神は商売繁盛、漁業・海運の神様の「ゑびすさま」で、全国えびす社3千余社の総本社なのだそうです。
「ゑびすさま」は昔から鳴り物がお好き」なのだそうで、安政5年に樹齢千年の欅をくり抜いて作った大太鼓が奉納され、それが国の有形民俗文化財に指定されているそうです。
神社の境内入口の横に青石畳の趣ある小路が続いていました。
旅館や土産物屋などが並んでいますが、ほとんどが開店休業状態のようです。
昔は参拝客などで結構賑わっていたのかもしれません。
著名人の訪問も多かったようで、旅館の格子には吉井勇の短歌などが掲げられていました。
石畳みの小路を奥へ進むと佛谷寺という寺があり、その門の看板をみると「八百屋お七の恋人 小姓 吉三の墓所」と記載されています。
へ~~~ そうですか! 江戸と美保関が繋がっていたのですか!
またまた興味深いものを見付けました。
正に「犬も歩けば」ですね。
蛇足を承知で補足致しますと、天和3年、1683年に江戸の鈴ヶ森で16歳の少女、八百屋お七が火あぶりの刑に処されました。
お七は、ある大火で一時寺に避難しますが、そこで寺の小姓の吉三と会い、たちまち恋に落ちます。
やがてお七は家へ戻りますが吉三のことが忘れられず、火事になれば再び吉三に会えるのではと思い、家に火を付けて直ぐに捕えられ、火刑に処された、というお話です。
石畳の小路を戻る途中で太鼓醤油店という店に立ち寄り、みほ太鼓という地場の刺身用の醤油を購入しました。
愚かで切ない恋物語の舞台で購ったお醤油のせいか、甘くて濃厚な味がしました。
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