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空沼岳 透かし見る空が広がる

2016-08-18 17:17:52 | 花の山

 

 オニシモツケがふわっとした花を咲かせていました。


 托葉が耳のような形で茎を取り囲んでいます。


 良く見ると花は、薄いピンクがかった繊細な色合いに咲いています


 今は野にありますが、元は高貴なお生まれのお嬢様なのかもしれません。

 



 オオハナウドが、白い無数の花を束ねていました。


 幾つか似たような花がありますが、オオハナウドは白い小さな5弁の花が、手足を広げた小人のように見えます。

 

 


 
 ここにもオオカメノキが葉を広げていました。


 似た仲間とは、オオカメノキの葉の基部のハート形で見分けることができます。


 実が付いた枝の朱と、葉の緑の配色がとてもエレガントです。

 


 片斜面の登山道を進んで行きますと、




 
 木陰毎にオオウバユリが佇んでいました。
 

 道すがら、硬く閉じた蕾や、開き始めた花を見かけました。


 オオウバユリが今、北海道で花の季節を迎えたようです。


 花を咲かせたオオウバユリに年齢を尋ねれば、21と答えるかもしれません。


 

    
 この花はチシマアザミ、北海道ならではの花です。


 北海道や千島などに育ち、花を横向きから下向きに咲かせます。


 30㎝大となる葉は、縁に切れ込みのないものや、深く切れ込むものまで変化に富んでいます。

 

 


 スタート地点から90分後、道はせせらぎを渡りました。


 多分、万計沢川でしょう。


 このコースでは、あちらこちらに小さな沼や、せせらぎに出会いました。


 ゆったりした地形の尾根は、豊かな森に包まれ、その森が潤沢な水を供給し続けているのでしょうか。

 



 登山道脇のあちらこちらにミズバショウの茂みを見かけました。

 



 関所のように道を塞ぐ倒木を幾度か潜り抜けると、

 



 森の木立を透かし見る空が広がってきました。


 標高を上げてきた証です。

 



 そして暫く進むと、万計山荘0.3kmの標識が見えました。


 「青沼すぐそこ」の「すぐそこ」は万計山荘までの意ではないのですが、その言葉の響きが、安堵感を伴って、山道を進む私の足どりを、さらに軽やかにしてくれました。




 

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空沼岳 北国の山の中へと

2016-08-18 12:24:34 | 花の山

 

 陽が高くなってきました。


 ゆるやかに続く山道は一本道で、枝道もありませんので、迷う心配はありません。


 登山道の写真を見ていると、キリマンジャロの登山道を想い出しました。


 キリマンジャロの頂きへの道も、ジャングルの中に、こんな感じの道が延々と続いていました。


 いやいや、この話は止めときましょう。


 何しろ私は、キリマンジャロ登山の最終日、高山病に罹り、頂上まで行けなかったのですから、縁起が良くありません。

 



 大きなフキの葉が陽射しを浴びていました。


 確認していませんが、フキの葉の下にはきっとコロポックルが潜んでいたはずです。

 


 再び、青いエゾアジサイの花を見かけました。


 今度の花は、ちょっと灰色がかった青ですから、水浅葱色ですね。

 



 順調に距離を伸ばし、万計山荘まで残り2.3kmとなりました。

 



 ゆるやかな尾根に広がる森は、明るい陽射しに包まれています。

 

 今ごろ大都会のコンクリートジャングルでは、人は灼熱の大気の中で喘いでいるかもしれません。


 私は今回、新潟からフェリーを利用しましたので、此処へ来るまでに二日以上掛かっていますが、羽田から飛行機を利用すれば、千歳まで90分、千歳空港からレンタカーで90分程でこのような緑の別世界に溶け込むことができます。


 本当に便利な世の中になったものです。


 数年後、もしかするとこの道は、高尾山のように、世界中のハイカー達の姿を目にするようになるかもしれません。




 単調な、登山道と呼ぶには、あまりにもなだらかな道がトドマツの森の中を登ってゆきます。


 左手の森の奥から沢水のせせらぐ音が聞こえていました。

 



 そして、出発してから約1時間後、何本目かの倒木を潜り抜けると、

 



 爽やかな風情のヤマブキショウマが、風に花を揺らせていました。


 白い小さな花を連ねた、涼やかな細い花穂に出会うと、いつも山に来たことを実感します。

 



 伸びあがる木の幹にしがみついたツルアジサイの花を見上げながら、

 


 

 眼下に流れる沢水に涼を感じながら、北国の山の中へと歩を進めてゆきました。



 

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空沼岳 コロポックルが踊り始める

2016-08-18 05:48:47 | 花の山

 

 

 登山道の脇に、エゾマツの大木が頻繁に姿を見せていました。




 エゾマツの葉を観察すると、枝の上側に付く葉は短く、枝の横や下側に付く葉は長いことが分かります。


 日頃東京の植物園で楽しみなが観察し、知り得た知識を、遠い北国の自然林で再確認することができました。


 マツの葉が恵比須顔で私に笑いかけているようにさえ思えます。


 こんなことを切っ掛けに、喜びのコロポックルが、私の胸の奥で踊り始めました。

 



 登山道に顔を覗かせた円い葉はオオカメノキです。


 葉の腋にライトグリーンの実を稔らせていました。


 秋ともなれば、実は赤く染まって、道行く人の目を楽しませてくれることでしょう。

 

 


 
 登山道の傍で、木立の間の僅かな空を映した水面に、水草のヒルムシロが憩いの時を過ごしていました。


 静かな時の流れに身を委ねる水草は、隠れ里に慎ましく暮らす村人のような風情を漂わせます。

 



 明るいトドマツの林の中に道は伸び、

 



 ミズバショウの葉が繁茂する谷地を覗き見た先に、

 



 万計山荘まで2.7kmの標示が現れました。


 沢を渡った標高367mの場所からここまで、40分程の時間が経過しました。


 しかし、道はあまりにもなだらかで、登って来た意識は全くありません。

 



 しかし、エゾノレイジンソウなどが姿を見せ始め、植生に少しずつ変化が現れるようになりました。

 



 そんな時、歩を進める足元に、散り落ちた一輪の、白いサルナシの花を見かけました。

 



 周囲の路傍に聳える木立を見上げましたが、梢高く葉は茂り、枝先に咲く花の姿を確認することはできませんでした。



 

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