オニシモツケがふわっとした花を咲かせていました。
托葉が耳のような形で茎を取り囲んでいます。
良く見ると花は、薄いピンクがかった繊細な色合いに咲いています。
今は野にありますが、元は高貴なお生まれのお嬢様なのかもしれません。
オオハナウドが、白い無数の花を束ねていました。
幾つか似たような花がありますが、オオハナウドは白い小さな5弁の花が、手足を広げた小人のように見えます。
ここにもオオカメノキが葉を広げていました。
似た仲間とは、オオカメノキの葉の基部のハート形で見分けることができます。
実が付いた枝の朱と、葉の緑の配色がとてもエレガントです。
片斜面の登山道を進んで行きますと、
木陰毎にオオウバユリが佇んでいました。
道すがら、硬く閉じた蕾や、開き始めた花を見かけました。
オオウバユリが今、北海道で花の季節を迎えたようです。
花を咲かせたオオウバユリに年齢を尋ねれば、21と答えるかもしれません。
この花はチシマアザミ、北海道ならではの花です。
北海道や千島などに育ち、花を横向きから下向きに咲かせます。
30㎝大となる葉は、縁に切れ込みのないものや、深く切れ込むものまで変化に富んでいます。
スタート地点から90分後、道はせせらぎを渡りました。
多分、万計沢川でしょう。
このコースでは、あちらこちらに小さな沼や、せせらぎに出会いました。
ゆったりした地形の尾根は、豊かな森に包まれ、その森が潤沢な水を供給し続けているのでしょうか。
登山道脇のあちらこちらにミズバショウの茂みを見かけました。
関所のように道を塞ぐ倒木を幾度か潜り抜けると、
森の木立を透かし見る空が広がってきました。
標高を上げてきた証です。
そして暫く進むと、万計山荘0.3kmの標識が見えました。
「青沼すぐそこ」の「すぐそこ」は万計山荘までの意ではないのですが、その言葉の響きが、安堵感を伴って、山道を進む私の足どりを、さらに軽やかにしてくれました。
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