1400m湿原の中に木道が伸びて行きます。
正面に見えている左のピークが夕張岳山頂、右が熊ガ峰です。
草原の中に小島が浮かぶかのように、ハイマツの茂みが点在し、
木道の周囲を、シロウマアサツキが薄紅紫色に染めていました。
東の空の下には東大雪の山並みが見えています。
山稜の左からニペソツ山、ウペペセンケ山、そして、低く小さく尖っているのが東ヌプカウシヌプリと思われます。
そして、釣鐘岩の横を通過すると、
頂上まで800m、100mの標高差を残すだけとなりました。
ピークの手前に青味を帯びた粘土状蛇紋岩が露出する「吹き通し」が見えてきました。
「吹き通し」の蛇紋岩が露出した場所は、カリウムやカルシウムなどの養分が極めて少ない貧栄養土壌地帯なので、この環境に適応する、特殊な植物だけが生き延びることができるのだそうです。
その「吹き通し」で、夕張岳固有種のユウバリソウが花を散らせた後の花茎を立てていました。
6月下旬か7月上旬に登って来なければ、花には会えないようです。
そして、エゾタカネツメクサが白い花のブーケを作っていました。
「吹き通し」には金山ルートとの分岐点があります。
当初はこのルートを登ろうと考えていたのですが、良かったぁ、夕張ルートを使って。
金山ルートで此処に登っても、高山植物の一部しか見ることができなかったでしょうから。
そして、最後の標高差100mを登り詰め、
午前10時ジャストに、花の百名山 夕張岳の頂上に立つことができました。
頂上から南を望むと、遥か彼方に日高山脈のほぼ全てを見ることができました。
左手からピパイロ岳、幌尻岳、そして右端はペテガリ岳かもしれません。
それにしても、山登りは、晴天に越したことはないようです。
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