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花の百名山 念願の夕張岳

2016-08-21 21:46:09 | 花の山

 

  午後3時、札幌の森さんのお宅を出た車は、途中で食糧を買い足しながら、今、夕張岳の登山口を目指してシューパロ湖を渡っています。

 


 私と森幸二さんは、40年以上も前に、帯広畜産大学の自然探査会というサークルに所属していました。

 

 私が年長ですが、今でも森さんの同期の人達や先輩のMMさんとは連絡を取っており、一昨日も森さんの手配で札幌の人達が集まってくれて、札幌駅前の居酒屋で何十年振りかの盃を酌み交わしました。


 車の進む方向は厚い雲に覆われ、夕張岳はみえていません。


 助手席で森さんが、「先輩と来るといつも天気悪いんだよな~」と呟きました。


 そうです、実は私は、学生時代雨男として名を馳せていました。


 「そう、俺は空も女も泣かせ上手なんだ」と軽口をたたくと、「え~、半分当ってるけど、半分は違うでしょう」と即答が返ってきました。


 橋を渡り終えると、ダートの林道が始まりました。

 



 林道を暫く走ると、ゲートには「この林道の一般車両の通行は6月18日から9月30日まで」と表示されていました。

 

 但し、この期日は、毎年変わるようですから、登山される方は注意して下さい。

 


 この場所から夕張岳登山口までは9.4kmあり、これを歩くとすれば3時間は覚悟しなければなりません。


 私達の学生時代は、車は誰も持っていないし、タクシーを使うほどお金に余裕はないしで、夕張岳はかなり近づき難い山でした。

 

 学生サークルでは、日高山脈に入って、植物や鳥などを調べる日高5ヶ年計画をスタートさせたばかりでした。

 

 夏合宿では、数パーティに分散し、1週間以上も日高山脈を歩き廻ったものです。

 


 

 私は日高山脈以外にも、大雪や十勝岳連峰などへも足を伸ばしましたが、アプローチの悪い夕張岳に登ることなく卒業を迎えました。


 就職して旭川に住み、社会人山岳会にも所属しましたが、夕張岳へはとうとう登らずに、転勤で北海道を去ることになり、今日に至っています。


 その念願の夕張岳に、今やっと足を踏み入れようとしています。

 

 当初の計画では、今夜は夕張岳ヒュッテに泊まる予定でした。

 

 しかし、林道終点に車を止めて支度していると、下山してきた人が、ヒュッテは小学生を含めた団体で満員なので、寝る場所を確保するのが難しいだろうと教えてくれました。

 

 そこで急遽、車中泊を決めて、夕食の支度に取り掛かりました。

 


 

 今夜のメニューはジンギスカンです。

 

 ビールやチュウハイをたっぷりと持ってきましたから、森さんと二人、何とも贅沢な夕餉を楽しむことができました。

 

 こんな細やかなことで、王侯貴族のような気分に浸れるのですから、山登りって本当に素敵です。

 

 

 

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空沼岳 出会った花など

2016-08-21 13:30:46 | 花の山

 

 下山時に観察した植物 

 

 

 

 ウコンウツギ スイカズラ科 標高1250m 


 ウコンウツギの長楕円形の蒴果は2裂しますが、先端に萼が残り離れない。

 



 

 

 ミヤマハンノキ カバノキ科 標高1250m


 亜高山や高山に生え、北海道では低地にも生える。


 鋸歯は細かく突出する。



  

 

 

 ミネザクラ バラ科 標高1200m


 葉は長さ4~9㎝で先は尾状に長く尖り、無毛。蜜線は葉柄上にある。


 チシマザクラの葉は有毛。

 



 

 

 ナナカマド バラ科 標高1200m


 小葉は細い楕円形、4~7対、鋸歯鋭く細かい、サクラに似た樹皮。

 

 森林限界付近まで分布。

 

 



 


 コマガタケスグリ ユキノシタ科 標高1100m


 葉は5中裂、葉伸長7~15㎝、基部は深心形、葉裏に腺点、樹高1~2m、果実球形で径8㎜。 

 


 

 


 アカモノ 別名イワハゼ ツツジ科 標高1100m


 葉は1.5~3㎝広卵形で先が尖がり、基部はまるい。

 

 花は白色鐘形で長さ6~7㎜、花柄と苞に赤褐色の毛がある。 

 


  



 ハイオトギリ オトギリソウ科 標高1050m


 北海道の亜高山帯~高山帯に分布する多年草で高さ15~30㎝。


 葉は広楕円形、長さ2~5㎝、基部は茎を抱き、ふちに黒点が並ぶ。


 花は鮮淡黄色で径2.5~3㎝、花柱3個。



 

 
 

 ズダヤクシュ ユキノシタ科 標高1050m


 北海道、近畿以北、四国の山地~亜高山帯に分布する多年草。


 根生葉は計2~6㎝で浅く5裂し基部は心形。


 花茎10~40㎝の先へ総状に白花を下向きに咲かせる。


 花茎、花柄、葉柄に線毛がある。



 



 ハイイヌガヤ イチイ科 標高1050m


 イヌガヤの変種、長さ2~4㎝の線形の葉が二列に並ぶ。


 樹高2~3mで雌雄異株。


 イヌガヤの分布は北海道以外とされる。



 

 

 
 ツルツゲ モチノキ科 標高1050m


 ほふく性で幹は地をはい、枝に稜があり、高さ0.3~0.5m。


 葉は卵状長楕円形で長さ1.5~4㎝、表面にしわが目立つ。


 雌雄異株、花は白く、花弁4枚、雌花は雄蕊1個と退化した雄蕊4本。



 

 

 
 オオバスノキ ツツジ科 標高1050m


 樹高1~1.5m。


 葉は4~9㎝長楕円形で先は尖り、基部楔形、細鋸歯縁。


 花は鐘形緑白色で赤色を帯び、先は5裂し、反り返る。



 

 

 
 エゾノタチツボスミレ スミレ科 標高1050m


 茎は高さ20~40㎝。


 上部の葉の先は尖り基部は心形、長さ2.5~4㎝。


 花は距が短く萼片が細長い、側弁基部、花柱の先に毛がある。



 

 

 
 ツルアジサイ ユキノシタ科 標高900m


 落葉ツル性木本で木や岩をはい登る。


 花は径5㎜の両性花多数と3㎜程の白い萼片3~4枚の装飾花を付ける。


 まれに装飾花だけのものもある。



 


 ノリウツギ ユキノシタ科 標高500m


 日当たりの良い山野に生え、樹高2~4m。


 枝先に円錐花序を付け、小形で5弁の両性花の周囲に径1~5㎝の装飾花を付ける。


 果実は長楕円形、幅3㎜、9~10月成熟。



 

 


 フッキソウ ツゲ科 標高500m


 全国に分布する常緑亜低木。


 高さ20~30㎝、葉は卵状楕円形、菱状倒卵形で上部に荒い鋸歯があり、質は厚い。


 茎先に総状花序の淡緑黄色の花を咲かせる。


 果実は径1.2~1.5㎝の球形で真珠色。



 

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