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空沼岳 万計沼から真簾沼へ

2016-08-19 16:04:45 | 花の山

 

 

 万計沼には万計山荘と空沼小屋がありますが、空沼小屋は改装中で、近寄ることはできませんでした。

 

 


 万計山荘は空沼岳万計山荘友の会が管理し、無料で利用できるようです。


 山荘は昭和40年に建てられ、ボランティアによって運営され、薪などはレンタルのトラックを借りて運び込んでいるそうです。


 平成13年には全国から募金を募って、大改修も行なわれたようです。


 維持資金の為の募金協力依頼が掲示されていました。




 万計沼の岸辺伝いにミツガシワが厚めの葉を並べていました。


 対岸では針葉樹を背にした広葉樹が湖畔を覆うように並んでいます。


 紅葉の季節はどんな光景になるのでしょうか。

 



 万計山荘の前のベンチで5、6分の休憩をとり、再び空沼岳の頂きへ向けて歩き始めました。

 



 針葉樹と広葉樹の混交林の中を進んで行きます。

 



 花を終えて、大きな葉の中央に実を付けたオオバナノエンレイソウ(左)やサンカヨウ(右)を見かけました。

 

 


 
 ユキザサが白い花を見せていました。

 

 


 
 エゾノヨツバムグラも質素な風情の花を咲かせていました。


 こんな目立たない花姿で虫を集めることができるのでしょうか?

 

 

 

 懐かしいゴゼンタチバナにも出会うことができました。


 苗場山以来、3年振りの再開となります。



 見上げるとミヤママタタビが、これも白い花を蔓枝にぶら下げていました。


 ミヤママタタビは雌雄異株ですが、どうやらこの花は雄花のようです。

 



 オガラバナ(左)が如何にもカエデ科らしい実を稔らせていました。


 その根元では、花を終えたツバメオモト(右)が艶めいた葉を光らせていました。

 

 


 
 次は何が出て来るのかなと、目をきょろきょろさせて歩くうちに、40分程で真簾沼に到着しました。


 真簾沼は湖岸にごろた石が並ぶ解放的な雰囲気の沼で、正面に見えている尾根は札幌岳でしょうか?




 

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空沼岳 安息の地 万計沼

2016-08-19 12:03:17 | 花の山

 

 

 道の脇に見覚えのあるランが咲いていました。


 トンボソウのようです。


 しかし、私の記憶しているトンボソウと、花の形が微妙に違って見えます。


 花と葉の形、付き方などを写真に撮り、帰宅してから図鑑で調べると、タカネトンボということがわかりました。


 始めて出会えた花でした。

 

 

 

 植物は花がないと、葉だけではなかなか判別が難いものです。


 同じ山でも、登るタイミングを一週間違えれば、新しい花に巡り会える可能性があります。


 美しい景色を見ながら野山を歩くことだけでも楽しいのですが、花や木との出会いを楽しみながら山野を歩けば、楽しさは無限大に広がります。


 60を過ぎたら、楽しくなければ生きてはいけないし、楽しまなければ生きる屍と同じですよね。


 草木を見て、鳥の声を聞きながら野山を歩けば、誰もが心から楽しい時間を過ごすことができます。


 北海道まで行かなくても、身近な場所でも十分に楽しめます。


 さあ、お金があっても無くても、時間はたっぷりあるぞ。


 熟年よ曠野を目指そう!


 道は沢筋に入ってきました。

 



 目の前に滝が現れました。

 



 登山道は滝の右手の斜面を登ってゆきます。

 



 水が流れる岩場に、面白い形に葉を広げた草に花が咲いていました。


 クルマバソウです。

 



 右手の土壁から、赤い実を付けたオオナルコユリが登山道へ、枝を伸ばしていました。

 



 更にその先で、清楚で慎ましいイワアカバナが花を咲かせていました。

 

 


 
 しゃがみ込んで花の写真を撮った後、目を上げると、緑の森を映した沼が目に飛び込んできました。


 万計沼です。

 

 

 万計沼は30年前のあの日と同じように、静かな湖面に水を湛え、悠久を想わせる深みある色彩で、登り来た人々に、安息の時と場を提供してくれていました。

 



 9時頃から登り始めて2時間弱、足に疲労感を感じることもなく、無事万計沼に到着することができました。


 昨年の夏、私はスポーツジムのオーバーワークで肩に痛みを覚えてから、運動不足となり、一年振りの山登りに少々不安はあったのですが、そんな心配は全く必要ありませんでした。


 

 

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空沼岳 透かし見る空が広がる

2016-08-18 17:17:52 | 花の山

 

 オニシモツケがふわっとした花を咲かせていました。


 托葉が耳のような形で茎を取り囲んでいます。


 良く見ると花は、薄いピンクがかった繊細な色合いに咲いています


 今は野にありますが、元は高貴なお生まれのお嬢様なのかもしれません。

 



 オオハナウドが、白い無数の花を束ねていました。


 幾つか似たような花がありますが、オオハナウドは白い小さな5弁の花が、手足を広げた小人のように見えます。

 

 


 
 ここにもオオカメノキが葉を広げていました。


 似た仲間とは、オオカメノキの葉の基部のハート形で見分けることができます。


 実が付いた枝の朱と、葉の緑の配色がとてもエレガントです。

 


 片斜面の登山道を進んで行きますと、




 
 木陰毎にオオウバユリが佇んでいました。
 

 道すがら、硬く閉じた蕾や、開き始めた花を見かけました。


 オオウバユリが今、北海道で花の季節を迎えたようです。


 花を咲かせたオオウバユリに年齢を尋ねれば、21と答えるかもしれません。


 

    
 この花はチシマアザミ、北海道ならではの花です。


 北海道や千島などに育ち、花を横向きから下向きに咲かせます。


 30㎝大となる葉は、縁に切れ込みのないものや、深く切れ込むものまで変化に富んでいます。

 

 


 スタート地点から90分後、道はせせらぎを渡りました。


 多分、万計沢川でしょう。


 このコースでは、あちらこちらに小さな沼や、せせらぎに出会いました。


 ゆったりした地形の尾根は、豊かな森に包まれ、その森が潤沢な水を供給し続けているのでしょうか。

 



 登山道脇のあちらこちらにミズバショウの茂みを見かけました。

 



 関所のように道を塞ぐ倒木を幾度か潜り抜けると、

 



 森の木立を透かし見る空が広がってきました。


 標高を上げてきた証です。

 



 そして暫く進むと、万計山荘0.3kmの標識が見えました。


 「青沼すぐそこ」の「すぐそこ」は万計山荘までの意ではないのですが、その言葉の響きが、安堵感を伴って、山道を進む私の足どりを、さらに軽やかにしてくれました。




 

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空沼岳 北国の山の中へと

2016-08-18 12:24:34 | 花の山

 

 陽が高くなってきました。


 ゆるやかに続く山道は一本道で、枝道もありませんので、迷う心配はありません。


 登山道の写真を見ていると、キリマンジャロの登山道を想い出しました。


 キリマンジャロの頂きへの道も、ジャングルの中に、こんな感じの道が延々と続いていました。


 いやいや、この話は止めときましょう。


 何しろ私は、キリマンジャロ登山の最終日、高山病に罹り、頂上まで行けなかったのですから、縁起が良くありません。

 



 大きなフキの葉が陽射しを浴びていました。


 確認していませんが、フキの葉の下にはきっとコロポックルが潜んでいたはずです。

 


 再び、青いエゾアジサイの花を見かけました。


 今度の花は、ちょっと灰色がかった青ですから、水浅葱色ですね。

 



 順調に距離を伸ばし、万計山荘まで残り2.3kmとなりました。

 



 ゆるやかな尾根に広がる森は、明るい陽射しに包まれています。

 

 今ごろ大都会のコンクリートジャングルでは、人は灼熱の大気の中で喘いでいるかもしれません。


 私は今回、新潟からフェリーを利用しましたので、此処へ来るまでに二日以上掛かっていますが、羽田から飛行機を利用すれば、千歳まで90分、千歳空港からレンタカーで90分程でこのような緑の別世界に溶け込むことができます。


 本当に便利な世の中になったものです。


 数年後、もしかするとこの道は、高尾山のように、世界中のハイカー達の姿を目にするようになるかもしれません。




 単調な、登山道と呼ぶには、あまりにもなだらかな道がトドマツの森の中を登ってゆきます。


 左手の森の奥から沢水のせせらぐ音が聞こえていました。

 



 そして、出発してから約1時間後、何本目かの倒木を潜り抜けると、

 



 爽やかな風情のヤマブキショウマが、風に花を揺らせていました。


 白い小さな花を連ねた、涼やかな細い花穂に出会うと、いつも山に来たことを実感します。

 



 伸びあがる木の幹にしがみついたツルアジサイの花を見上げながら、

 


 

 眼下に流れる沢水に涼を感じながら、北国の山の中へと歩を進めてゆきました。



 

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空沼岳 コロポックルが踊り始める

2016-08-18 05:48:47 | 花の山

 

 

 登山道の脇に、エゾマツの大木が頻繁に姿を見せていました。




 エゾマツの葉を観察すると、枝の上側に付く葉は短く、枝の横や下側に付く葉は長いことが分かります。


 日頃東京の植物園で楽しみなが観察し、知り得た知識を、遠い北国の自然林で再確認することができました。


 マツの葉が恵比須顔で私に笑いかけているようにさえ思えます。


 こんなことを切っ掛けに、喜びのコロポックルが、私の胸の奥で踊り始めました。

 



 登山道に顔を覗かせた円い葉はオオカメノキです。


 葉の腋にライトグリーンの実を稔らせていました。


 秋ともなれば、実は赤く染まって、道行く人の目を楽しませてくれることでしょう。

 

 


 
 登山道の傍で、木立の間の僅かな空を映した水面に、水草のヒルムシロが憩いの時を過ごしていました。


 静かな時の流れに身を委ねる水草は、隠れ里に慎ましく暮らす村人のような風情を漂わせます。

 



 明るいトドマツの林の中に道は伸び、

 



 ミズバショウの葉が繁茂する谷地を覗き見た先に、

 



 万計山荘まで2.7kmの標示が現れました。


 沢を渡った標高367mの場所からここまで、40分程の時間が経過しました。


 しかし、道はあまりにもなだらかで、登って来た意識は全くありません。

 



 しかし、エゾノレイジンソウなどが姿を見せ始め、植生に少しずつ変化が現れるようになりました。

 



 そんな時、歩を進める足元に、散り落ちた一輪の、白いサルナシの花を見かけました。

 



 周囲の路傍に聳える木立を見上げましたが、梢高く葉は茂り、枝先に咲く花の姿を確認することはできませんでした。



 

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空沼岳 うららかな森の道

2016-08-17 00:10:24 | 花の山

 

 なだらかな尾根道がササの茂みに中に続いていました。 

 


 明るい陽射しの中でエゾアジサイの花を見かけました。


 エゾアジサイは、中央のプチプチした両性花の周囲を、4枚花弁の青い装飾花が囲みます。


 主に、北海道と本州の日本海側に育ちますが、花の青さの濃淡に多彩な変化が認められます。


 この花色は水色とでも呼べば良いのでしょうか。

 



 登山道の周囲に、色の変化に富むエゾアジサイの花が次々と現れました。

 

 


 
 左上のエゾアジサイはツユクサ色、右上は花田色とでも名付けましょうか。


 エゾアジサイの色々を楽しみながら、なだらかな尾根道を登り続けます。


 周囲の森に広葉樹と針葉樹の混交林が広がり、見上げると、カツラの大木が淡緑色の葉を梢の先に輝かせていました。

 

 

 
 大きなエゾマツの根元に解説板が設けられています。

 木の高さは25m、直径90cm、樹齢250年と記載されていました。


 そのすぐ横に、この木から新聞紙だと何枚、トイレットペーパーは何ロール、ティッシュは何箱、との問いが記され、

 

 

 
 裏へ廻われば、その答えがありました。

 

  この道はきっと、小学生の野外研修などに使われるはずです。

 

 

 明るい林の中に登山道は続き、時折鶯の囀りが聞こえてきます。

 


 

 何時の頃に倒れたのでしょう、一人では抱えきれぬ程の、針葉樹の大木が道を塞いでいました。

 


 剽軽な表情で、ウドが葉を広げ、花を咲かせていました。

 

 暑くもなければ、寒くもない、程好い大気に包まれて、北国の山にうららかな道が続いていました。

 

 

 

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花の百名山 再びの空沼岳

2016-08-16 16:20:32 | 花の山

 

 空沼岳は札幌市民に人気が高く、多くの登山者に親しまれています


 その為もあって、シーズンになると、登山口まで路線バスが運行される、北海道でも数少ない山の一つです。


 私は1982年からの8年間を札幌で暮らしましたが、その頃、小学校入学前の二人の息子達を連れて、会社の同僚達と、途中の万計沼まで往復したことがあります。


 登山口から万計沼までなだらかな道が続き、子供の足でも2時間程の行程だったと記憶しています。


 蜃気楼のような記憶になったあの日から、30数年程の月日が流れました。


 あの日、あの時の二人を含め、三人の息子達は、あの時の私と同じような年頃となり、あの頃の私のような穏やかな日々を、大都会の片隅で暮らし始めています。


 1990年に会社の辞令を受けて札幌を離れた時、世間には「1990年」という歌が流れていました。


 「1990年 娘は21 女の季節を迎えているだろう ・・・ どんな男に どこで抱かれるやら どんな男に命預けるやら ・・・ 幸せになるんだよ、幸せな女に・・・ 幸せの旅を続けて行くんだよ・・・ 」


 「1990年」の歌詞と違い、三人男の子の親となった私は、人の親として、息子達に平穏な日々を迎えさせることが最低限の勤めだと、生真面目に考えていたことを想い出します。


 がむしゃらに働き続けた日々を過ごし、今振り返れば、親としての最低限の責任は果たせたのではないかと思えるのです。


 そして、あの日の昭和から平成へ、20世紀から21世紀へと時が移り、私はもう一度、空沼岳の登山口に立っていました。

 

 

 今日は休日でも祝日でもありませんが、林道終点周辺には十数台の車がめられていました。


 運良く、林道脇にスペースを見付け、そこへ愛車を駐めると、私はゆっくりと沢音がこだまする道に歩を進めて行きました。

 



 都会の空き地でも見かけるキツネノボタンが、特別な花でもあるかのような顔をして私の視線を誘います。

 



 沢水が飛沫を上げて流れる岩場を進むと、

 



 支笏洞爺国立公園の大きな看板が見えてきました。


 この場所で登山者名簿に記帳し、

 



 丸木橋の残骸に沿って、飛び石伝いに沢を渡りました。

 


 沢の対岸には「空沼岳登山口」と記載された掲示板が設けられていました。

 

 標高367mの文字が見えます。


 空沼岳山頂は1251mですから、頂上までの標高差は884mです。




 

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