ゴルフクラブによる『飛び』の秘密を
考えてみましょう。
①長尺化によるヘッドスピードの増加
長尺化によるヘッドスピードの増加は
飛びの要素になり得ます。
がしかし 長尺化するために、ヘッドを軽量化
してしまったのでは
単に「ヘッドスピードの数値」が上がるだけです。
例えば 車で考えてみましょう。
何か(例えば怪獣とか^^)に意図的にぶつかって壊す としましょう。
時速30キロでダンプカーがぶつかるのと
時速60キロで軽自動車がぶつかるの では
どちらが破壊力が強いでしょう?
セット内を同じ流れにするようにゴルフクラブを製作すると
ヘッド重量を 半インチ 8~10g増減させます。
同じヘッド重量のまま 長尺化すれば
それは確かに『破壊力の増大』につながりますが
ヘッド重量を軽量化しての 長尺化は
扱いにくさの増大もついて回りますので
実際の 飛距離アップ にはつながりません。
独りよがりの数値の上でのヘッドスピードアップ
だけが利点???です。
と同時に騙されがち ですが
44インチを基礎にすると46インチに変更して
44インチ➟46インチ 5㎝の差です。
で 平均しても速くなるヘッドスピードは 1.5㎳以下です。
1インチ長尺化しても 数値だけをとっても
ヘッドスピードは 1msあがりません。
ヘッド重量などほかの要因が同じとすると
その 1.5㎳ヘッドスピードの「数値」が上がる ことによる
飛距離アップは たった 5ヤード です。
それによって 立った製品ロフトを使える可能性があるので
(ここの部分が 長尺化の最大のポイント、真意です)
10ヤード近く飛距離を伸ばせる可能性…はありますが
5センチ長くなったことによる スイングに対する風の影響
ミスヒットの度合い、安定度 などを加味すると
長尺化での飛距離アップは幻想と言わざるを得ません。
最大(高)飛距離は10ヤード増えるかもしれませんが、
平均飛距離は変わらないか、もしくは落ちる可能性もあります。
②ヘッド重量の増加
クラブの扱い方(振り方)によって
ハッキリと分かれるところですが
効果は高いです。
クラブヘッドだけで言うと
🔴慣性モーメントの増加 や
🔴重心距離を長くする ことは
これに該当します。
ヘッド重量が重くなるとヘッドスピードが下がる…
ヘッド重量が軽くなるとヘッドスピードが上がる…
と思いがちですが
弊社でテストした限り
ヘッド重量以外をすべて同じ条件で
ヘッド重量を ➟20gアップ ➟40gアップ
ヘッド重量を ➟20gダウン ➟40gダウン
しても ヘッドスピードの増減は殆どなく
ヘッド重量を軽くすると
ヘッドスピードの多少のアップは見られますが
それも10球も打つと慣れてしまうのか
元のヘッドスピードに戻ってしまいます。
ヘッド重量を上げる効果は
慣性モーメントが増し
運動の持続性やヘッド姿勢の継続性が高まり
ミスヒットやラフ・バンカーに強くなります。
ゴルフスイングとは
行き着くところ 重さの使い方 ですから
重いものほど それをどう使うかの試行錯誤
創意工夫が得られますので
デメリットは殆どないのですが、
ショットはヘッドをブンまわすものと妄信する人には
自由が利かず、辛いものとなるでしょうね
③ロフト(ロフト効果)を立てる
ヘッド重量とともに
飛距離アップの効果が非常に高いです。
おそらく アマチュアが飛距離の問題を解決する
最大の鍵になると思われます。
この40年のゴルフクラブの変遷と飛距離の相関関係は
基本 この『ロフト効果』によるものです。
長尺化によるヘッドスピードではないのです。
アイアンの場合、
製品として『ストロングロフト』になっているもの
には欠点があります。
今の 7番アイアンは30度強
20年前の5番アイアン
40年前の4番アイアンのロフト です。
それは飛びますよね。
それによって 従来存在しなかった
PS・AW が追加され
セットも 従来は #3~P、SW だったものが
#5~P、A、SW 構成に替わりました。
まあ 番号が変わっただけのロンダリングみたいな感じです。
それを飛ばす為…深く考えると意味不明なのですが
更にロフトをストロング化すると
120ヤード以下 というアマチュアにとって
使う頻度の高い距離帯 に
クラブが少なくなります。
150ヤード以上 というのは
登場する頻度も多くない上に
色々な要素からミスも多い距離帯に
番手が 5本も7本も充実しており
120ヤード以内という
登場する頻度の多い距離帯に
番手が2本しかない なんてことが
発生します。
野球で言うと 外野に5人野手がいて
内野に2人しかいないような構成です。
ですので そこらへんも踏まえた上で
ロフト構成は考えましょう