第160回記事(2013年9月9日(月)配信)(次回9月16日(月)配信予定)
今回は5Sに関する3回目の記事になります。本としては2冊目になります。
本全体のお薦め度に関しては記載しませんが、あまりにも本がすらすらと読めてしまいました。とっても読み易くその点ではたいへんお薦めです。
<データ>
著者:(株)OJTソリューションズ(トヨタ自動車等により創設されたコンサルティング会社)
出版社:中経出版
出版年:2012年
ページ数:239p
定価:1300円+税
<はじめに>
5S、その中でも「企業の成果に繋がる」5Sをテーマに本を読んでおり、10ページに
トヨタの片づけにより、
ムダがなくなり
効率があがり
売上げがあがる
とあるのでこの本をピックアップしたのですが、残念ながら売上げがなぜあがるかまでは明確には書かれていないと思います。しかし、5Sでは先進的なトヨタ自動車さんのOBの方が書かれており、参考になる点は多いと思います。特に、モノの取り出しにおいて、自分では10秒以内、他人だと30秒以内にする時間のムダ排除が参考になりそうです。
<5Sとムダ>
5Sと本のタイトルのトヨタの片づけの関係は、トヨタの片づけは5Sのエッセンスをまとめたものとのことです。(10p)
ムダといえば、造りすぎのムダに代表される”トヨタの7つのムダ”がすぐに思いださる方が多いでしょうが、ムダとして分類されているのは①スペースのムダ、②時間のムダ、③間違えるムダ、④とりに行くムダの4つです。(29p)(これについては、個人的には意見があるのですが、長くなるので書きません。)
<5Sにおける技術>
章構成は以下になります。
1章 トヨタ流「片づけ」で仕事が変わる!うまくいく!
2章 ムダを減らすトヨタの「整理術」
3章 仕事を効率化させるトヨタの「整頓術」
4章 トヨタ流片付けが「習慣化」する方法
2章で整理、3章で整頓、4章で清掃・清潔・しつけが書かれています。
章のタイトルの中に「〇〇術」という言葉が出てきますが、技術の点からまとめると、5Sの中の3Sで大切なのは以下の技術です。これには同感です。
整理・・・・捨てる技術
整頓・・・・置き場所を決める技術
清掃・・・・掃除をしなくてもよいようにする技術
技術を持たずにただ行動するだけでは、良い成果は得られません。
<動機付ける>
222pと228pに、作業者・社員に5Sについて動機付けさせることが大切だとの記載があります。大切な点であり、その言葉を掲載しておきます。
百聞は一見にしかず、
百見は一考にしかず、
百考は一行にしかず、
百行は一効にしかず。(効とは効果のことです)
とにかく、「片づけると楽になる」と作業者・社員が実感することが5Sを定着させ習慣化させることに一番効果があります。
井上三右衛門