はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「さよならも言えないうちに」

2022-08-27 14:15:15 | 本・映画・ドラマ
川口俊和さんの「さよならも言えないうちに」を読みました。
感想など綴ってみたいと思います。


本屋大賞ノミネートされ、有村架純さん主演で映画化された『コーヒーが冷めないうちに』
シリーズの4冊目、、かな?
大好きなシリーズです。

「最後」があるとわかっていたのに、
なぜそれが「あの日」だと思えなかったんだろう——。

家族に、愛犬に、恋人に会うために
過去に戻れる不思議な喫茶店
フニクリフニクラを訪れた
4人の男女の物語。

とある町の
とある喫茶店の
とある座席には不思議な都市伝説があった
その席に座るとその席に座っている間だけ
望んだ通りの「時間」に移動ができるという

ただし、そこにはめんどくさい……
非常にめんどくさいルールがあった

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことのない者には会うことができない
2.過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらない
3.その席には常に白いワンピースを着た女が座っている
4.その席に座れるのはその女が席を立った時だけ
5.過去に戻っても、席を立って移動はできない
制限時間はカップにコーヒーを注いでから、
そのコーヒーが冷めるまでの間だけ

めんどくさいルールはこれだけではない
それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

喫茶店の名前は、フニクリフニクラ

この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった心温まる四つの奇跡

第1話 大事なことを伝えていなかった夫の話
第2話 愛犬にさよならが言えなかった女の話
第3話 プロポーズの返事ができなかった女の話
第4話 父を追い返してしまった娘の話

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?


短編集ではあるけれど、どの物語も、涙なくしては読めない感じで、
悲しいけれど、心温まる・・・そんな感じのお話たち。
第一話では、事故で植物人間となってしまった妻に、、伝えたい一言を、
過去に戻って伝える男性の物語。
1話の終わりに、
「不思議だな。(伝えることができて)後悔は消せたはずなのに、こんなにも
君が目を覚ますのを期待するようになってしまったよ」とベッド脇でつぶやいて、
ぼろぼろ涙するシーンで締めくくられていたのですが、
4話の終わりに、「奥さん、奇跡的に目覚められたって・・」なんて会話がはさまれていて、
あぁ、、よかった、、って、思いました。

私は、誰に会いに行くのだろう?
でも、一生に一度しか戻れないのだとしたら、まだ、、今は、その権利を使わずに
とっておくんだろうな。
なぁんて。
そんな喫茶店があったら、ホントに素敵。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本「夜に星を放つ」

2022-08-27 00:17:08 | 本・映画・ドラマ
窪美澄さんの「夜に星を放つ」を読みました。
感想など綴ってみたいと思います。

直木賞受賞作。
直木賞受賞作に、短編集ってのは、初めて読んだかもしれない。

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、
再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。
コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、
30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、
人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。
学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との
奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、
父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、
人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。


比較的、するするっと読み終えてしまいました。短編集だからかな?

真っ暗な中に居て、遠くできらっときらめく星の光を見つけたような、、、
物語展開、、なのだろうと思いますが、
私は、ちょっと自分の気持ちが落ち気味の時に読んだので、
暗い気持ちの方へ、、引っ張られてしまい、なんとなく、全体的に暗い印象が
残ってしまいました。
もう少し明るい気持ちの時に読むべきだったかも。

5つの中では、「真珠星スピカ」が、一番好きだったかも^^。
母さんの居ない生活に慣れていくのは寂しい気もしたけれど、
お父さんとの関係が良くなって、、お母さんの死を、一緒に泣くことができる
関係になれたことは、、しみじみっと、、よかったと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする