ソウハチ・マガレイの北海道北部系群に対しTAC導入を図る資源管理手法検討部会(田中栄次部会長)が8月7日午後1時から札幌第一合同庁舎の講堂で開かれ、沿岸、沖底の代表、道総研の研究者が参考人として意見陳述を行った。
すでに両系群については、7月6日に余剰生産(プロダクション)モデルに基づく新しい資源評価の説明会が札幌で開かれ、ステークホルダーに向けて議論する事項の意見、論点のまとめについて出席者の確認を求めた。それに対し、混獲魚種であるカレイ類にTACを導入すれば、主な漁獲の対象にしている魚の操業に支障が出るため、水産庁の整理したまとめの文言に注文がつけられた。
カレイ類の道内の漁獲は、道水産林務部の速報によると、令和3年が2万㌧・38億円、同4年が2万1千㌧・41億円。このうち、マガレイは道水産現勢によると3年で2,573㌧・6億1,139万円。ソウハチは5,866㌧・3億5130万円となっており、キロ単価はマガレイが238円、ソウハチ60円と魚価安に直面している。
検討部会ではソウハチの参考人として茂木隆文東しゃこたん漁協代表理事組合長、蛯名修北るもい漁協専務、板谷和彦道総研函館水試調査研究部長、伊藤保夫小樽機船漁協代表理事組合長、風成成一稚内機船漁協代表理事組合長、柳川延之道機船連専務、富岡啓二全底連会長、マガレイでは蝦名専務のほか、富田和幸沙留漁協専務、板谷調査研究部長、伊藤組合長、風成組合長、柳川専務、富岡会長が意見を述べた。
柳川専務によると、資源状態が良く現状の漁獲のままで、10年後にMSY水準を達成するのであれば、従来の資源管理で十分であり、新たにTACを導入する必要はない。また、体調制限などを沿岸、沖底の両業界が管理協定を結び30年もやっており、その効果で現状の資源が良好であることを認めてほしい。さらに数量規制で管理しようとすれば、体調制限などの規制がなくなり、幼稚魚をたくさん獲るなど、資源に逆効果となる。資源管理方針には数量管理だけでなく、体調制限などのルールを明記してもらいたいといった意見が出された。
水産庁は今回議論された内容を精査し、漁獲シナリオなど資源管理方針をステークホルダー会議に提案する予定。
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