3月も良い本をたくさん読むことが出来ました。
角田光代さんの「坂の途中の家」、これは子育ての経験のある人には
ガツンと心に響くと思います。
穂高明さんの「青と白と」 仙台出身の作家さんがあの日から5年を
経て、紡ぎだした渾身の作品。
手元に置いて何度も読みたいので購入しました!
藤岡陽子さんの「おしょりん」
明治時代に福井県の農村でメガ作りに挑んだ実在の人物をモデルに
した作品。
この3作がお勧め!他にも良い作品を読めて良かったです。
2016年3月の読書メーター読んだ本の数:48冊
読んだページ数:15131ページ
ナイス数:5071ナイス
警視庁重大事件100: 警察官の闘いと誇りの軌跡の
感想犯罪や事件の歴史をさらりと復習したような読後感。三億円事件や、あさま山荘事件、三島由紀夫の事件が強く印象に残っています。子供たちに成田空港ができるまでのあれやこれやを語って驚かれましたね。日本の治安を守るために日々奮闘する警察官に感謝です。
読了日:3月1日 著者:
警視庁
ふなふな船橋の
感想15歳で母親と別れ、最後にもらったプレゼントは梨の妖精のぬいぐるみだった。花の心の友ふなっしーと、奈美おばさん、部屋に現れる花子さん、そして引きこもりの幸子。ライトな装丁なのにかなり重い内容だけど、船橋愛にあふれた素敵な1冊でした。
読了日:3月1日 著者:
吉本ばなな
鳴いて血を吐くの
感想田舎の旧家「藤屋」にやって来た、ほとんど言葉を発しない美しい少女とその母。「斧屋」と呼ばれるもう一つの旧家からその母子が客分として入ってからのおどろおどろしいあれこれ…母親って恐ろしい。でも、面白くて読み進めることをやめられず。横溝正史などが好きな人なら、ハマると思います。お勧めします。
読了日:3月2日 著者:
遠田潤子
エストロゲンの
感想面白かったのですが、自分の周辺には全くこういう人達が居ないので非現実的。読書としては見知らぬ世界を楽しめたので、満足ですね。バブル期を東京で経験した世代ならば共感度が高いのでは?
読了日:3月3日 著者:
甘糟りり子
黄泉がえり遊戯の
感想雪富さん、初読み。図書館でタイトルをみて借りてみました。感想は、うーん…。とある町で葬儀の最中によみがえるという事象が相次ぎ、かつてその町を繁栄させた偉人と、よみがえりに何らかの関係があると気づいた葬儀社の若社長が調べ始める。怪しいなと思った人物は結構早く分かってしまい、何だか肩すかしな印象。
読了日:3月3日 著者:
雪富千晶紀
惑星カロンの
感想チカちゃんの一生懸命さと、ハルタの冷静さ。この絶妙なコンビネーションでとても読むのが楽しいシリーズ。草壁先生の過去に何があったのか、次巻を楽しみに待ちたいですね。
読了日:3月4日 著者:
初野晴
記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞 (ノンフィクション単行本)の
感想あの日、福島県浜通りの新聞記者たちは、何を思い何を伝えようとしたのか。福島民友新聞社では24歳の熊田記者が犠牲になった。目の前で津波に流された老人と子供を助けることが出来ずに苦しみ続けた記者のことも。事実を淡々と綴っているが、読み終えて涙が止まらなかった。あれから5年、忘れてはならない。
読了日:3月5日 著者:
門田隆将
食堂のおばちゃんの
感想美味しそうな家庭料理を提供する、佃の「はじめ食堂」。仲のいい姑と嫁が切り盛りするこのお店、何とも魅力的です。近所にあったら絶対通い詰めること間違いないですね。巻末のレシピもナイス、さっそくメモをしました!
読了日:3月5日 著者:
山口恵以子
蓮の数式の
感想十年に及ぶ不妊治療を強いられている千穂は、同居の義母と夫から虐げられている。彼女が出会った青年「高山透」は算数障害で計算が出来ない。二人の逃避行の行く末は・・・。無戸籍、DV、イジメ、これでもかと言うくらい辛い出来ごとの連続。遠田さんの描く世界は重く切ないですが、読む手を止められません。蓮の花は美しいけれど、泥の中から生まれる。。
読了日:3月5日 著者:
遠田潤子
世界が赫(あか)に染まる日にの
感想従兄妹たちの未来を奪ったイジメの加害者に復讐を誓った緒方櫂は、同級生の高橋文稀とともに計画を建てる。理不尽に痛めつけられたにも関わらず少年法に守られた加害者に、櫂と文稀の制裁は。文稀のブログの意味が最後に明かされ、切なくて苦しかったです。凄惨なシーンも多く読むのが辛かったのですが、一気に読み切ってしまいました。加害者に優しい国ではいけないと思います。もっと被害者に手厚い支援を。。
読了日:3月6日 著者:
櫛木理宇
朝ドラの55年―全93作品完全保存版 (教養・文化シリーズ)の
感想古い時代のものも、何となく覚えていて懐かしかったです。2000年代のものは全くと言っていいほど見ていなかったので記憶もなし。視聴率の変遷を見てもあまり人気が無かったのかな?「ゲゲゲの女房」で朝ドラにハマってそれ以降のものはパーフェクトですw朝ドラで主役に抜擢されて大スターへの階段を上る、最近では脇役で注目されて人気者にと言うパターンも多いですね。これからも朝ドラを楽しみたいと思いました。
読了日:3月6日 著者:
戦場のコックたちの
感想第154回直木賞候補作・2016年本屋大賞候補作と言うことで手にしました。深緑野分さん、初読み。19歳の米軍志願兵ティムが戦場でコック兵となり、そこで遭遇した謎と友情の物語。ノルマンディー上陸からフランス、ドイツ、オランダとヨーロッパ戦線の戦いは全く未知の分野なので興味深く読みました。カタカナ名前に苦戦しつつも、エピローグでとても感動しました。最後まで投げずに読了して良かったです。
読了日:3月7日 著者:
深緑野分
ひとごと (単行本)の
感想テレビで流れた母親が幼い息子を虐待したニュース。それを共通点にした家族の問題を扱った短編集。歳老いた母親と心を通わすことの出来なかった長男の「愛情ボタン」、偽イクメンのサラリーマンが妻に逆襲される「仮面パパ」が面白かったです。
読了日:3月7日 著者:
森浩美
闘う君の唄をの
感想モンスターペアレントVS熱血新米幼稚園教諭のバトルで推移して行くかと思いきや、凶悪犯さながらの面構えの渡瀬警部登場で方向転換。怪しいのは最初ににらんだ通りのあの人。ミステリーではなく、お仕事小説なら良かったかな?それにしても年少のお子さんが大人過ぎる。。凛がこれからも素敵な幼稚園教諭で居て欲しいと思いました。白雪姫のシナリオは面白くて良かった!
読了日:3月8日 著者:
中山七里
白日の鴉の
感想痴漢容疑で製薬会社のMR友永が駅前交番の新人警察官・新田真人に逮捕された。無実を訴えた友永、被害者と目撃者の関係に疑念を抱く真人。老弁護士五味が加わってストーリーが一気に動く。やってないことをやってないと訴え続けることの大変さ、事なかれ主義の上司、冤罪を仕組んだ黒幕。面白くて一気に読了。
読了日:3月9日 著者:
福澤徹三
おしょりんの
感想明治の末期、福井の農村で眼鏡作りに取り組んだ増永五左衛門。進取の気概を持ち販路を拡大した弟幸八。おしょりんとは福井の言葉で凍結した雪原、田畑の上をどこまでも歩くように新たな産業を根付かせた実話。支える妻むめの想い、とても素敵な1冊です。お勧め本!
読了日:3月10日 著者:
藤岡陽子
終わった人の
感想東大⇒メガバンク⇒子会社と進み定年を迎えた田代壮介。エリートと呼ばれた男の定年後は想像通り。この男、自意識過剰で今一つ共感を覚えませんでした。年下の女性に下心を抱くあたりは笑えて、娘にピタリと言いあてられるくだりは笑わせてもらえました。「金時もち」覚えておかないと(笑)あとがきで作者がおっしゃっている、人間の着地点はどんなエリートもそうでない普通の人も大差ない、そちらのほうに納得です。
読了日:3月10日 著者:
内館牧子
救命―東日本大震災、医師たちの奮闘の
感想自らも被災しながら、命の現場で奮闘した医師。いち早く現地に駆けつけた医療関係者。たくさんの方々の検死を担当された歯科医師のみなさん。忘れてはならない。こういう本を読む度に頭の堅いお偉方や役人に怒りを感じてしまいます。 あの日から5年。。
読了日:3月11日 著者:
兵士は起つ―自衛隊史上最大の作戦の
感想自らも被災しながら、命令一つで災害の現場に赴いた自衛官たち。多賀城の駐屯地に向かう途中で津波に飲み込まれながらも、市民の命を救った方々。家族の安否を気遣いつつも顔を見に戻りもせずに被災地に向かった隊員たち。この本に書かれたのはごく一部分で、書けないことも沢山あると推察できます。3.11当日にこの本を読めて本当に良かった。近所の自衛隊の駐屯地を通るたびに心の中で感謝したいですね。一人でも多くの方に手にしてもらいたい本です。
読了日:3月12日 著者:
杉山隆男
十六夜荘ノート (一般書)の
感想エリートサラリーマンの雄哉は、全く面識のない大伯母の遺産を引き継ぐことになった。遺された古い洋館は、変わり者4人が暮らす「十六夜荘」と呼ばれるシェアハウス。雄哉のパートと大伯母玉青のパートで交互に語られ、最後は少し泣かされました。中々良かったです。古内さん、これで3作読了しましたが、今のところ全部当たり、追いかけてみたいです。
読了日:3月13日 著者:
古内一絵
青と白との
感想あの日から5年、宮城出身の作者が紡いだ渾身の1冊。この本を書きあげるまでの葛藤を読み手の私もヒシヒシと感じることが出来ました。今、私が住んでいる地域ご出身ということで、身近な場所が頻繁に登場します。昨日、私も追悼の意をこめて深沼海水浴場へ赴きました。風は冷たく空は青く波はまっ白でした。図書館で借りた本ですが、これは手元にずっと置きたいので購入したいです。
読了日:3月13日 著者:
穂高明
赤と白の
感想雪国の閉塞感をこれでもかというくらいに描き出しています。女子高生たちよりも、親のだらしなさ、ふがいなさに何ともやりきれない思いで読了。
読了日:3月13日 著者:
櫛木理宇
ダリアの笑顔の
感想綿貫家の4人、長女真美・母春子・長男健介・父明弘。それぞれの視点からの日常、気弱で消極的だった長女が自信を持って成長してゆく表題作が一番好きです。これは椰月さんの作品の中でもお気に入りになりそうです。
読了日:3月14日 著者:
椰月美智子
光陰の刃の
感想長かった。。ようやく読了。井上日召という戦前のテロリストと、三井財閥を作った團琢磨。日本を良くするという目的は一緒なのに交わることのなかった二人の人生。やはりテロは駄目、暴力では問題の解決は出来ない。法華経に傾倒した日召であるけれども、教えが悪いのではなく、彼自身の解釈が人を殺すということに向かっていったと思う。こんな人物が戦後20年以上も生きていたことに驚いた。
読了日:3月15日 著者:
西村健
冤罪死刑の
感想東京拘置所に収監されている、連続少女誘拐殺人犯の栗原は死刑が確定している。もう一人、少女誘拐殺人の被告人で上告中の山崎には、一人の女性弁護士が新たに担当になる。事件を洗いなおそうとする通信社の記者、真実を語った末期がんの刑事。次々に明らかになる真実と隠されていた事実。死刑執行の後に明かされた真相。何だか救いきれない展開にちょっとくたびれました。
読了日:3月16日 著者:
緒川怜
スーツケースの半分はの
感想フリマで手に入れた、青い革製のスーツケース。真美はそれを手にしたことで、思い切って旅に出ることがかなった。次々にスーツケースにまつわる人の物語が綴られる連作短編集。読み心地の良い1冊でした。
読了日:3月16日 著者:
近藤史恵
絵本「旅猫リポート」の
感想ナナとサトルに絵本で再会。やはり泣いてしまいました。
読了日:3月17日 著者:
有川浩,村上勉
誘爆 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫 と 25-35 刑事の挑戦・一之瀬拓真)の
感想ルーキー・一之瀬拓真は昇進試験に合格、次の人事異動で本庁捜査一課に配属される見込み。そこに巻き起こる企業爆破事件と近くで起きた殺人事件。拓真の大失敗とそれをフォローしてくれる先輩諸氏。いよいよ次のステージに進む拓真の活躍をこれからも楽しみにして待つことにします。
読了日:3月17日 著者:
堂場瞬一
自画像の
感想婚約者に延々と自分のコンプレックスだった容姿のことを語る田畠清美。スクールカーストの下位に居た自分、最下位にいた蓼沼陽子、中学校入学前に整形をして美少女になった松崎琴美。いったいこの女性は何を語りたいのだろうと冗長な物語に倦んだそのあと、衝撃の展開が。姿かたちだけでは無いということに気づくころには、みんな思春期を過ぎてしまっているのですね…。陽子、格好いい!
読了日:3月18日 著者:
朝比奈あすか
怪獣の夏 はるかな星へ (単行本)の
感想ウルトラマンへのオマージュ小説。うーん、感想書きにくい。ダン・ユリコ・セブン、名前もそんな感じに。小路さんと同世代の男性には面白いかもしれません。
読了日:3月18日 著者:
小路幸也
風の向こうへ駆け抜けろの
感想地方競馬の女性ジョッキー芦原瑞穂17歳は、寂れた鈴田競馬場の藻屑が集まるといわれる緑川厩舎に所属することに。女性であるということで言われなき中傷や揶揄があり、悩みながらも努力を重ねる。そこにやってきたのが中央競馬でズタズタに傷ついた魚目の牝馬「フィッシュアイ」。疾走感があり、とても面白く読みました。古内さん、今のところ全部当たり、これからも追いかけたいです。
読了日:3月19日 著者:
古内一絵
3時のアッコちゃんの
感想アッコちゃん、いい仕事してますね~!メトロのアッコちゃん、切なくて泣きそうになりました。後半2編の関西編も楽しかったです。地下街って、何となく方向感覚がつかめないので共感しまくります。
読了日:3月20日 著者:
柚木麻子
坂の途中の家の
感想重く苦しくヒリヒリする感情を押し殺すように、必死で読み切ったという実感です。子供を殺した母親の裁判に裁判員として関わることになった、同じように幼い女の子を持つ母親。だんだん被告人の女性に自らを同化させてゆくその心理描写、さすが角田さんだと思いました。まだ、私には孫はいないけれど、娘が子を持つことになったときには、自分の価値観を押し付けたりしないように心がけたいと感じました。
読了日:3月21日 著者:
角田光代
おぅねぇすてぃ―明治浪漫の
感想何だか優柔不断な千吉にいらいらさせられる展開でした。お順も気が強く突っ走り気味で。小鶴の純愛が哀れでした。
読了日:3月21日 著者:
宇江佐真理
月桃夜の
感想「この世の終わりに逢おう」そう約束した兄と妹。薩摩に支配され、サトウキビに命を削られる奄美の島を舞台にした生まれながらの奴隷たちの物語。今の世で生き難さから逃れようとした女子高校生に空から舞い降りた鷲が語る壮大な悲恋。遠田さんのデビュー作、第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
読了日:3月22日 著者:
遠田潤子
ワンダー Wonderの
感想顔に障害を持つオギー、5年生になるまで学校に通ったことのなかった彼がビーチャー学園に入学してからの1年。オギーと家族、クラスメイトたち。お姉ちゃんのヴィアの気持ちにとても共感し、ミランダの素敵さに泣けました。「世界中のだれもが、一生に一度はスタンディング・オベーションを受けるべきだ。だって人は必ずこの世に打ち勝つんだから」。小学校高学年以上なら読める本なので親子で読まれたら良い本ですね!お勧め本です。
読了日:3月23日 著者:
R・J・パラシオ