3月、年度末なのにもめげず(笑)読書三昧のゆみねこです。
イチオシは、太田愛さんの「天上の葦」上・下。
3月の読書メーター読んだ本の数:62読んだページ数:19179ナイス数:6985
家族という病 (幻冬舎新書)の
感想夫の借り本を返却前に読了。自分では選ばない本なので、読み難い。家族について様々なご意見を持つ作者なのでしょうが、批判ばかりの文章は疲れます。家族中心主義を切り捨てながらご自身が両親・兄と交流を持たなかったことを悔やむという矛盾。ただ、私も心がけたいと思ったこと、家族のことだけを話すのはやめたい。話題豊富な人間になりたいなぁ! 読了日:03月01日 著者:
下重 暁子
ロゴスの市 (文芸書)の
感想大学で出会ったポニーテールの魅力的な女子学生・悠子。彼女に惹かれる弘之。がむしゃらに同時通訳者を目指す悠子と、悩みながらゆっくりと翻訳者として成長してゆく弘之。すれ違う二人がもどかしく、悠子の最期が敬愛した向田邦子さんと同様なのが切なかったです。乙川さん、時代物のイメージだったので、ちょっと新鮮な読書を楽しみました。読了日:03月01日 著者:
乙川 優三郎
ひかり生まれるところ (創作児童読物)の
感想憧れていた神職になって4年の希美。生真面目な彼女が中学生時代にやってしまった失敗。過去を振り返り、今いる場所で真剣に頑張りそれを乗り越えてゆく。あまり良く知らない神社の仕事のことや、愉快なネルーさんとのやりとりなど、まはらさんの描く物語はいつも優しい。読了日:03月01日 著者:
まはら 三桃
ハーレーじじいの背中の
感想医学部進学を目指す高3の真理奈と風来坊の晴じい。ハーレーに乗って旅に出て一週間。見えてきた家族のつながりと歴史、とても面白く読み終えてほっこり。桃子お母さんの格好よさは、晴じいゆずり。お勧めします。読了日:03月02日 著者:
坂井 希久子
策謀 (警視庁追跡捜査係)の
感想5年前に渋谷で起こった殺人事件。容疑者として国際手配されていた男・船田が突如帰国。西川が逮捕して取り調べを行うも、黙秘する船田。沖田は殺人事件と相前後して起こったビル放火事件を、三井さやかと共に追う。気の合わない西川・沖田にさやかが加わって、事件の捜査が大きく動く。まずまずの面白さ。読了日:03月02日 著者:
堂場瞬一
あさ美さんの家さがしの
感想元銀行員のあさ美は、濱乙女というキャバクラに転職。人あしらいの上手さでNo.1のキャバ嬢に。あさ美の家さがしが主軸ではなく、家をめぐる連作で、人物がつながる面白さ。空き家問題・保育園の建設反対・ブラック企業・子供の教育環境等々、結構重たい問題も絡めながら、とても面白く読めました。横崎市が舞台だけど、わざわざ仮名にしないでも良かったと思いました。読了日:03月03日 著者:
黒野伸一
廃校先生の
感想浜口倫太郎さん、初読み。児童7人・教師4人、奈良県十津川村の谷川小学校は1年後に廃校になる。新米教師・香澄と3人の6年生とよし太先生の1年間。村の暮らしは不便だし、すべてが筒抜けになるけれど、温かくて切なさもあり素敵な1冊でした。読了日:03月04日 著者:
浜口 倫太郎
ぐるぐるの図書室 (文学の扉)の
感想2006年デビューの児童作家5人が、とある小学校の図書室を舞台に描いた連作短編集。工藤純子さん・濱野京子さん・菅野雪虫さんは初読み。茜色の不思議なポスターに導かれ放課後の図書室へ行くと、長い黒髪・白いワンピースの司書さんが。とても素敵な1冊でした。小学生から読めますね!巻末のスペシャル座談会が良かったです!読了日:03月04日 著者:
まはら 三桃,菅野 雪虫,濱野 京子,廣嶋 玲子,工藤 純子
十二人の死にたい子どもたちの
感想廃病院に集まった12人の自殺志望の少年・少女。登場人物を把握するのが中々大変でした。面白さとしては、まずまず。映像の方がわかりやすいかも?第157回直木賞候補作。読了日:03月05日 著者:
冲方 丁
マシュマロ・ナインの
感想ドーピングの疑いをかけられ、プロ野球選手をクビになった小尾が、暴力事件を起こして活動停止になった相撲部員たちを率いて野球に挑戦!あり得ない設定だけれど、滅茶苦茶面白くて一気に読了。9人の部員と女子マネ、このやり取りと大食漢の彼らの食事シーンだけでも面白く、ドーピングの謎ときも絡め楽しめました。エピローグがまたgood♪読了日:03月05日 著者:
横関 大
サブマリンの
感想読み始めたら、すぐに陣内さんの滅茶苦茶さに引き込まれて一気に読破。家裁調査官の武藤・その上司の陣内・目が不自由な友人の永瀬。小山内君、若林君、棚岡君。犯した罪は消せないけれど、みんなが幸せに生きて行って欲しいな。また武藤・陣内コンビに会いたいです。読了日:03月06日 著者:
伊坂 幸太郎
風の靴の
感想とても良い本でした。優秀な兄と同じ名門校を受験し、失敗した海生とその親友田明。夏休みに家出を企て弁天島からヨットで海に出る。亡きおじいちゃんの遺したメッセージに胸が熱くなり、落涙。児童書ですが大人にもお勧めです。「風の靴」、良いタイトルです♪読了日:03月06日 著者:
朽木 祥
自由なサメと人間たちの夢の
感想渡辺優さん、デビュー2作目。夢と死をテーマにした7編。美術館で絵画の模写をする男性と絵を依頼する女性を描いた「彼女の中の絵」が好きです。若い才能の可能性にますます期待が持てます。渡辺さんの次作を楽しみに待ちたいですね。読了日:03月06日 著者:
渡辺 優
大雪物語の
感想記録的な大雪の長野県・K町。大雪で引き起こされた6つの物語は、どれも雪の冷たさと閉じ込められる切なさを孕み、雪国生まれの私には情景が目に浮かぶリアルさ。どれも良かったですが、遺体を運ぶ運転手と故人の娘の交流を描いた「墓掘り」と、花屋の主人と元恋人の物語「雪の華」、第6話の「雨だれのプレリュード」が好きです。お勧めです! 読了日:03月07日 著者:
藤田 宜永
リアルプリンセスの
感想6人の女性作家さんによるアンソロジー。加藤千恵さんのみ初読み。寺地はるなさんの「鍋かぶり」は、おとぎ話「鉢かつぎ姫」の現代版。懐かしく読みました。藤岡陽子さんの「あの人は海を捨てた」、大山淳子さんの「夢のあと」が好きです。読了日:03月07日 著者:
寺地 はるな,飛鳥井 千砂,島本 理生,加藤 千恵,藤岡 陽子,大山 淳子
QJKJQの
感想佐藤究さん、初読み。第62回江戸川乱歩賞受賞作。主人公は女子高生、家族全員が殺人者…。殺戮シーンがグロくて、読み進めるのに苦戦。ラストまで何とか読みましたが、理解するのが難しかったです。この作家さんがまた同じような路線で行くならもう読まないかも?読了日:03月08日 著者:
佐藤 究
謀略 警視庁追跡捜査係 (角川春樹事務所 ハルキ文庫)の
感想シリーズ第3弾。西川・沖田コンビ、今作ではキャラが交錯!冷静な西川が熱くなり、沖田が冷静に。連続殺人事件を追い、捜査本部は通り魔による犯行とみるが、追跡捜査班は違った視点から真犯人に迫る。管理官から嫌悪されてもめげずに頑張る追跡捜査係、頼もしいかぎり。読了日:03月08日 著者:
堂場 瞬一
夏をなくした少年たちの
感想第3回新潮ミステリー大賞受賞作。生馬直樹さん、初読み。6年生の男の子4人組と4歳の妹が夏休みの山で遭遇した悲劇。22年の時を経て真実が明かされた。新潟の夏の情景やよく知っている場所が出てくるだけでもちょっと嬉しかったり。無責任で身勝手な大人が、小学生や周辺の少年をどれほど傷ついたのか。一番やんちゃなあの子が幸せになれていたようで良かったです。この作家さん、次の作品も楽しみに待ちたいですね。読了日:03月09日 著者:
生馬 直樹
脊梁山脈の
感想23歳、復員列車で助けられた小椋という青年を尋ね、木工・木地師、彼らの辿った道のりを追う矢田部信幸。壮大なストーリーでした。日本人のルーツ、渡来人たちのこと、考えさせられました。タイトルの山脈は、奥羽山脈だったのか!読了日:03月09日 著者:
乙川 優三郎
絶対正義の
感想正義を振りかざす範子。正しい行動は行き過ぎて、人の心や情に寄り添うことは出来ず、性格的に歪んでいる。正義のサイボーグ・正義のモンスター・正義のヌーディスト・正義の夜叉。でも一番怖いのは律子…正義の肉食獣!イヤミス度はさほどでもなかったですが、面白かったです。読了日:03月09日 著者:
秋吉 理香子
雪つもりし朝 二・二六の人々の
感想二・二六事件。あの事件に巻き込まれ、生き延びた人々の視点で語られる。岡田啓介総理大臣・鈴木貫太郎侍従長・秩父宮・麻生和子・本多猪四郎。歴史の苦手な人にも分かりやすく、とても読みやすかったです。私が学生だった頃、石器時代から幕末・明治維新まで丹念な歴史を教わり、近代から昭和史は駆け足授業。こういう読み物で知らなかった昭和を辿れるのはありがたい!サンフランシスコ講和条約締結、終戦前後のこと、とても興味深く読みました。読了日:03月10日 著者:
植松 三十里
東京二十三区女の
感想長江俊和さん、初読み。板橋区・渋谷区・港区・江東区・品川区の因縁と女たち。原田璃々子といつも行動を共にする先輩。ダークな短編集でしたが、あまり印象に残らなそう。常に感じていた違和感は、最後にやっぱりと思いました。読了日:03月10日 著者:
長江 俊和
ラスト シネマの
感想昭和40年代、地方都市に住む9歳の少年とただ一度セリフのある役で映画に出たことのある男性・雄さんとの交流。父と子の関係、父子家庭を見守る近所の人たちの温かさ、何といっても雄さんを想う哲太少年が良い。辻内さん、まだ数冊しか読んでいませんが追いかけたい作家さんになりました。読了日:03月11日 著者:
辻内 智貴
レガッタ! 水をつかむ (YA! ENTERTAINMENT)の
感想アンソロジーで知った濱野京子さん、初読みです。高校入学後、好きな部活に入ろうと思い、有里が選んだのはボート部。ボートを知らないで読んでも面白い!王道の部活小説で爽やかな読後感です。続けて2・3読みます。読了日:03月11日 著者:
濱野 京子
レガッタ!2 風をおこす (YA! ENTERTAINMENT)の
感想有里も2年生になり、実力を認められ、大きく羽ばたくか?!思わぬアクシデント、副部長としての気配り、ますます目が離せぬ展開。一気に3巻へ!読了日:03月12日 著者:
濱野 京子
レガッタ!3 光をのぞむ (YA! ENTERTAINMENT)の
感想3冊一気読みでした。それほど面白かったという事!美園女子高校ボート部の3年間、ヒロイン・有里とボート部の仲間たち。王道の部活小説は清々しい読書の楽しみを与えてくれます。インターハイ会場の津川漕艇場は、何度も近くを通って見ているので、とても懐かしくて嬉しかったです。読了日:03月12日 著者:
濱野 京子,一瀬 ルカ
黒い魎(みずは)の
感想岡崎大五さん、初読み。震災を食い物にする悪党、震災で人生が変わった女性、町を守ってきた老人、震災を見せ物にするマスコミ、悪を追う警察官。鬼畜の最期がちょっとモヤモヤです。もっとコテンパンに懲らしめて、法の裁きを受けさせたかった。もしかしたら被災地では、報道されないこのような事例もあったのかも・・・。読了日:03月12日 著者:
岡崎大五
魂を追う者たちの
感想大平原に暮らす〈牙の民〉の少女・ディンガは、双子の妹セゼナの奪われてしまった魂を取り戻す旅に出る。ギバとリークという二人の仲間とともに。様々な困難と抱えた秘密が明らかになる。こういうファンタジー、大好きです。YAのコーナーの本ですが、大人のファンタジーファンにもお勧めです。読了日:03月13日 著者:
廣嶋 玲子
機は熟せり(上): クリフトン年代記 第6部 (新潮文庫)の
感想すっかり前作を忘れていましたが、読み進めるとやはり面白い!ヴァージニアの悪女っぷりは一段とヒートアップ。セブの恋の悲劇、ジャイルズは大丈夫か?感想は下巻で。読了日:03月13日 著者:
ジェフリー アーチャー
機は熟せり(下): クリフトン年代記 第6部 (新潮文庫)の
感想第6部は息詰まる法廷のシーンが多かった。エマの裁判、ハキムの冤罪裁判。イギリスの政治状況もサッチャーの台頭があり、何といっても感動的なスゥエーデンでのハリーのスピーチ。ジャイルズが幸せをつかむのはいつになるのでしょう?早く続きが読みたい…。ヴァージニア、今度はどんなたくらみを?読了日:03月14日 著者:
ジェフリー アーチャー
天上の葦 上の
感想正午の渋谷スクランブル交差点で何かを指し示すような姿で絶命した老人。彼の調査を依頼された鑓水・修司。失踪した警察官の行方を追う相馬も加わる。先が気になり一気に読めます。感想は下巻で。読了日:03月15日 著者:
太田 愛
天上の葦 下の
感想正光老人や、白狐が守ろうとしたものは?軍の意のままに情報を統制した75年前。今だからこそ書くことができた小説。追う公安、逃れる4人。息詰まる展開に一気に読破!指し示したものは、忘れてはならない光景でした。面白い、お勧めです。読了日:03月16日 著者:
太田 愛
くうちゃんのホットケーキ (ポプラ社の絵本)の
感想何でも自分でやってみたい幼児の気持ちに寄り添う、優しい絵本。絵も可愛らしく素敵です。この本がデビュー作とのこと。これからの活躍を期待します。読了日:03月16日 著者:
わたなべ ゆうこ
銀の猫の
感想介護の悩みは江戸も平成のこの世も変わっていない…。ただ担い手が息子主体だったということに驚きました。江戸の町は五十を過ぎたら長命の人が多かったと。お咲と佐和の母と娘の物語でもあり。佐和は嫌な女だと思っていたけれど、最後まで読んだら少し見方が変わりました。おぶんさんの生き様は素敵!読了日:03月16日 著者:
朝井 まかて
敵の名は、宮本武蔵の
感想武蔵と対峙した武人たちの視点で描かれた連作短編。これは武蔵の物語というよりは、父・無二の方が主役かも。吉岡との闘いのシーンは凄い!そして剣を捨て染師に。。読了日:03月17日 著者:
木下 昌輝
ここからはじまるの
感想サッカー少年と父親の物語。プロのサッカー選手を夢みる勇翔と、サッカー経験者の父・拓也。「ここからはじまる」とても爽やかで、勇翔くんを応援したくなりました。我が子を応援するのはいいけれど、身代わりアスリートにしたらダメでしょうね。。読了日:03月17日 著者:
はらだ みずき
お手がみくださいの
感想眞子と曽祖母のかず。学校に通うことが出来なくて文字の読み書きに不自由をしていた人は、私の身の回りにもいました。かずおばあちゃんのように、色んな事を知っていて賢い人でした。眞子が待っていたお手紙の返事、泣きました。たなかかず、しっかりとした文字が目に浮かぶようです。高森美由紀さん、初読み。読了日:03月18日 著者:
高森 美由紀
奇跡の醤(ひしお) 陸前高田の老舗醤油蔵 八木澤商店再生の物語の
感想あの日から6年を経た今、陸前高田の八木澤商店の再生の物語を読むことが出来て本当に良かったです。昨年三陸を訪れたときに食べた醤油ソフトクリームが絶品だったのですが、八木澤のお醤油のソフトだったのかと納得しました。大切なもろみが発見されたことは奇跡だったけれども、八木澤商店の再生は奇跡ではなく、必ず立ちあがるという経営者の一念と数多くの支えてくださった人々の力のなせる技だと思いました。お勧め本です!読了日:03月18日 著者:
竹内早希子
アンソロジー 隠すの
感想前から気になっていたアミの会のアンソロジー、すでに第3弾なのですね。柴田さんの作品には麻生さん登場、加納さんの作品にはあの倶楽部のメンバーの幼いころ!近藤さんの作品のヒロインは大嫌いなタイプ。まだ読んでいない数人の作家さんの本も読んでみたくなりました。すごくお得な1冊、楽しめました。読了日:03月19日 著者:
大崎 梢,加納 朋子,近藤 史恵,篠田 真由美,柴田 よしき,永嶋 恵美,新津 きよみ,福田 和代,松尾 由美,松村 比呂美,光原 百合