9月も楽しい読書を堪能!
印象に残った本も多々ありますが、イチオシはこれ!
辻村深月さんの「朝が来る」
そして大泣きしたのは島沢優子さんの
「左手一本のシュート」
中学生時代に県の代表選手として活躍したバスケット
ボールの選手が、高校入学の3日前に脳内出血で半身
不随に…
そこからの彼のリハビリと支えた家族、チームメイト。
お勧めします!
2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:39冊
読んだページ数:12551ページ
ナイス数:4500ナイス
敗者の告白 弁護士睦木怜の事件簿の感想
山梨の別荘で起こった母と息子の転落死亡事故。事故ではなく夫による殺害事件として若手IT社長が逮捕される。亡き妻の側からメールで手記が出され、息子からは祖母あてにメールが。誰が真実を語っているのか、裁判で無実を勝ち取った夫は、何を求めていたのか?深木さんの家族の争いを描いた小説は、読み応えがあります。嫌ミスのジャンルに入るかと思いますが、スッキリ爽やかな本をお求めの方には重すぎますね。
読了日:9月1日 著者:深木章子
昨日の海はの感想
祖父母の死は、心中によるものだった。伯母と従姉妹が引っ越して来て、その死の理由を探ることになった光介。光介の成長の物語であり、読後感は爽やかでした。芸術家を支えるのは、大変そうですね…。
読了日:9月2日 著者:近藤史恵
君死に給うことなかれ 神風特攻龍虎隊の感想
人の命を簡単に死地へ追いやった特攻。若い命を散らした皆様に心から哀悼の意を。
読了日:9月2日 著者:古川薫
チェインドッグ (ハヤカワ・ミステリワールド)の感想
鬱屈した日々を送る大学生筧井雅也の元に届いた1通の手紙。それは稀代の連続殺人鬼榛村大和からのもの。連続殺人で起訴された9件のうち、最後の1件は冤罪なのでそれを証明してくれと言う。大和が犯した犯罪の情景が凄まじくて恐ろしかった…。親の愛情が欠如した環境で、全部の子供が異常な性癖をもつ犯罪者になると言うことは考えにくいですが、不幸な子供たちに救いの手を差し伸べることで少しでも連鎖を断ち切れたらと思いました。櫛木さん、若いのにすごい作品を描くなぁ。。
読了日:9月3日 著者:櫛木理宇
黒猫の小夜曲(セレナーデ)の感想
黒猫の体を借りた霊的高位なあの存在!クロのしぐさの可愛らしさと賢さにやられました。レオとのやり取りは何ともユーモラスでよかった!これはシリーズにならないかしら?
読了日:9月4日 著者:知念実希人
左手一本のシュート 夢あればこそ! 脳出血、右半身麻痺からの復活の感想
読友「えい きときと」さんの感想から手に。感動で涙が止まりません。田中正幸くんご本人の努力と、彼を支えた周囲の人々。素晴らしい息子を育て上げたお母さんのたくましさ。彼が出場した試合のシーンと、応援するために駆けつけたかつてのチームメイトや関係者たち。困難を乗り越えた彼ならば、きっと立派なバスケ指導者にも、ソーシャルワーカーにもなれるでしょう。これも多くの人に読んでほしい本ですね。
読了日:9月4日 著者:島沢優子
満願の感想
6つの短編。どのお話もゾワリと怖さが伝わってきました。「関守」のおばあさんが怖かったですね。米澤さん、ボトルネックしか読んでいなくて、ちょっと敬遠していましたが、これからは他の作品も読んでみたくなりました。
読了日:9月5日 著者:米澤穂信
偽りのシスターの感想
リストラされた兄と、仕事の悩みを抱える刑事の弟の家に、腹違いの妹と称する女性がやってきた。麻美と名乗る女の謎が知りたくて、一気に読めました。横関さんの本はハートウォーミングなものが多いので安心して読めますね。
読了日:9月6日 著者:横関大
岩窟姫 (文芸書)の感想
人気アイドル沙霧が自殺した。彼女のブログには同じ事務所のアイドル蓮美のいじめが原因で死ぬと書かれて。身に覚えのない蓮美は引きこもり、やがて己の無実を証明し沙霧の死の真相を追う。芸能事務所の闇を描いて、中々面白かったです。
読了日:9月6日 著者:近藤史恵
朽ちないサクラの感想
誰が親友を殺したのか?県警広報課事務員森口泉が、謎を追う。個人の命や安全より、国家の安全を優先する公安。刑事警察と公安警察って、実際それほど対立・敵対しているのかしら?柚月さんの筆力で一気に読み切れたけれど、何だか疑問と不信でいっぱいになりました。面白かったのですが。カルト宗教を絡める必要はあったのかしら…。
読了日:9月6日 著者:柚月裕子
平凡の感想
もしかしたら、あのときにこっちを選んでいたら、私の人生は変わっていた?6つの短編はどれも自分の生き方を後悔する男女が主人公。「もう一つの人生」、私も考えたことはありましたね。「月が笑う」「いつかの一歩」が好きです。
読了日:9月7日 著者:角田光代
朝が来るの感想
栗原家の6歳になる一人息子朝斗。子供を望んでも叶えられない夫婦の元に特別養子縁組でやってきたその息子の産みの母は、14歳で出産した「ひかり」。ひかりの若さゆえの無知と暴走に、ハラハラさせられながら読み進めました。朝斗くん、良い両親のもとに来られて良かったね。そしてひかりの未来も希望の持てるエンディングで読後感は良かったです。
読了日:9月7日 著者:辻村深月
ガールズ・ブルー (ポプラ文庫)の感想
偏差値の低い、いわゆる底辺校と呼ばれる高校に通う子たちの日常を描く。彼女たちは勉強は苦手でも、自分のこと周りのことをしっかり見ている。私自身はクソ真面目で勉強が得意と言う人たちが通う学校だったけど、娘たちが通った学校はちょっとこういう雰囲気もあったなぁ。若い人たちが読んだら、共感するのでは?
読了日:9月8日 著者:あさのあつこ
ゲームセットにはまだ早いの感想
須賀さん、初読み。夢を諦めた大人が、ふたたび夢をつかみ取るまでの物語。野球が好きな人なら間違いなく楽しめる1冊ですね。
読了日:9月8日 著者:須賀しのぶ
高速の罠 アナザーフェイス6 (文春文庫)の感想
春休みに静養中の父を訪ねて高速バスに乗った優斗。休憩で立ち寄ったPAで忽然と姿を消してしまう。無事に息子を発見した鉄は、誘拐事件の謎と、その直後に起きたバスの横転事故、バス会社への脅迫事件を担当することになる。優斗がだんだん大人になり、鉄は銃撃事件からの立ち直りの途中。今作はやや切れが悪かったので、今後の活躍に期待と言うことで。
読了日:9月9日 著者:堂場瞬一
潮の音、空の青、海の詩の感想
仙河海にあの日がやってきた。未曾有の震災に仙台で遭遇した聡太の視点で描く「潮の音」。あの日から復興を遂げた2060年の仙河海を呼人の視点で描く「空の青」。最終章「海の詩」ではあの日から今につながる仙河海で生きる聡太、希、笑子。「微睡みの海」からの見事なつながりに感服しました。
読了日:9月10日 著者:熊谷達也
侠飯 (文春文庫)の感想
ヤクザの抗争に巻き込まれ、ひょんなことから組長を自分のアパートに匿う羽目になったFラン大学の学生良太。組長柳刃は料理が得意で寡黙な侠。料理の蘊蓄も楽しめたし、良太や仲間たちに対するアドバイスも中々。これ、映像化したら面白くなりそうですね。サラリと読めて楽しめました。福澤徹三さん、初読み。
読了日:9月10日 著者:福澤徹三
双頭の蜥蜴の感想
今までの乾石さんの作品に比べると、軽い感じは否めませんね。現代と異世界をを行き来すると言うのも悪くないのですが。ちょっとゲームのような展開、みんなの力を合わせて、途中で新たな仲間が加わってラスボスを倒す的な。宝石に興味があったらもっと楽しめるかもしれません。次作に期待します。
読了日:9月11日 著者:乾石智子
校長、お電話です!の感想
市長の教育改革パフォーマンス、その目的のために民間人校長として元文部官僚の教育評論家を当てたため、荒れてしまった百瀬中学校。その立て直しを任された新米校長の奮闘記。物事がサクサク進み過ぎではありますが、学校をどう運営するか、生徒の成長を考えているかなど、中々面白く読めました。たった4ヶ月でこんなに変わったら凄いですよね。
読了日:9月12日 著者:佐川光晴
豆の上で眠るの感想
特に文章が読み難いわけではないのに、内容の重苦しさに中々ページが進まない1冊でした。母親春花の我がままさ、妹結衣子の寂しさ辛さを誰も理解してくれない切なさ。大学生になった夏にようやく判明した真実はあまりにも辛い。本物であるか否か、これは「そして父になる」でも感じましたが、単に血のつながりと言うことではありませんよね。
読了日:9月13日 著者:湊かなえ
Wonderful Storyの感想
犬がテーマの短編アンソロジー(ワンソロジー)。大崎さんと横関さんのが良かったです。伊坂さんのもニヤリ♪ これ、中々図書館内で見つけられなくて、スタッフの方に探していただきました。著者名を見たスタッフの方が首をかしげていらっしゃったので、内容を紹介したら大ウケされて今度読んでみたいって!
読了日:9月14日 著者:伊坂幸犬郎,貫井ドッグ郎,犬崎梢,木下半犬,横関犬
WOLF ウルフの感想
秩父の山中で家畜や人が大型の野犬に襲われる事件が続発する。古くからの住民は「山犬」と呼ぶが、それは絶滅した日本オオカミなのか?群れを追い詰めるシーンは迫力満点。面白くて一気読みでした。
読了日:9月14日 著者:柴田哲孝
武道館の感想
NEXT YOUというアイドルグループは、いつか武道館のステージに立つことを目指し、活動をしている。メンバーの一人日高愛子の目線で進む物語。アイドルで居ることって、なんて大変なんでしょう。朝井さん、女の子の心理をよく捉えていますね。
読了日:9月15日 著者:朝井リョウ
ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)の感想
まずは、主人公「富田宝子」の名前でニヤリ。浅草のおもちゃメーカーで敏腕プランナーとして働く彼女が、片想いの彼のトラブルを密かに解決する…。面白かったのですが、最後まで西島さんの魅力が分からなかったですねぇ。
読了日:9月16日 著者:柚木麻子
儚い羊たちの祝宴の感想
庶民感覚では想像出来ないような、お金持ちの閉ざされた屋敷を舞台に綴られる連作短編集。バベルの会がキーになっています。「山荘秘聞」「玉野五十鈴の誉れ」が面白かったです。どの物語もほの暗く不気味ですが、読み心地はさほど悪くありません。勧めて下さった読友さんに感謝!
読了日:9月17日 著者:米澤穂信
啓火心 Fire's Outの感想
意地でなった消防士と言う職業のはずなのに、いざ任務となると大活躍する雄大。今回は脱法ハウスや薬物密造、ヤクザとのやり取りなど、本来の任務から外れたシーンが多め。裕二・守との絶妙なやり取りは楽しかったけれど、正直長すぎてやや冗長な感じがしました。
読了日:9月18日 著者:日明恩
警視庁文書捜査官の感想
文書捜査官と言う、マイナーな部署が主役の警察もの。主人公の理沙にあまり魅力を感じられなかったせいなのか、感想としては今一つ。
読了日:9月19日 著者:麻見和史
山女日記の感想
山に登る女性たちを描いた連作短編集。え?これは本当に湊さんの作品?と思いながら読了しました。毒は少なかったけれど、やはり女性の心を描くのは上手い作家さんだと思いました。山の景色は大好きだけど、登れないヘタレな私ですが、これを読むと山への憧れが募ります。
読了日:9月19日 著者:湊かなえ
晩夏のプレイボールの感想
野球を描いた短編集。人生の1ページに野球があったと言う人々の、ちょっと切なく静かに熱い物語。野球と言うスポーツは何かドラマチックですね。あさのさんならではの作品です。
読了日:9月20日 著者:あさのあつこ
狛犬ジョンの軌跡の感想
面白かった~!夜中のドライブ途中で飛び出してきた大きな黒犬をハネてしまった太刀川要。瀕死の重傷の犬を助けたものの、それは今まで見たこともない不思議な犬。ファンタジーなのですが、全く違和感なく世界に入り込めます。ジョンのこれからはどうなるのでしょう?続編があったら読んでみたいですね。
読了日:9月21日 著者:垣根涼介
家族シアターの感想
姉妹2編・弟と姉・母娘・父と息子・祖父と孫娘・家族とドラえもん。どの話も重くてそして家族の愛を語っています。タマシイムマシン、泣きそうになりました。
読了日:9月22日 著者:辻村深月
1981年のスワンソングの感想
2014年から1981年にタイムスリップした29歳の男性。たった30年余りの差なのに、まるで通じないことだらけの現実にとまどう主人公松尾俊介。著作権の問題とか、気になる点は多々ありましたが、まあ気楽に読めるエンタメ小説なのでそこはまずまず。彼が最後に選んだ道、逢いに出向く人物は想像した通りでしたw
読了日:9月23日 著者:五十嵐貴久
朝顔はまだ咲かない―小夏と秋の絵日記の感想
イジメに遭い引きこもりになってしまった小夏は19歳。賢くて一途な小夏はただ一人訪ねて来てくれる元同級生の秋と身の周りに起こるちょっとした謎を解いてゆく。母の恋愛、自分自身の恋や、イジメの原因に立ち向かえるようになった勇気、小夏の成長が嬉しい物語でした。
読了日:9月24日 著者:柴田よしき
GEQの感想
単純にフィクションとは言い切れないようなストーリー。あれもこれも全部仕掛けがあって起こったことなの?って思いながら読みましたが、何となくもやもやっとした読み心地でした。平成22年2月の刊行なので、東日本大震災前の作品。ちょっと読み手を選ぶ作品かもしれません。
読了日:9月25日 著者:柴田哲孝
てのひらの記憶の感想
江戸時代から続く古い質屋を祖母とともに切り盛りする円。彼女には物に込められた思いを読みとることが出来る。中々面白いとは思ったけれど、オババをもっと活躍させてもらいたかったなぁ。。
読了日:9月26日 著者:水生大海
硝子の葦の感想
母の愛人だった歳の離れた男の妻となった節子。夫の交通事故、短歌仲間の母娘との関わり、節子の愛人澤木。物語の底流には、やはり釧路と言う土地の霧に覆われた冷たく重苦しいものが漂う。これもとても印象深い1冊になりました。
読了日:9月27日 著者:桜木紫乃
横濱王の感想
富岡製糸場のオーナーでもあった原三渓のことが書かれていると知り、手にしてみました。瀬田シュウジと言う青年の目を通して描かれる原三渓なので、ちょっと期待した内容とは違っていて残念。立派な人物であったと言うことは確かですね。今度横浜に行って三渓園を散策してみようと思いました。
読了日:9月28日 著者:永井紗耶子
砂の王宮の感想
戦後の流通業界に一大王国を築きあげたダイエーをモデルに描かれた小説。一代で築き上げた事業と言うものは後を継ぐ人材が居るかどうかでしょうか?日本の流通業の近代史を読んでいるような感じでした。まあ面白かったかな。
読了日:9月29日 著者:楡周平
水曜日の凱歌の感想
終戦直後、大勢の女性たちが「防波堤」として進駐軍に差し出された事実を、14歳の鈴子の目を通して語られる。生きるためとはいえ、母が変わってゆく様子を思い悩む思春期の鈴子。RAA=特殊慰安施設協会などと言うものが存在したことに驚きました。戦争の犠牲者は弱い女性と子供たちなのだと言うことをあらためて実感しました。
読了日:9月30日 著者:乃南アサ
読書メーター
印象に残った本も多々ありますが、イチオシはこれ!
辻村深月さんの「朝が来る」
そして大泣きしたのは島沢優子さんの
「左手一本のシュート」
中学生時代に県の代表選手として活躍したバスケット
ボールの選手が、高校入学の3日前に脳内出血で半身
不随に…
そこからの彼のリハビリと支えた家族、チームメイト。
お勧めします!
2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:39冊
読んだページ数:12551ページ
ナイス数:4500ナイス

山梨の別荘で起こった母と息子の転落死亡事故。事故ではなく夫による殺害事件として若手IT社長が逮捕される。亡き妻の側からメールで手記が出され、息子からは祖母あてにメールが。誰が真実を語っているのか、裁判で無実を勝ち取った夫は、何を求めていたのか?深木さんの家族の争いを描いた小説は、読み応えがあります。嫌ミスのジャンルに入るかと思いますが、スッキリ爽やかな本をお求めの方には重すぎますね。
読了日:9月1日 著者:深木章子

祖父母の死は、心中によるものだった。伯母と従姉妹が引っ越して来て、その死の理由を探ることになった光介。光介の成長の物語であり、読後感は爽やかでした。芸術家を支えるのは、大変そうですね…。
読了日:9月2日 著者:近藤史恵

人の命を簡単に死地へ追いやった特攻。若い命を散らした皆様に心から哀悼の意を。
読了日:9月2日 著者:古川薫

鬱屈した日々を送る大学生筧井雅也の元に届いた1通の手紙。それは稀代の連続殺人鬼榛村大和からのもの。連続殺人で起訴された9件のうち、最後の1件は冤罪なのでそれを証明してくれと言う。大和が犯した犯罪の情景が凄まじくて恐ろしかった…。親の愛情が欠如した環境で、全部の子供が異常な性癖をもつ犯罪者になると言うことは考えにくいですが、不幸な子供たちに救いの手を差し伸べることで少しでも連鎖を断ち切れたらと思いました。櫛木さん、若いのにすごい作品を描くなぁ。。
読了日:9月3日 著者:櫛木理宇

黒猫の体を借りた霊的高位なあの存在!クロのしぐさの可愛らしさと賢さにやられました。レオとのやり取りは何ともユーモラスでよかった!これはシリーズにならないかしら?
読了日:9月4日 著者:知念実希人

読友「えい きときと」さんの感想から手に。感動で涙が止まりません。田中正幸くんご本人の努力と、彼を支えた周囲の人々。素晴らしい息子を育て上げたお母さんのたくましさ。彼が出場した試合のシーンと、応援するために駆けつけたかつてのチームメイトや関係者たち。困難を乗り越えた彼ならば、きっと立派なバスケ指導者にも、ソーシャルワーカーにもなれるでしょう。これも多くの人に読んでほしい本ですね。
読了日:9月4日 著者:島沢優子

6つの短編。どのお話もゾワリと怖さが伝わってきました。「関守」のおばあさんが怖かったですね。米澤さん、ボトルネックしか読んでいなくて、ちょっと敬遠していましたが、これからは他の作品も読んでみたくなりました。
読了日:9月5日 著者:米澤穂信

リストラされた兄と、仕事の悩みを抱える刑事の弟の家に、腹違いの妹と称する女性がやってきた。麻美と名乗る女の謎が知りたくて、一気に読めました。横関さんの本はハートウォーミングなものが多いので安心して読めますね。
読了日:9月6日 著者:横関大

人気アイドル沙霧が自殺した。彼女のブログには同じ事務所のアイドル蓮美のいじめが原因で死ぬと書かれて。身に覚えのない蓮美は引きこもり、やがて己の無実を証明し沙霧の死の真相を追う。芸能事務所の闇を描いて、中々面白かったです。
読了日:9月6日 著者:近藤史恵

誰が親友を殺したのか?県警広報課事務員森口泉が、謎を追う。個人の命や安全より、国家の安全を優先する公安。刑事警察と公安警察って、実際それほど対立・敵対しているのかしら?柚月さんの筆力で一気に読み切れたけれど、何だか疑問と不信でいっぱいになりました。面白かったのですが。カルト宗教を絡める必要はあったのかしら…。
読了日:9月6日 著者:柚月裕子

もしかしたら、あのときにこっちを選んでいたら、私の人生は変わっていた?6つの短編はどれも自分の生き方を後悔する男女が主人公。「もう一つの人生」、私も考えたことはありましたね。「月が笑う」「いつかの一歩」が好きです。
読了日:9月7日 著者:角田光代

栗原家の6歳になる一人息子朝斗。子供を望んでも叶えられない夫婦の元に特別養子縁組でやってきたその息子の産みの母は、14歳で出産した「ひかり」。ひかりの若さゆえの無知と暴走に、ハラハラさせられながら読み進めました。朝斗くん、良い両親のもとに来られて良かったね。そしてひかりの未来も希望の持てるエンディングで読後感は良かったです。
読了日:9月7日 著者:辻村深月

偏差値の低い、いわゆる底辺校と呼ばれる高校に通う子たちの日常を描く。彼女たちは勉強は苦手でも、自分のこと周りのことをしっかり見ている。私自身はクソ真面目で勉強が得意と言う人たちが通う学校だったけど、娘たちが通った学校はちょっとこういう雰囲気もあったなぁ。若い人たちが読んだら、共感するのでは?
読了日:9月8日 著者:あさのあつこ

須賀さん、初読み。夢を諦めた大人が、ふたたび夢をつかみ取るまでの物語。野球が好きな人なら間違いなく楽しめる1冊ですね。
読了日:9月8日 著者:須賀しのぶ

春休みに静養中の父を訪ねて高速バスに乗った優斗。休憩で立ち寄ったPAで忽然と姿を消してしまう。無事に息子を発見した鉄は、誘拐事件の謎と、その直後に起きたバスの横転事故、バス会社への脅迫事件を担当することになる。優斗がだんだん大人になり、鉄は銃撃事件からの立ち直りの途中。今作はやや切れが悪かったので、今後の活躍に期待と言うことで。
読了日:9月9日 著者:堂場瞬一

仙河海にあの日がやってきた。未曾有の震災に仙台で遭遇した聡太の視点で描く「潮の音」。あの日から復興を遂げた2060年の仙河海を呼人の視点で描く「空の青」。最終章「海の詩」ではあの日から今につながる仙河海で生きる聡太、希、笑子。「微睡みの海」からの見事なつながりに感服しました。
読了日:9月10日 著者:熊谷達也

ヤクザの抗争に巻き込まれ、ひょんなことから組長を自分のアパートに匿う羽目になったFラン大学の学生良太。組長柳刃は料理が得意で寡黙な侠。料理の蘊蓄も楽しめたし、良太や仲間たちに対するアドバイスも中々。これ、映像化したら面白くなりそうですね。サラリと読めて楽しめました。福澤徹三さん、初読み。
読了日:9月10日 著者:福澤徹三

今までの乾石さんの作品に比べると、軽い感じは否めませんね。現代と異世界をを行き来すると言うのも悪くないのですが。ちょっとゲームのような展開、みんなの力を合わせて、途中で新たな仲間が加わってラスボスを倒す的な。宝石に興味があったらもっと楽しめるかもしれません。次作に期待します。
読了日:9月11日 著者:乾石智子

市長の教育改革パフォーマンス、その目的のために民間人校長として元文部官僚の教育評論家を当てたため、荒れてしまった百瀬中学校。その立て直しを任された新米校長の奮闘記。物事がサクサク進み過ぎではありますが、学校をどう運営するか、生徒の成長を考えているかなど、中々面白く読めました。たった4ヶ月でこんなに変わったら凄いですよね。
読了日:9月12日 著者:佐川光晴

特に文章が読み難いわけではないのに、内容の重苦しさに中々ページが進まない1冊でした。母親春花の我がままさ、妹結衣子の寂しさ辛さを誰も理解してくれない切なさ。大学生になった夏にようやく判明した真実はあまりにも辛い。本物であるか否か、これは「そして父になる」でも感じましたが、単に血のつながりと言うことではありませんよね。
読了日:9月13日 著者:湊かなえ

犬がテーマの短編アンソロジー(ワンソロジー)。大崎さんと横関さんのが良かったです。伊坂さんのもニヤリ♪ これ、中々図書館内で見つけられなくて、スタッフの方に探していただきました。著者名を見たスタッフの方が首をかしげていらっしゃったので、内容を紹介したら大ウケされて今度読んでみたいって!
読了日:9月14日 著者:伊坂幸犬郎,貫井ドッグ郎,犬崎梢,木下半犬,横関犬

秩父の山中で家畜や人が大型の野犬に襲われる事件が続発する。古くからの住民は「山犬」と呼ぶが、それは絶滅した日本オオカミなのか?群れを追い詰めるシーンは迫力満点。面白くて一気読みでした。
読了日:9月14日 著者:柴田哲孝

NEXT YOUというアイドルグループは、いつか武道館のステージに立つことを目指し、活動をしている。メンバーの一人日高愛子の目線で進む物語。アイドルで居ることって、なんて大変なんでしょう。朝井さん、女の子の心理をよく捉えていますね。
読了日:9月15日 著者:朝井リョウ

まずは、主人公「富田宝子」の名前でニヤリ。浅草のおもちゃメーカーで敏腕プランナーとして働く彼女が、片想いの彼のトラブルを密かに解決する…。面白かったのですが、最後まで西島さんの魅力が分からなかったですねぇ。
読了日:9月16日 著者:柚木麻子

庶民感覚では想像出来ないような、お金持ちの閉ざされた屋敷を舞台に綴られる連作短編集。バベルの会がキーになっています。「山荘秘聞」「玉野五十鈴の誉れ」が面白かったです。どの物語もほの暗く不気味ですが、読み心地はさほど悪くありません。勧めて下さった読友さんに感謝!
読了日:9月17日 著者:米澤穂信

意地でなった消防士と言う職業のはずなのに、いざ任務となると大活躍する雄大。今回は脱法ハウスや薬物密造、ヤクザとのやり取りなど、本来の任務から外れたシーンが多め。裕二・守との絶妙なやり取りは楽しかったけれど、正直長すぎてやや冗長な感じがしました。
読了日:9月18日 著者:日明恩

文書捜査官と言う、マイナーな部署が主役の警察もの。主人公の理沙にあまり魅力を感じられなかったせいなのか、感想としては今一つ。
読了日:9月19日 著者:麻見和史

山に登る女性たちを描いた連作短編集。え?これは本当に湊さんの作品?と思いながら読了しました。毒は少なかったけれど、やはり女性の心を描くのは上手い作家さんだと思いました。山の景色は大好きだけど、登れないヘタレな私ですが、これを読むと山への憧れが募ります。
読了日:9月19日 著者:湊かなえ

野球を描いた短編集。人生の1ページに野球があったと言う人々の、ちょっと切なく静かに熱い物語。野球と言うスポーツは何かドラマチックですね。あさのさんならではの作品です。
読了日:9月20日 著者:あさのあつこ

面白かった~!夜中のドライブ途中で飛び出してきた大きな黒犬をハネてしまった太刀川要。瀕死の重傷の犬を助けたものの、それは今まで見たこともない不思議な犬。ファンタジーなのですが、全く違和感なく世界に入り込めます。ジョンのこれからはどうなるのでしょう?続編があったら読んでみたいですね。
読了日:9月21日 著者:垣根涼介

姉妹2編・弟と姉・母娘・父と息子・祖父と孫娘・家族とドラえもん。どの話も重くてそして家族の愛を語っています。タマシイムマシン、泣きそうになりました。
読了日:9月22日 著者:辻村深月

2014年から1981年にタイムスリップした29歳の男性。たった30年余りの差なのに、まるで通じないことだらけの現実にとまどう主人公松尾俊介。著作権の問題とか、気になる点は多々ありましたが、まあ気楽に読めるエンタメ小説なのでそこはまずまず。彼が最後に選んだ道、逢いに出向く人物は想像した通りでしたw
読了日:9月23日 著者:五十嵐貴久

イジメに遭い引きこもりになってしまった小夏は19歳。賢くて一途な小夏はただ一人訪ねて来てくれる元同級生の秋と身の周りに起こるちょっとした謎を解いてゆく。母の恋愛、自分自身の恋や、イジメの原因に立ち向かえるようになった勇気、小夏の成長が嬉しい物語でした。
読了日:9月24日 著者:柴田よしき

単純にフィクションとは言い切れないようなストーリー。あれもこれも全部仕掛けがあって起こったことなの?って思いながら読みましたが、何となくもやもやっとした読み心地でした。平成22年2月の刊行なので、東日本大震災前の作品。ちょっと読み手を選ぶ作品かもしれません。
読了日:9月25日 著者:柴田哲孝

江戸時代から続く古い質屋を祖母とともに切り盛りする円。彼女には物に込められた思いを読みとることが出来る。中々面白いとは思ったけれど、オババをもっと活躍させてもらいたかったなぁ。。
読了日:9月26日 著者:水生大海

母の愛人だった歳の離れた男の妻となった節子。夫の交通事故、短歌仲間の母娘との関わり、節子の愛人澤木。物語の底流には、やはり釧路と言う土地の霧に覆われた冷たく重苦しいものが漂う。これもとても印象深い1冊になりました。
読了日:9月27日 著者:桜木紫乃

富岡製糸場のオーナーでもあった原三渓のことが書かれていると知り、手にしてみました。瀬田シュウジと言う青年の目を通して描かれる原三渓なので、ちょっと期待した内容とは違っていて残念。立派な人物であったと言うことは確かですね。今度横浜に行って三渓園を散策してみようと思いました。
読了日:9月28日 著者:永井紗耶子

戦後の流通業界に一大王国を築きあげたダイエーをモデルに描かれた小説。一代で築き上げた事業と言うものは後を継ぐ人材が居るかどうかでしょうか?日本の流通業の近代史を読んでいるような感じでした。まあ面白かったかな。
読了日:9月29日 著者:楡周平

終戦直後、大勢の女性たちが「防波堤」として進駐軍に差し出された事実を、14歳の鈴子の目を通して語られる。生きるためとはいえ、母が変わってゆく様子を思い悩む思春期の鈴子。RAA=特殊慰安施設協会などと言うものが存在したことに驚きました。戦争の犠牲者は弱い女性と子供たちなのだと言うことをあらためて実感しました。
読了日:9月30日 著者:乃南アサ
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