ゆみねこ日記

日常日記です。

2月の読書記録

2025-03-02 08:10:31 | ブックレビュー
2月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7385
ナイス数:2457

センシティブ・キリング 警視庁01教場 (角川文庫)センシティブ・キリング 警視庁01教場 (角川文庫)感想
甘粕仁子は犯人を追う際に転落して大怪我を負い相貌失認という重大な後遺症に。人の顔の見分けがつかない上ににおいにも過敏になるが、塩見助教官が献身的に支える。受け持つ学生たちには元力士がいて何かと注目を浴びる。学校付近で起きた転落事故、隣の教場との決闘事件、相撲部屋で起きていた事件など盛りだくさんだが、学生たちを立派に卒業させるための仁子たちの苦労、そして最後のラブラブ。目が離せず一気読み。
読了日:02月01日 著者:吉川 英梨
ロス男ロス男感想
40歳、母を亡くし漠然とした喪失感を抱えるフリーライターの吉井。ある日再会した歳上の元同僚カンちゃんの「死ぬまでにしたい10のこと」リスト作成を手伝うことに。アスペルガー女性との仕事と恋、婚活、カンちゃんの妻への思いと喪失感、マイノリティーであることに悩むコーキくん。吉井くん、いい奴なのに生まれた時が悪かったのか。たくさんの気づき、喪失(ロス)すらも愛する、吉井くんの未来は決して暗くはないと信じたい。
読了日:02月03日 著者:平岡 陽明
五葉のまつり五葉のまつり感想
天下人・秀吉が仕掛ける大事業を命がけで成し遂げた5人の奉行たち。北野大茶会・刀狩り・太閤検地・瓜畑遊び・醍醐の花見。様々な横槍をはねのけ、無理難題に挑んだ漢たちの物語。返却日が迫り流し読みになってしまったのが残念。また日を改めて読み直したい。
読了日:02月04日 著者:今村 翔吾
ドヴォルザークに染まるころドヴォルザークに染まるころ感想
出だしの1行に衝撃を受けて読み始める。廃校が決まった九州の小さな小学校の秋祭りの一日。そこに集う人たちの様々な思いが交錯する。閉塞的な田舎の集落、男尊女卑を当たり前ととらえる人々、駆け落ち・不倫・セックスレスなどなど。夕暮れ近くなるころ、ドヴォルザークの「家路」が流れる。重たいけど少しだけ明るいラストで読後感は悪くない。
読了日:02月05日 著者:町田そのこ
遥かな夏に遥かな夏に感想
あなたは私の祖父ですか?まっすぐに問いかけてきた若い女性。彼女の祖母は未婚のまま彼女の母を産み、けっして父のことを明かさなかった。1976年のベルリン映画祭とその場に居合わせたメンバー。祖父を探すと同時に主人公・本庄の映画への思いと若き日のことが甦る。当時の韓国の政情や在日韓国人、引き裂かれた若い2人の悲しみが胸に迫る。
読了日:02月06日 著者:佐々木 譲
潮音 第一巻潮音 第一巻感想
宮本さん初の歴史小説。幕末動乱の時代、越中富山の薬売り・川上弥一の物語。富山の薬売りの歴史、薩摩との関わり、とても興味深い。四ヶ月連続刊行ということなので先が楽しみ!
読了日:02月09日 著者:宮本 輝
桜が散っても桜が散っても感想
趣味の渓流釣りで訪れた桑畑村、大好きなこの村を自身が勤める会社がリゾート開発しようとしている。その事実を知って苦悩する忠彦は、親友に会いに出かけた村で大きな出来事に遭遇し、言葉を失い、心を病んでしまう。幸せだった家族は壊れ、それから20年の月日が。忠彦、妻の麻美・娘の里奈・息子の建斗の視点で語られる物語。プロローグは不穏な感じで森沢作品にしては暗いなと思いきや、エピローグがとても素敵で読後感は良好。
読了日:02月10日 著者:森沢 明夫
眠れない夜のために眠れない夜のために感想
「眠れない夜は」で始まる10の掌編。絵と文章がとても美しく、一人静かに夜に読む。【木守柿】が好き。
読了日:02月10日 著者:千早 茜
月花美人月花美人感想
菜澄班郷士・望月鞘音は傷の治療に使う〈サヤネ紙〉を作り、亡き兄の遺児・若葉との暮らしの糧としていたが、幼なじみの紙問屋・我孫子屋壮介と女医者・佐倉虎峰は「月役」の処置に使うため〈サヤネ紙〉の改良を持ちかける。女性の生理を穢れとし忌み嫌う時代に、武士としての誇りや立場を乗り越えて〈月下美人〉を開発し売り出そうとした彼らの前に立ちはだかるものは?着眼点が面白く、楽しい読書が出来た。女を穢れたものと言うなら、その女から生まれた男は何なのか?いつも疑問に思う私です。
読了日:02月11日 著者:滝沢 志郎
雷と走る雷と走る感想
学童期に父の転勤でアフリカの某国に引っ越したまどか。その国は治安が悪く、駐在員の住む家は高い塀に守られ
広い庭がある。家族の安全のために庭に放し飼いにされた大型のガードドッグたち。虎と名付けた犬とまどか、虎への愛と別れ。短い物語ながらとても読み応えがあった。
読了日:02月12日 著者:千早 茜
ヒポクラテスの困惑 (単行本文芸フィクション)ヒポクラテスの困惑 (単行本文芸フィクション)感想
ヒポクラテスシリーズ第6弾。2020年4月、大手通販サイトの創業者でセレブがコロナで急逝。しかし男は未承認のワクチンを独自に入手し自らの手で接種していた。その後人気ユーチューバーやベテラン代議士が相次いで亡くなり、未承認ワクチンに仕込まれた悪意が明かされる。誰が何の目的で仕掛けたのか?うーん…真犯人が明かされてもスッキリせず。相変わらず読みやすいのだが、光崎先生の出番が少なくて残念。
読了日:02月14日 著者:中山七里
架空犯架空犯感想
深夜に発生した火災、焼け跡から見つかったのは都議会議員と元女優という夫婦の遺体。無理心中かと思われた事案は殺人事件と断定された。手がかりがつかめないまま、かって教師と教え子という関係だったこの夫婦の過去に遡り捜査する五代刑事。共に捜査にあたる刑事に感じた違和感の正体。明かされた真相は過去からの逆襲なのか。若気の過ちと魔性の女に振り回される男たちの物語かも?一気に読ませる筆力はさすが。
読了日:02月14日 著者:東野 圭吾
謎は花に埋もれて謎は花に埋もれて感想
フラワーショップ橘の店主志奈子は50を過ぎて結婚した刑事の省司と暮らしている。2人の周りで起こる6つの殺人事件、花をモチーフにしたミステリー。「クレイジーキルト」「家族写真」が好み。
読了日:02月15日 著者:宇佐美まこと
スターゲイザースターゲイザー感想
アイドル事務所・ユニバースに所属するデビュー前の若者たち。通称リトルと呼ばれる彼らは10年以内にデビュー出来なければ自動的に卒業。6人の視点の物語は面白く、互いへの嫉妬や憧れ、自分の才能や容姿への不安。バラバラで纏まらなかった彼らがだんだんひとつになる。最後は爽やかな感動で読了。元J事務所が脳内チラホラ…😅
読了日:02月16日 著者:佐原 ひかり
連続殺人鬼カエル男 完結編連続殺人鬼カエル男 完結編感想
カエル男シリーズの完結編。「心神喪失者の行為は罰しない」刑法39条を盾に殺人犯を無罪にした【人権派弁護士】が相次いで殺害され、有働さゆりの犯行が疑われる。殺害方法は悲惨、追う渡瀬・古手川のコンビ。有働の真の目的が明らかになり、表紙の絵が…。最後は呆気なく感じたが、古手川は心の傷に引きずられそう。
読了日:02月17日 著者:中山 七里
死写会死写会感想
昭和の巨匠と呼ばれる白波瀬仁が25年ぶりに撮った映画「妖奇」。その試写会に参加した44人が集団自殺し、周辺でも不審な死を遂げる。先が気になってサクサク読んだけど、後味の悪さしか残らない。映画界の闇、ハラスメントへの恨み、当事者でなくとも傍観者まで引きずり込む恨みの恐ろしさ。
読了日:02月18日 著者:五十嵐 貴久
あえのがたりあえのがたり感想
10人の作家達による能登半島応援チャリティ小説。2024年能登の地震からほどなく直木賞の待ち会で加藤シゲアキさんから今村翔吾さんに持ちかけて始まった企画とのこと。10人それぞれ違った作風でとても楽しめた。蝉谷めぐ実さん、麻布競馬場さんは初読み。今村翔吾さんはさすがの面白さ、蝉谷さんの「赤門」の由来と麻布競馬場さんのカレーパーティーのオチが印象的。小川哲さん!今作は分かりやすい😆
読了日:02月19日 著者:加藤 シゲアキ,今村 翔吾,小川 哲,佐藤 究,朝井 リョウ,柚木 麻子,荒木 あかね,今村 昌弘,蝉谷 めぐ実,麻布競馬場
冷たい恋と雪の密室 (一般書)冷たい恋と雪の密室 (一般書)感想
2018年1月11日、記録的な大雪に見舞われた新潟県三条市でJR信越線が立往生した。閉じ込められた列車の中にはセンター試験を2日後に控えた3人の受験生が。これは恋物語ですね😅帯織駅が最寄りの3人という設定にしないと成り立たない物語なので仕方ないかなと思ったのですが、帯織は旧栄町で農村地帯。3人の家業があの地で三代続いて云々という辺りでリアルな舞台を知るものとしては内容に没頭出来ず…。千春の愛情は強すぎて怖くも。若い方が読むとまた違った感想になるかな?
読了日:02月20日 著者:綾崎 隼
蕎麦打ち万太郎 (単行本文芸フィクション)蕎麦打ち万太郎 (単行本文芸フィクション)感想
モンゴル出身の元力士・万太郎は妻の希子と新橋で蕎麦店を営んでいる。気は優しくて力持ち、困っている人を放っておけない万太郎。行きつけの酒場のバイト女性のピンチを救い、ネットで悪口を書いた人物と対峙し、力士時代の後輩を励ます。テレビ局の理不尽なやり方と戦い、蕎麦農家のピンチに駆けつける。読みやすくサクッと読了。面白かった。
読了日:02月20日 著者:原宏一
夜と跳ぶ  Re:東京ゴールデン・エイジ夜と跳ぶ  Re:東京ゴールデン・エイジ感想
夜と跳ぶ、シリーズ第2弾。ロス五輪を目指す決意をしたエイジの前に立ちはだかるパリの金メダリスト・マシュー。エイジと丈太郎のコンビが行くところにトラブル発生?智亜のピンチを救い、マシューをストーカーからまもったり、エイジの親探しのせいで命を狙われたり。技の名前で情景は想像出来ないけれど、試合の臨場感や緊張は伝わりとても面白かった。次はロスでの対決かな?続編を期待したい。
読了日:02月22日 著者:額賀 澪
アーセナルにおいでよアーセナルにおいでよ感想
高校3年生の千春は少し人付き合いが苦手。推薦で進学先が決まりあることで学校に行きづらくなっていたある日、幼なじみで初恋の相手甲斐君から突然の連絡があり、千春の能力を見込まれスタートアップ企業にスカウトされる。居場所のない若者たちを支援するその会社の名は「アーセナル」。甲斐・陽太・コトリ・千春、それぞれ得意分野の異なる4人、サクサクと読み終えた。
読了日:02月22日 著者:あさの あつこ
逃亡犯とゆびきり逃亡犯とゆびきり感想
売れないフリーライターの世良未散に一本の電話が入る。それは高校時代の親友・古沢福子。福子は未散が取材中の事件の真相を暴くヒントを与え未散の記事は話題となる。しかし、福子は4人を殺し指名手配をされていた。なぜ殺すのか?福子と未散の育ってきた家庭の酷さ、どこの家庭にも「クロゼットの中の骸骨」が…。人を支配し何も考えられなくする恐ろしさ、福子の犯罪は許せないことなのになぜか逃げて欲しいと思う私。これもシスターフッド小説か、面白く読了。
読了日:02月23日 著者:櫛木 理宇
板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh感想
ゴッホの「ひまわり」に魅せられ画家を志した棟方志功。裸一貫で青森から上京したが絵を習う師もなく画材を買うお金もない。やがて辿り着いた木版画で世界を圧倒した志功、彼を支え共に生きた妻チヤ。彼はゴッホを超え世界のムナカタとなった。マハさんのアート小説、堪能した!
読了日:02月25日 著者:原田 マハ
シロガラス 6 ひみつの旅シロガラス 6 ひみつの旅感想
前作から6年、ほとんど内容を忘れていたがこれまでのストーリーがあったのですんなりと読み進めることが出来た。千里はご神刀を内陣から持ち帰り、その力で叔父真行の記憶が甦る。星司の母ミズキの失踪にまつわる秘密、手がかりをつかんでも動かない大人たち。千里と星司の秘密の旅の結末。これは早く続編を刊行してほしい!佐藤先生、よろしくお願いします😊
読了日:02月26日 著者:佐藤多佳子

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