読み手の“今の自分”が反映される本だなぁと思います。
気になるポイントが変わったり、前回気づかなかったことに気づいたり、
セリフひとつをどう解釈するかも もしかしたら日替わりでかわるかも。
だって理解が進むと気持ちも変わっていくんだもの。
「これはどういう意味なんだ?」
「私はどうなんだ?」
どんなところに反応して共感して嫌悪するのか
自分自身も観察対象にしながら読んでいました。
キャラの中には、
自分があり過ぎる人
自分が無さすぎる人
薄っぺらい人
自己愛の強い人
必要とされたい人
対話のない人・・・と色々いて、
またそれぞれに良い所も悪い所も好きな所も嫌な所もありました。
自分はどの人のどの部分が苦手か、それは何故かなど考えていると
今の自分の価値観も見えてきます。
人はひとりひとり違うし、一人の人間にも色んな側面があるし
成長して変化して行くしで、つくづく面白いものだと思います。
最初はイヤだと思った子を、2回3回と読んで知っていくうちに受容する自分がいたり
大人がラクしてるのが見えてきたり
思春期の潔癖さが痛かったり
「気がつく」というのはとても満足度が高いことだと思います。
本ではないんだけど、ちょうど私も自分の中苦手なものや心に強く引っかかるものは何か自分の中にある課題に直結しているなあと思っていたところです。気がつかない時は相手のせいにして愚痴の人になったり攻撃して更にこじれたりするけど、気がつけば自分を知るだけじゃなくて状況をよくするアクションがとれるもん、大違いだよね。そういう意味では(気がつけば)苦しみも大きなヒントでありチャンスなのでしょう。
理解のちからってすごい。
うたこちゃん、なかなかの使い手ですな。
実際、理解したいから3回読むなんて行為にも、きっと今の自分が出てるんだと思うわ。
理解できなくてもまあいいかって最後は思うんだけどね。
自分次第で。
真っ只中の時には翻弄されるばかりなんだけどね。
いいテキストでした。