『童話の国から-物語・子ども・夢』

2016-09-02 23:55:46 | めもめも☆彡
これもギリギリ滑り込めた―目黒区美術館で9月4日までの展示です。

「コドモノクニ」で活躍した武井武雄と初山滋の二人、とちょっと時代が下がった秋岡芳夫を取り上げています。
いやもう、何が何って武井武雄見たいー!!
(岩波の九月姫とウグイスは武井武雄の絵も光吉夏弥の文章も、宝物です…って前も書いたかも)

と勇んで行ったらば
初山滋ってこの絵かーごめんなさい!
すっかり忘れてたけど、小学生の頃、ものすごーく愛読してました。
(福音館のたなばたは児童会の劇で参考にしたりね、七夕様ってこんな話なのか!でしたよ)
今見ても、水彩の透明感が半端無い。うっとりする色合い。
黒一色のペン画でもお洒落でキラキラした感じがする…なんで?
と、見入ってしまいました。


そして勿論。武井武雄はすごい。
不思議な世界観と奇妙な動物と独特な色合い。

”海の色、忠実に願います”と鉛筆で指定があった原画、印刷でちゃんと出たのか心配だわ。
中には原画と出版された本と一緒にでていたのも多かったけど、これは本がなかった(多分)んですよ。
やっぱり上手く出なかった???

原画だけでなく、綺麗に装幀された本や版画(蔵書票楽しかった!)などなど、堪能しましたよ。
有難う、目黒区美術館
(スタッフさんもとっても親切だった~!良い美術館だ)

秋岡芳夫はホントに知らなかったんだけど、妙な明るさと楽しそうな雰囲気が、個性的で面白かったです。
(人魚姫の絵の中のイルカ?が可愛いんだかなんだか微妙なところが良し!
 初山滋の綺麗な人魚姫とは対極な感じかなぁ)




おまけ
「日本童画会会報」が何冊か出品されていて、1946年9月の頁に会員消息とうものが掲載されていたのですが、
退会者の中に福与英夫という名前があって、その消息が気の毒すぎて絶句しました。
武井武雄の手紙によると、昭和21年にハルマヘラ島(インドネシア)で死亡
同年5月に奥さまも戦災死、12月にお母様も亡くなり、家屋は人手に渡り、身の廻りのものは疎開先にて戦災消失
彼に関する一切合財がなくなってしまった…
ということで、追悼の意味も込めて云々と手紙は続くのですが
昭和21年って終戦後だよね!?何度も見直しましたが、21年で間違いない。
何故。せめて、ご家族ぐらいは生き残ってくれてもいいのに。

一体どんな絵を描いた人なんだろうと、家のPCでググったら、こんな年賀状のページが!
『念頭に晴れてお召しに預りました。元気に征って来ます。』
…悲しすぎる。




おまけ
出品リストはあったけど、図録は無かったです。
大人の事情だそうです。
白黒でも、、ちっこくても、ちょー粗い印刷でも良いから、こんな絵がありましたぐらいがわかるモノが欲しかったよ~。


おまけ
目黒区美術館には、コドモノクニに関する書籍と秋岡芳夫の絵葉書3種類しかなかったのですが(これも大人の事情。せめてポスターになった武井武雄のアイスクリームの絵ぐらいは商品にしてくれても良いじゃん)
先週行った東京都庭園美術館の子どもとファッション展(当時の子どもの様子がわかるので、絵画や絵本が出展されていました)では、武井武雄の絵葉書を2種類売ってましたよ。
片方の原画はここにあるのになぁ!
まさか、売ってないとは思ってなかったけど、念のため、と先に買っておいてよかったなぁ。



7月16日に始まった企画展ですが~、ぐずぐずしていた所為で、こんなお終いの頃に来る羽目に。
今日もかなりしつこくじっくり見ましたが、何か見落としてる気がする。
もう2,3回来たかったなぁ。
ちょっと遠いとか暑いとか言ってちゃ駄目だよね



コメント
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