ⅩⅩⅡ 「Normal Love」を観る、聞く、
これが映画だ、60分の短縮版なのかも知れないが、ネットで見ることの出来るのは、この映像くらい、確かに、イメージフォーラム映画祭でも、上映されて、その折りには、倍の時間だったはず、この時にも見ているのですが、今ひとつ、集中できずに、改めて、ネットの映像を見直したところです、花心、蜘蛛、黒い蜘蛛、文字、蜘蛛が蠢く文字の列の上、文字と蜘蛛、捕らえる、囲う、文字、意味、さて、人魚、派手に着飾った人魚、セットの中に、蜘蛛に捕らわれた、文字に捕らわれた、誰が、映画が、私たちが、森の中、緑の中、陽差しの中、騎士、娘の衣装の者、そして、先住民の男、さまよい、求め、追っかけ、木の実、偶然か、必然か、彼らが出会い、娘の乗るブランコ、ゆらす先住民、抱き合う二人、求め合う、絡まり合う、更紗の垂らされた中で、表情、光、影、色彩、判明しない姿、顔、また娘がさまよい逃れて、追いかける面を着けた先住民、逃れて、遂に娘の前に、娘はパイを顔に投げつける、汚れた男の顔、面に被さって、遊び、神々の戯れ、そして、森の中では、泥の中から、何ものかをつかみ取る男、泥の中に人魚が現れる、男は抱きかかえて、絡まり合う、泥の中に汚れていく二人、戯れ、遊び、黒い泥の中に、これもまた神々、屋外の光の中のシーンに、セットの中のミルク風呂に浸かる人魚が、現れる、全てはこの人魚の夢物語、天使の、ならば、蜘蛛は、この天使を導いた神とも、悪魔とも、かくて、緑の中、牛、天使たち、包帯に巻かれた人物、色の付いた飲み物、食事、果物、宴、何時までも、何処までも、音楽の素晴らしさ、クラシック、アラビアの音楽、バルカンの音楽、ポップス、多様に重なり合って、天使たちが、舞台の上で舞う、喝采、この舞台に上がれない包帯の者、舞台の横をさまよい蠢くばかり、愚かしく、ミルク風呂の人魚、そして、おもちゃの鉄砲を持って現れる娘、撃つ、撃つ、倒れる男、先住民だろうか、倒れる格好、死する格好、神々の遊び、現れ、愛し、求め、絡まり、汚れの中から、いや、汚れの中に、飲み、食べ、踊り、殺される、天使たちが、舞台の上に倒れ込む、死、虐殺、撃ちまくる娘姿の者、悪魔が現れた、画面はズームで寄りと引き、悪魔はミルク風呂の人魚の脇に現れ出た、蜘蛛の仕業、いや、全ては人魚の、天使の幻想、舞台では、鉄砲を持つ娘が飛び跳ねる、リズミカルな音楽、泥の中に立ち上がった男、舞台に跳ねる娘、皆神々、だが、なんと、ラストには、この跳ねる娘も転んでしまうのだ、死した天使たちが、重なり合っていた舞台、今、天使たちも、一人一人、落下して、今、跳ねる娘もまた、この落下の動きに填っていくのか、鉄砲娘は舞台の巡りから散々に撃ち散らしていた、人魚もいつも通り寝ている、横になっている、泥の中の男が、抱き上げ、逆さにして、抱きかかえもしたが、己では、立ち上がれない、蜘蛛も横に蠢くばかり、文字のごとくに、森の中のさまよいも横移動、ブランコも、だが、後ろから押す男の腰つきは、しっかり下から見上げたショット、横の移動に対抗する縦のショット、そそり上がる尻、だが、二人は直ぐに横に倒れ込んで悶えた、泥の中に立ち上がる男、これまた仰角、人魚を抱きかかえる男、そして、宴の中、舞台の天使たちの舞い、これも、手を振り上げ、圧倒的に、上に広がる動き、鉄砲撃ちの娘の仰角、悪魔はズームで、決して立ち上がったとは思えない、現れたばかり、ならば、神々は、縦に突出し、倒れ込んでいく、この繰り返し、ひとつの神々の遊びが、宴が終われば、また、次なる、宴が始まる、人魚の、悪魔の、蜘蛛の、幻が、繰り返される、一時の、縦の突出たちに、心ときめかしながら、映画もまた、時間とともに、横に流れていく、この流れの中に、何を見る、突出させる、ブランコを押す腰だろう、素晴らしい、ジャック・スミスの映像が、ネットで見ることが出来るのだから、凄い、
ⅩⅩⅢ 「この庭に死す」を観る、聞く、
色彩が綺麗です、とある国の金鉱、中南米でしょうか、山師たち、今日も泥だらけ、汗まみれ、そんな彼らに通達、全ての金鉱は国の資産だと、勝手に山を掘ることは許されないと、全て明日までに片づけて引き上げろと,そうでない場合は国の資産として没収すると、納得できない山師たち、役所に訴えようと、皆で出向くのだ、警察署では、署長と部下がチェスの最中、報告を受けて、ルール通りにと、集まった山師に、兵士が語りかける、武器を捨てて前面にと、だが、武器を捨てたら言いなりだと、あくまでも武器を身につけたままにと、山師たち、ならば,始末しろと署長、かくて、兵士が行進して現れて、まずは銃弾を高みに向かって発砲、慌てる山師たち、ちりぢりに、そこに平然と現れた男、馬を連れて、俺には関係ないとばかり、兵士の横を通り過ぎていく、撃たれ死した兵士、反対に撃たれた山師の一人は犯人として捕らえられて、現れた男はバーに、署長の許にはビジネス船長、仕事の為に署長の言いなりの男、男はここから船に乗る手立てをバーテンに聞きだして、今晩はゆっくり休みたいと、だが、バーの上は空きがない、値が張るが、横道を行ったところに部屋があると、判ったと男、遣ってきた屋敷、部屋が開いている、ベッドに、火を灯して、誰も現れないままに、寝てしまう、今火が灯って、男の横には女が、誰だと男、私のベッドだと、夜の女、全て金、受け入れる男、胸に貼り付けた大金を見せて、これがあるのだと、だが、寝ている間に、警察に連絡が、捕らえられてしまう,金も奪われて、怒りの男は、女を睨み付ける、平気な女、怪我して捕らえられた山師の一人、彼は兵士を撃った犯人にされてしまっているのだが、彼と共に監獄に、しかし、男は監視の裏をかいて脱出、山師たちは、困惑して如何とも、その一人の老人、娘は聾唖、美しいのだが、老人は夜の女と結婚して巴里に店を持つ算段、仲間に話して貰う、遣ってきた仲間、女に語りかける、馬鹿にするばかり、だが、大金を手にしていると聞いて、心が動く、そんな金に動く女を見て仲間は見放す、かくて、皆に見せしめの為に怪我した山師は広場に連れ行かれて銃殺、怒った山師たちの反撃、襲われる役所、銃撃、老人はこの地を離れようとしたが、闘う気など無いのに、撃たれて犯人に、追われる身、教会の神父は、これまでも、何とか、納めようと、だが、誰も聞き入れないままに、この度も、老人を探して女の部屋に、だが、老人は今更出頭出来ないと、何もしていないのに、群衆が、女の許に押し寄せる、神父は、老人の為に、己を曝す、娼婦の許に居る己を、皆の軽蔑の笑い、今までの説教は何であったのだ、監獄のに脱出前の男にも、もっともらしく語り、だが、最後の手紙を書きたいとの言葉に唆されて、兵士に手紙とペンを運ばせて、結局、男の脱出を助けてしまった、愚かしさ、空回り、船長は、女に、署長の云うことをきけと、署長も女に興味が、女は老人の金を目当てに、この地を離れる考え、聾唖の娘に荷造りさせて、船に、女も、そして、更なる奥地での宣教の為に神父も、そこに乗り込んでくる男、船長を捕らえる、かくて出航、反乱で乱れた地に、兵隊たちが遣ってくる、逃れた犯人を追ってボートを飛ばす、危険を察して船を降りる男たち、密林の中に、船長も殺さないでくれと、俺しか道を案内できないと、夜、縛り上げて寝るが、船長は抜け出して兵隊らと共に追っ手に、残りの者たちのさまよいが始まる、船長に食事も奪われた、関係も不和に、女は老人を罵る、老人の困惑、妻に成るものと思っていた女に浴びせられた言葉に、蛇を捕らえる、火をおこし、やっと食べられると、僅かの間、切り裂いた蛇を見ると蟻が集っている、だが、この後、蛇は食べられたのかと、如何とも、はっきりしない、が、巴里の美しい夜景、車の行き来する大通り、見ている私たちの戦き、巴里に戻ったのか、カメラは引いて、その絵柄は絵はがきのシーンだったのだ、だが、実際に車が動いていたから、誰かの幻想、夢の中、ならば、現れた、映像は、客観描写とは限らない、このショットの危うさ、全ての映画のショットに効いてくる、絵葉書は破られ捨てられ、またさまよいが、そして、女は見いだす、薪の後、近くに人がいたのだと、助かったと、だが、絵はがきを見つけてしまう彼ら、己たちの薪、ならば、何処にも進んで居らず、巡っていたばかり、疲労、限界、男一人が食料を探しに、出向いていく、あきらめの最中、戻ってくる男、食料を纏めたバックを持って、食事に有り付く人々、男に連れられて遣ってくる、飛行機の事故現場、近代の廃墟、巴里が彼方に有り、そして、金鉱、中間の事故機現場、死体までも共に有る現場、祈り、神父、老人、娘、女、そして、男、老人はどこか当てなく狂気、娘も、純真無垢の顔して、宝石を集めてケースの中に、神父の怒り、お前のものではないと、娘の苛立ち、欲望、奪われてしまって、しかし、神父はこっそり隠すのだ、覗き見ていた女、神父は男と今までいがみ合ってきたが、君は立派だと、助かったからか、何か滑稽、女はその宝石を取りだして、衣装まで着飾って、巴里の気分、男を誘う、あまりに美しい出で立ち女、事故現場の女、だが、狂気の老人は、女を撃つ、倒れる女、男と神父は隠れる、娘も連れて、それぞれに娘の美貌に憧れても居る男たち、神父は俺が説得すると出向いていくが、撃たれてしまう、何とも、笑ってしまう、かくて、あまりに美しい湖、ボート、娘とともに男が乗り込む、銃弾、男は戻り、老人を始末する、ボートに、船が出る、だが、このラストも、まさに、あの絵はがのごとく、夢ではないのか、あの食事も、事故機も、しかも、この男はどこから遣ってきたのか、何の金なのかも判らない、確かに、銀行強盗が近所で在ったらしいとの会話が話されていた、が、男との関係は判らない、こつこつ貯めた金ならば、女に奪われては堪らない、中南米の強権力、夢に見られるパリ、だが、そのパリから遣ってくるのだから、パリでも、金がないと如何とも、飛行機事故、宝石、豊かさと事故と、美しい風景と、地獄、見事です、あの着飾った女の姿、ジャングルの中、事故機の横、これが現実とも、愚かしさとも、食べること、金、欲望、この後、主人公は何処に辿り着く、また安易なことで、騙されるのではないか、色彩が素晴らしいです、緑、ジャングル、光、輝き、雨、湖、私たちの見ているものは、映画か、絵はがきか、錯覚か、現実か、危うい、ままに、