SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

SASHIY エイガニッキ

2022-03-07 09:03:22 | 日記

ⅭⅨ「ドライブ・マイ・カー」を見る聴く、
  マンションの部屋、闇の中、女の白い背、美しい娘の体、語らう男女、夫婦、セックスの後に、女子高生の話し、恋する人の部屋を夜に、誰も居ない間を見計らって訪う、こそ泥のごとくに、そして、彼のものを手にして、己のものを置いていく、繰り返し、彼の部屋でオナニー、初めはできなかった、こそ泥のごとく入り込めても、オナニーは許せなかった、だが、繰り返しの中、オナニーして、己の下着を置いていく、娘の思い、恋、自己満足、夫婦の語らいの中、夫は演出家、妻は脚本家、二人の語らいが、ドラマを作り出していく、二人の娘は死して仕舞った、肺炎、時が過ぎて、今生きていれば23歳、法事、あの後に子供が欲しかったかと問う夫、曖昧な妻、車を走らせる二人、公園会場で、夜の芝居には来ると妻、無理するなと夫、夫を残して、妻は仕事場に、何の問題も無い夫婦の如くに、娘の死の後に、子供もできずに、いや作らずに、一体二人は何を求めて居る、夫は、仕事と妻とのセックス、二人の寝物語に、妻の仕事に、何の疑いも挟まない、自己充足、総べてが旨く行っている、今日もまた舞台、ゴドーを待ちながら、多言語での舞台、言葉がある、台詞がある、日本語ばかりではない、多様に、語っている、語らされている、演じている、演じさせられている、私とは、役者とは、芝居とは、既に在ってしまうことの反復、言葉たちは、交わっているのか、擦れ違っているのか、表現の最前線とは、何が在る、何も無い、空洞、真実、現実とは、空回りでしかない私とは、空回りであることを芝居し見せ付けているが、空回りの実体が見えていない、妻は若い役者を紹介、挨拶する役者、また後でと主人公、二人の世界に現れた、外、二人の世界を揺さぶる存在、視点、夫は海外での演劇祭に参加のために車を走らせる、飛行場、だが、天候が悪くて、飛ばない、翌日の飛行に、主人公は車を走らせて家に、マンションの中に、妻の悶える声、ベッドで抱き合っている、見詰める主人公、鏡に映し出される夫、主人公、果たして、二人は、妻と若い役者は気付かない、いや、知って見せ付けていないか、充足する主人公の在処を撃つために、そっと去って行く主人公、ホテルの主人公、連絡する夫、着いたのと妻、既に海外にいるかのごとくの主人公、芝居、嫉妬、戻って、妻とのセックス、またしても、寝物語、既に妻の生活を、浮気を知った主人公は、何所か白けて、妻ばかりが、一人悶え、自己満足、溜まらない主人公、二人の乗る車、運転する主人公、代わると妻、妻の運転は危ない、余所見、いつも車の中では台詞の言葉がテープで飛び交う、妻と主人公の台詞の音声、主人公は運転に自信が、だが、既に妻の浮気を知った、何も知らなかった己、運転の、夫婦の生活の、仕事の、自信は、運転ミス、事故に、病院、緑内障、注意しなさいと医師、悪くすると、運転できなくなると、不安な主人公、朝、出がけに、妻は、帰ったら話があると、何かを感じたか、不安、その夜、直ぐに戻らない主人公、深夜に戻ると、部屋は真っ暗、妻が死している、周章てて救急車、葬儀、現れる若い役者、夫の怒りの視線、挨拶、こうしてタイトルバック、始まり、車を走らせる主人公、広島に、韓国人スタッフの演劇祭の芝居の演出に呼ばれて、ワーニャ叔父さん、オーディション、ホテル、車の運転は、スタッフの計らいで運転手がすると、あくまで己で運転すると、自信の主人公、運転手を拒むが、まずは乗ってみてからと娘の運転手、かくて、未だ若い、ラフな格好の娘の運転、だが、何の問題も無い、テープも掛けて、いつもの妻の台詞との反復、主人公も受け入れて、オーディションの会場、おばさんと外国人の男、中国人の娘とあの妻と抱き合っていた若い役者、彼はスキャンダルで劇団を離れて、フリーに、二人の若者の傲慢な芝居、最後に現れた韓国人の娘、手話の娘、こうして役者が決まる、主役には、若い役者が、困惑の役者、それでも、演出家の決めごと、皆はサインして、読み合わせの始まり、ゆっくりと、それぞれの言語で、手話も含めて、演じるのでは無い、あくまでも、読み合わせ、皆で、全ての台詞を頭に叩き込む、己の台詞のみならず、相手の台詞も含めて、相手の気持ちにも成って、そこに見えてくるものとは、青年は主人公を飲みに連れ出す、妻の引き合わせと、写真を撮るシャッター音、青年の怒り、詰め寄る若い役者、私は帰ると主人公、苛立ち見境の着かない若者、そんな思い込み、つっぱしりを制したい演出家、読み合わせの中、互いを理解した中から、現れ出る、葛藤、理不尽、苦悩、そんな総べての理解こそが、芝居、だが、これは演出家の解釈では無いか、スタッフに、手話を覚えたのは何時かと演出家、手話の娘の翻訳をスタッフの男がして居たから、家に来て下さいとスタッフ、謝ることがあると、実は、手話の娘は韓国人スタッフの妻だったのだ、妻の料理、運転手の娘も含めての食事、優しい語らい、運転手の娘は二人の飼っている犬に食事を、座り込む、四人の語らいの最中に,急に、画面から消える娘、倒れたかと,だが,残り三人の和気藹々の語らいに、娘はどうなったか,判らなくて、不安な間、カメラはパンダウンして,犬と娘とを捕らえて、安堵、何所までが、芝居で、演技で、危ない、危ない、見せられて、乗せられて、カメラの動きに注意、何が撮られている、何が隠されている、朝、青年は中国人の役者と車に同乗、横の車の主人公、不審な主人公の視線、先を行く青年の車は、事故、走り去る主人公の車、読み合わせに後れた二人、二人に芝居をさせる、オーディションの時の芝居、だが、今、散々に読み合わせをしてきて、あのオーディションの時よりも旨くできずに、相手役の言葉をもしっかり頭に入って、逆に、身勝手な、傲慢な芝居ができずに、読み合わせの理解、身勝手な己一人の充足の芝居のできない役者たち、外での芝居、木々の中、光りの中、中国人娘と手話娘の芝居、見事に、改めて青年が誘い、主人公との語らい、この度は運転の娘も一緒に、妻の寝物語を知って居る青年、驚きの主人公、しかも、二人の語らいの先までも、忍んだ部屋でオナニーし、下着を置いて、そこに現れたこそ泥、娘を見いだして、強姦する、二人の語らいの彼方にまでも、話が続く、主人公の嫉妬、困惑、妻の真実、青年の真実、青年の視線、主人公を見詰める視線、視点、妻と青年の世界からの視点、判ったごとくに、理解して遁れていた主人公、今、演出家の己の最前線が問われて、青年の表情、視線、彼の言葉に、演出家の存在が、壊れていく、そもそもに於いて、始まりから、二人の世界の外が在ったのに、気付かなかった主人公、恋とは、結婚とは、二人して、その外にまでも、動き出して行かなくてはならないのだが、二人の世界を閉じて理解していた主人公、解釈、その外の在処の青年の存在、青年と妻のセックス、妻の死、そして、今、現れた青年、妻の引き合わせと改めて語られて、過去が、またしても、写真のシャッター音、また、急変、出ていく青年、主人公は、運転の娘に語り出す、あの晩、妻の死した晩、深夜に帰った、妻が、話があると言ったのに、何かを察して、帰らなかった、もっと早く帰っていれば、逃げたのだ、妻を殺したのは私だと主人公、青年の後を追い、車に、娘と青年、支払いの主人公、またシャッター音、写真を撮る青年が一人、スキャンダル役者を捕らえたか、追い掛ける役者、戻った娘、やって来た主人公、青年は消えて、車の中、運転娘は語る、あの人は嘘は言っていないと、いつも嘘をつく人と共に居たから、判るのだと、北海道で、山津波、家は崩壊、一人生き延びて、だが、母はその崩れた家屋の中に居た、助けも呼ばず、助け出しもせずに、私が母を殺したのだと、銃声、衣装も着けての稽古、見事な芝居の青年、良かったと主人公、そこに刑事、あの夜、カメラの青年を殴った役者、その青年が死したのだと、連れ行かれる役者、途方に暮れる主人公、スタッフ、公演をどうする、主人公がワーニャ叔父さんをやるか、中止か、時間を呉と主人公、二日ならばとスタッフ、どこかに車を走らせてくれと、ゆっくり考えられるところに、君の田舎に行こうと主人公、山津波の現場に、走る走る、車を走らせ、車の中で煙草に、車の上窓を開け、二人して手を、差し出し、煙草を持つ手を、吸い、煙を外に、疾走する車から、並んだ手、フェリー、辿りついた雪のある丘の下、崩れたままの家屋、花束を差しだす主人公、放る娘、煙草の火、弔いの火、主人公は、妻との関係を逃げた、嫉妬ならば、怒りならば、なんで妻にぶつけなかった、それこそが、欺瞞の今の外に向かうこと、可能性の関係、現実そのもの、恋とは、生きるとは、この外への、問い掛け、何度でも、根気よく、血まみれとなっても、そこを生きるしかない、涙、娘もまた、母を失った悲しみ、助けられなかった、母の二重人格、暴力母の中に、急に現れる優しい幼い心、この優しさが好きだったと娘、それでも、その母を助けられなかった、これもまた、二人の関係の外への可能性のなかに在ったのに、出来なかった、青年の、暴走もまた、外への、叫び、今あってしまう空回りの外に、ゴドーを待つ地獄、近代化という地獄を生きるワーニャ叔父さん、そんな芝居の、現実の最前線に、辿りついた、二人の抱擁、悲しみ、涙、此処を生きるしかない、妻を失った悲しみ、母を失った悲しみ、しくじった、それでも、今、此処を生きていくしかないのだ、主役のワーニャ叔父さんの主人公、演じて袖で疲れ果て、それでも、舞台に、手話の娘に後ろから抱きかかえられて、ワーニャ叔父さんの地獄を生きるのだ、そして、最後には、神の前に、辛かったと、悲しかったと、己を露わにするしかないのだと、後ろから抱え込む手話娘の後ろからのカメラ、演ずる二人を見詰める視点、役者たちの奥には見詰める客達の顔が、視点達が、外に向かう、可能性の視点達が、韓国のスーパーで買い物の運転娘、主人公の赤い車を走らせて、後ろの席には手話娘の飼っていた犬が、主人公から、手話娘から受け継いで、外へ、閉じられた日本、社会から、外に、韓国に、走り行く道は、何所に、朝鮮半島、その先までも、中国、ロシア、アラブ世界、インド、ユーロ、アフリカ、アメリカ、そして、また日本に、恋とは、生きるとは、根気の良い、充足の解体、それこそが、革命なのだ、さあ、今、映画から、外への視点を受け継いで、苦悩の中に、神の待つ、苦悩の中に、今日は、今日は、