SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

SASHIY エイガニッキ

2016-10-08 16:41:10 | 日記

ⅩⅩⅩⅩⅣ「君の名は」を観る聴く、
  田舎の少女、都心の少年、隕石の雨が降る、花火のごとくに火花が飛び散り落下する、舞い降りる、神々か、斯くて、少女の体に少年が、少年の体に少女が宿るのだ、しかも、時間空間を越えて、少女の体に未来の少年が、少年の肉体に過去の少女が、ならば、隕石の降った時制は、場所は、両者に、同時に、田舎の少女、その妹、父は選挙に、政治家なのだ、家は神社なのに、過去からの祈りの外に、政治家として、権力者として、母は既に病に死して、祖母が伝える、そして、育てる姉妹、祭りの舞い、化粧、織り糸、色彩、伝統の世界、学校、見詰める海、友人の少女とそのボーイフレンド、採掘会社の長の息子、これまた政治家と連んでの近代、ビジネスの者たち、都会の少年にも母が無い、父と二人暮らし、離婚したか、ビジネスマンの父、少年はレストランでアルバイト、そのアルバイト先の美しい先輩の娘、同僚の仲間も皆憧れている、二人が入れ替わっての、少女の学校でのお転婆の姿、少年の元気で健やかに、一方、少年のバイト先での優しい少女のごとき姿、先輩の娘のちんぴららに斬られたスカートまで手直しするのだから、かくて先輩にも好かれて、主人公二人は次第に、入れ替わりを理解し、連絡を取れる関係に、それぞれがそれぞれの場を行き来するのだから、お互いに、問題を起こさないように手配して、気を遣い、デイトの彼には少女がアドバイス、でも、旨く行かないままに、祭り、浴衣姿、髪を切ってしまう少女、少年の影響か、隕石の雨が降り始める、少年の憂いの思い、気がかりの何かが、先輩の娘と仲間が気遣って、彼の為に共に旅に、少年の描いた海の見える街の絵、少女に取り付いた魂の感じた風景、この風景が気になって、恋した何かが、旅に、そして、辿りつくその絵の街、実は既に隕石で廃墟と成った街、過去の新聞記事、その事件の街なのだ、一人遣ってきた少年、衝撃、死した者たちの名の中に、少女も、死していたのだ、二度と会えない、ならば、あれは、全て、己の幻想、錯覚、夢物語、いや、隕石の落ちた窪みの中に、小さな鳥居の島、少女は祭りのために米を噛んで作った酒を造っていて、妹と共に、祖母から伝えられた酒、祈りの酒、舞いも、糸も、酒も、祈りの中に、過去からの、伝えられてきた祈り、未来に託された思い、その小さな鳥居を見いだして少年は走り寄る、そして、そこから、廃墟から、その備えられた酒を取りだして口にするのだ、時空を越えた世界に招かれていく、過去の少女と再会、廃墟の見下ろす高見で、時空は違えども、感じる二人、娘の住まう世界では未だ街は生きている、その街を救わなくては、少女に託される、未来からの思い、互いに名を、互いの名を、受け止めて、走り出す娘、隕石が落下する前に、友人とそのボーイフレンドに語りかけ、友人には非常放送を学校から街全体に、ボーイフレンドには、彼の父親は土建屋の社長、父親が彼に発破の工事に立ち会えと云っていた、家には爆薬が、彼はその爆薬を奪って破裂させ、危険を知らせて皆を逃がす算段、少女とボーイフレンドは皆に呼びかける、動かない人々、友人の非常放送、娘の父親の村長の怒り、どこからの放送だと、辞めさせろと、友人は捕まってしまう、ボーイフレンドの爆破、それでも、やはり、街を救うには村長の力が必要とボーイフレンド、父親を説得してくれと、走る走る少女、転がって、そのときにも、あの廃墟の高見で出会った少年の名を呼び続ける、が、転がって名を忘れてしまう、君の名は、少年も、少女と別れて、時空を越えて再開した後に、いつの間にか名を忘れてしまう、君の名は、隕石の雨、美しい雨、少年のいつも身につけている糸、この糸は何、実は、少女は、互いに気付く前に、一人東京に、少年を訪ねて、電車の中、満員電車、彼の横に、見つめ合う、判らない少年、恥じらいの少女、そのままに、そのときに、少女の手にしていた織り糸が、降り立つときに舞い上がり、それを手にする少年、何か気に掛かる、理解できないままに手にしてきた、そんな糸、絡まり合う糸、さて、月日が、少年は就職活動、美しい先輩と久しぶりに再会、既に結婚しているらしい、君も幸せになってねと、別れ、冴えない日常が反復されていくのか、街中の通り、すれ違い、見つめ合う、互いに知らない二人、何かの縁か、判らない、それぞれに追いかける、階段で、互いに語りかける、君は、こんな縁、解すことの出来ない縁、見つめ合う、今、現実の若い男女、その二人の、結びつき、これは過去から未来に、繋がり続ける関係、しかし、その関係は日本の田園と都心との結びつきに過ぎないのだろうか、隕石は、世界に降ったのでは無かったか、ならば海の彼方の人々との縁は、神社の縁はそこまで及ばないのか、日本の神社故に、日本の娘は助けた、廃墟から復活させた、ならば、世界の死した少女は、街は、少年よ大志を抱け、そんなちっぽけな心でどうする、待てよ、だが、あの廃墟を日本のどこかと誰が決めた、社が在ったからか、少年と先輩と仲間は国内を旅したからか、でも、少年は時空を越えるのだよ、確かに、あの廃墟は、酒を口にした後に辿りついたのは、パレスチナだった、シリアだった、イラクだった、パキスタンだった、アフガニスタンだった、無差別殺人のアメリカだった、イスラムに破壊されたアフリカの街だった、工場の爆破の中国だった、革命に明け暮れたコロンビアだった、ロシアとウクライナの衝突の街だった、麻薬戦争のメキシコだった、ヒンズーとイスラムの対立するインドだった、多様な対立の在るインドネシアで在りタイで在りフィリピンで在ったのだ、大体に、時空を越えるのだから、過去の事象の全てだったのだ、故に取り敢えずの日本語の文字は消える、名も消える、君とは、故に、わたしとは、遺された少女の手のひらの文字ならぬ印の線、世界なのだ、世界を見ない、君を見る私など、始末してしまえ、

 ⅩⅩⅩⅩⅤ「真夜中からとびうつれ」を観る聴く、
  郊外の廃屋の中、一室で、四角い箱の中に姿を見る、男たち、ボックスの覗き映写機、穴がいくつも開いていて、覗く男たち、自分たちが写っている、覗き見る人々の居る同じ場の中に、この映写ボックスの主体の男、彼が撮影者、監督、なのだろうか、いや、誰かに操られていはしないか、この男もまた、ボックスに閉じ込められたと思ったか、己の立場が不安に成ったか、男たち、私たちは、どこに、男たちにこの監督らしきものは追いかけられて、遁れる監督らしきもの、既に、この追いかけ、追いかけられる、彼ら自体が映画の中に、そこに現れた英雄然とした青いコート姿の娘、いや、その前に、水槽を覗く子ども二人、亀が現れて、これもまた水槽という世界を覗く見る見られる関係、だが、後では、亀が外に遁れ出て、枠から遁れ出て、彷徨い歩く、映画もまた、どこか知らず、映画という空間から飛び出してしまう何かが、何ものかが、まとわりついてある、英雄娘は監督を守れるか、男たちをさばく、格好の良さ、アクション、格闘、そこに、銃が、男らの一人が持つ、銃が、悪役の銃が、狙う、撃たれる銃弾、監督然とした輩は、この娘の影に隠れるのだ、情けない輩だ、銃弾は、娘の胸に、腰を折り、跪く娘、倒れる娘、果たして、娘は、監督の願い、思い、いや、見ている観客の夢、だが、観客はどこに、私たちだ、既に、私たちも、その欲望もこのボックスに招かれていないか、私もまた、あの美しい少女を求めて追いかけて、走り出している、あの廃墟を、ボックスの中を、覗き、撮られ、映され、遁れ出て、彷徨い、もはや、このボックスが無くなっても、こんな関係は続くのだ、その関係の外は無いのだ、見守り続けるフィルム、まさにこの苦悩を捕らえたフィルムが炎上する、今見られている、私たちのフィルムの炎上、だがここで終わらない、ロマンチックに、映画の終わりを告げない、のろのろ彷徨う亀、水槽の外に、私たちの、見る見られる関係も、この劇場の外に向かって、映画館の闇の中から、今、現実に、飛び出せ、だが、現実とは、映画という仕組みの中に、関係の中にしか無いのだから、映画の中の亀のように、のろのろと、それでも、どこまでも、どこまででも、在らぬ外へ、外へと、歩み出せ、絶対の外ならぬ、危うい問いかけの可能性の外に向かって、関係を揺るがす外に向かって、始まれ、始まるしか無いのだ、