ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅧ「追われる男」を見る聴く、
西部の川沿いの一本道、縦に捕らえられた道を、馬上の男が現れる、タイトルバック、歌が流れて、主人公は高見に登り、川岸に、振り返り降りていく、水を汲むのだろうか、川に向かってかがんだ主人公、瞬時に銃を構えて振り返る、そこに一人の若者、背後から近づくなと主人公、西部を知らない若者とも、ここらにはいい人しか居ないと、悪かったと主人公、だが、何処か不審なところも孕んでの出会い、主人公は落ち着きどころを探している、こうして二人の旅が、線路沿い、空高く鷹が、列車が走り来る、若者は鷹を狙って撃つ、腕に自信があるのだと、始まりの出会いでも、早撃ちを語っていた、故に、怪しいのだが、若者が、早撃ち自慢とは、此処では鷹を外す、主人公が一発で仕留めて、列車は銀行の金を運ぶ、以前にも強盗団が、見張り役の二人は、不安顔で、馬上の二人を見詰めていた、また襲われるのではと、そこに銃声が、もはや、逃れられないと、周章てて札束の入った革の袋を二人に投げ出すのだ、拾い上げ、勘違いと知って主人公は返さなくてはと、青年は、この大金で遊んで暮らせると、銃を構える隙に、主人公は袋を青年に投げつける、受け取った青年は銃を構えられずに、この瞬間の見事、裁き、列車を追い掛ける二人、先に街に着いた列車の見張りは、皆に報告、保安官らはライフルを手にして犯人を追う、そこに青年を先にして、現れた主人公ら二人、狙われ撃たれ、捕まって、瀕死の若者、リンチに合う危うい主人公、真実を告げて、撃たれて瀕死の青年は,街の人々の知る若者、見張りの勘違いを暴き、街の者たちを納めて、若者の元、医師は諦め顔、奇跡は起こらないと、それでも,介護する主人公、連れ来られた屋敷には,北欧での親子が、父と娘、美しい娘、親子は知り合いの青年を引き受けたのだ、なんと奇跡は起きて、命を取り留める、が、許せない、片足は満足に動かないのだ、嘆き、怒りの、悲しみの青年、それでも、何とか青年をまともな大人にしたい主人公は、諦めずに、説得、青年も主人公の思いを知ってか、立ち上がり、歩き出し、馬に乗り、主人公は親娘を手伝って、開墾する、過去のある主人公を知りながら、恋する娘、理解する父親、頑固ではあるのだが、青年は立ち直り、街に、主人公と娘は結婚話、そこに街の者たちが現れる、主人公に保安官を期待するのだ、前の保安官は,何処か怪しかった、給料も悪くない、街中で落ち着かない青年を助手にして、仕事を受け入れる、娘は農場で働いて欲しいが、不安だが、主人公に従って、主人公の過去、結婚していて、息子も在ったが、全てを失った、何が在ったかは未だ判らないままに、保安官に成り、助手の青年も落ち着き、娘と父も安心して、いよいよ結婚、そこに強盗が、銀行で金庫の配置図をメモる仲間、下見に来たのだが、行員に犯人のリストを知られて、金を奪い逃げる、これまで何も無く落ち着いていた街中に、衝撃、主人公は犯人を追う、助手の若者に後を託して、一人は捕まっている、主人公は一人、追い、捕まえて戻るのだ、裁判をするのだと、当たり前、だが、連れ戻ると、街の様子がおかしい、灯り、ネオン、音楽、歌い踊る男たち、いつにない祭りの様な騒ぎ、なんと、捕まった犯人はリンチされ、括られているのだ、見詰める主人公のショット、括られた者のシーンはないままに、怒りの主人公は,青年を詰り、酒場に、酔いしれる男たちを追いたてる、何が悪いのだと、検事の前につれて来て,罰金を取るのだ、法に則って,検事もまた、何をとばかり、これまでもきっと、街の男たちは、犯人らと変わらぬ無法を生きてきたのだ、楽しんで来たのだ、北欧出身の親娘は、故に,何処か,街から離れての暮らし、青年もまた,その周辺に生きてきた、過去は判らない、検事は取り立てた金は主人公のものだと、良い稼ぎだなと、主人公はそんな金は要らないと検事に,笑みの検事、困ったものだが、これが西部の現実、強盗団ばかりの問題では無いのだ、街の者たちだって、所詮無法者と変わらない、危うさの中に,国が,西部が、こうして一件は収まり、主人公と娘の恋、結婚話、父の受け止め、理解、かくて今日は、教会に皆が集まって、ミサ、説教の始まり、二人に取っても祝いの日、そこに現れた強盗団、なんと主人公の知り合い、監獄で一緒だったのだと、これには街の者たちも困惑、不審、間違って捕まり、愚かしい刑を受けたのだと主人公、故に、妻も子も失った、過去が明らかに、娘は信じて,ついていくが、犯人たちは銀行を襲い、金を奪い,逃げ去る、皆を集めて追う算段の主人公、だが,街の者たちは、主人公に疑いが、それでも、覚悟を決めて追い掛ける、自信のある主人公、犯人の気持ちが判るのだと、揶揄する街の者たち、犯人らは、インディアンの支配する、岩場の中に,逃げ込んで、街の者たちは、ここからは無理だと、主人公一人が岩場の中に,若者と二人で、二人で野宿、野営、インディアン、不安,青年は語り出す、一味の仲間なのだと、彼が全てを計ったのだと、あんたの息子では無いのだと、息子を失った思いを俺に託すなと、うんざりなのだと、お節介なのだと、主人公は何処まで気付いて居た,あの始まりの川べりの背後から狙われたとき、睨み合い、列車の袋を投げる主人公と後ろで銃を構える若者、保安官事務所を託されてのリンチ、首つり、瀕死の介護をする主人公と,苛立ちの若者、これらのシーンごとに,主人公は、娘は、青年を何処まで知っていた、理解していた、知ったかぶりの大人、自由を求めての己の欲望の若者、大人の理解の彼方に、青年は結局、一攫千金を求めて居た、犯人たち、仲間たちの死体、裏切られたのか、ボスと主人公を置いて立ち去った青年の采配、インディアンに狙われた、果たして、更に追い、廃墟の城跡に、ボスの男と青年の語らい、ボスを仕留め、青年と相対する主人公、早撃ちの若者、未だ、生きていたボスが銃に手を伸ばし、瞬間、若者はボスを撃つ、主人公は知らず、若者を撃ってしまうのだ、やはり,知ったかぶりの、大人は、若者の事を間違う、何時だって若者は判っていながら,やはり、大人の説教に収まりたくなくて、飛び出して仕舞う、奪われた金を手にして、戻ってくる、娘の元に、街の者たちも、この姿には、理解を示すしか、若者は、良くやったと、語るが、本当か、主人公が殺してしまったのだぞ、強盗団ばかりか、町の者たちも、無法の最中に、そして、結局、真っ当な、父親も撃ち殺され、若者も助けられずに殺してしまう、西部を生きるとは、近代を生きるとは、こんな苦悩の事なのだ、ラストはだから、若者は良くやったと、だが,余りに痛々しい、これで、主人公と娘は健やかに、生き延びられるのか,新しい子供を作れるのだろうか、主人公は瀕死の若者を肉体的に、撃たれた若者を奇跡的に助けた、だが、精神的に、助けられなかった、所詮、足を引きずる身障者でしか無い若者として、しかし、苦悩の過去のある主人公を、ラストには、青年が、駄目青年が、結果として助け出したのでは、ならば、助けた青年に依って助け出された、反抗する、若者たちに依って、大人がいかされたのだ、私が、余りに痛ましい私が残った、恋する娘と共に、