SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

SASHIYエイガニッキ

2024-03-17 09:37:13 | 日記

ⅭⅩⅩⅩⅣ「人妻の悶え ザ・不倫」1981を見る聴く、

  駅前のベンチ、座り、泣き続ける女、冬の夜の雑踏の中、娘の顔の前に差し出されるハンカチ、大丈夫ですと娘、不審に思って誘うが、断りの娘、が、サラリーマンの後ろを追って、ともに歩きだす、そして、ホテルの中、抱き合う二人、当てもなく、ホテルに来てしまった、娘は起きだして着替えて、帰りの時間,泊まれはしない、男は今一度会ってほしいと、今度の日曜、昼の二時、主人公は部屋に、若い妻、日常に戻った、いや、どこまでも娘のことが気になって、妻と抱き合って居ても、かくて、日曜、また当てなく、歩き、ホテルに、落ち葉の中歩いて、抱き合って、また先に起きだして、帰り支度、やはり、泊まれはしない、これが最後、しかし、男は、何とか今一度、拒めず、約束する娘、男は独り者と、女は夫が有ると、だが、本当のところは、互いに、判りはしない、かくて、また、日曜、だが、娘は現れないままに、溜らない男、帰りがけに何時もあの始まりの座っていた駅前のベンチが気になって、噴水の横のベンチ、二度と現れない娘、部屋に戻って、耐えられずに、妻を強引に、抱く男、どこまでも、見たされない、男、怒り、悲しみ、そして、酔って、何時も飲むバーの娘とともに、ホテルに、バーの娘は男に惹かれて、まんざらでもないが、男は飲んで飲んで、酔い潰れるままに、ホテルの中、こうした、満たされない毎日の繰り返し、が、しばらくして、またあのベンチに娘が座っている、立ち止まる男、見上げる娘、泣いていないわと、なんで約束の日にこなかったのか、娘には悩みが、夫との関係か、果たして、男は、遠出に誘う、泊りがけで出かけたい、今日のところは泊まれすに、かくて、車を走らせる、待ち合わせの場所で乗りこむ娘、山間の水辺の橋の手前で止めて、車から降り立って歩きだす二人、橋から水面を覗き見る、二人、死、心中、見つめ合う二人、橋を渡り歩き行く二人、二人の新たなる始まり、いや、終わり、男は妻の有ることを語り、娘は今だ学生と、娘は男と妻の二人の買い物姿を見たのだと、街中に、仲の良い二人の夫婦姿、それでも、男は強引に、求めることは出来なかったか、そのままに、家に戻らずに、二人で、どこまでも、何故、駄目男の遊びに終わらせてしまった、、飛べない男、いや、娘も、飛べないままに、別れ、名前も知らないままに、何時もの日曜、妻との語らい、新聞を読む男、久しぶりに出かけようかと男、新聞記事に心中の記事、大学教師と女性の心中、まさか、そこに電話が、警察から、ニュースを賑わしている、心中の娘の荷物の中から、貴方の名刺が見つかったと、戯れに語った男の言葉が書かれた名刺、茫然として、受話器を降ろし、受話器の先では、警察の者が、執拗に問い掛けるままに、なんで、俺ではいけなかったのだ、何で、私たち二人ではいけなかったのだ、残されて、何を思いこむ、初めから、そこまでの覚悟など無かったのだろうに、所詮戯れもの、お調子者でしかないのだよ、死ねなかったのに、終わってしまっていないか、妻だって、察していないか、さあ妻と二人、どこに、いや、一人、駅前のベンチで泣きますか、

 

 

 

 

 


SASHIYエイガニッキ

2024-03-17 08:52:39 | 日記

ⅭⅩⅩⅩⅢ「変態家族 兄貴の嫁さん」1984を見る聴く、

  新東宝のロゴの前に、富士山の姿、まさに松竹の富士、そして、その後に新東宝のロゴが、始まりから、遊び心で、しかし、しっかり小津映画の批評となり得ていて、東京タワーのショットの繋ぎから、東京での、一家族の物語、赤いタワーと青い空、通り、路地、歩く人々、部屋の中、父と娘と弟が、見上げている、上に何が、二階の部屋、新婚の妻が、正座して、頭を下げて、ご挨拶、そして兄の待つ布団の中に、かくて、二人の交わりの始まり、結婚した、兄と妻、これが、新今後の毎日のことなのだろうか、様子を見つめる父と弟と妹、見えないながらも、皆は二人を見守っている、だが、この視線は、果たして同じ思いの中に在るのだろうか、小津の映画の並んで同方向を見つめるー視線の同居の安定から遠く離れて、嫉妬、不安、疑問、安心が入り乱れて、弟は、どこか義理の姉に惹かれて、また、実の姉にも、欲望の視線、娘はまた兄に惹かれていなかったか、かく見上げたままに、父は出かけると、弟と妹は理解している、この家族には、既に母は無く、父はいつも母を求めて盛り場に、彼もまた、欲望の中に、兄の妻に、惹かれるものが有るのではなかったか、盛り場、ネオンが、文字が横倒しで取り付けてある、店の中、美しい女将、父は母にそっくりと、子供たちに語っているのだ、何時もの語らい、そして、飲み、カウンターに俯せて、寝てしまう父、この後は、全てが寝てしまった父の、夢世界とも、屋敷では、妹が、股を開いて二階をあい変わらす伺っている、その姉の白い下着の股間を見つめる弟、知った姉は股を閉じて、弟の視線を交わして、しかし、わざと見せつけていなかったか、二階の高まる二人の世界、父は酔って戻り、弟が介抱、水を持ち、体を大切にしろよと、労りの言葉、ああ、ああと、返事する父、速く寝ろよと弟、またしてもああと父、日差しの中、庭を見つめて座る父、通りすがりのいつものカップル、新婚なのだろうか、横を振り向き、父を見つめゆっくり挨拶、お辞儀、父もまた、返して挨拶のお辞儀、嫁が洗濯物を片付けている、いつも父は、嫁が母に似ているとばかり、その晩に、兄が戻り、母に似ていると聞かされて、兄は、父は誰もが似ていると言うのだと、困惑顔の嫁、その晩、またセックスの二人、妹は座ってまっすぐ前を見ている、己の部屋で、二人をまたうかがっているか、弟も、父も、同じように、正面を向いて、伺っている、そうした三人の座る姿のショットが、兄と嫁の二人のセックスの最中に挿入されて、朝、何時ものカップル、おなかの大きな妻、時が過ぎ、カップルには子供が出来た、同じように、横を向き、ご挨拶、答える父、川縁の父と嫁、嫁が来て、安堵の父なのだろうか、父と弟、釣り姿、釣り竿ばかりが残されて、嫁と作られた握り飯を、同じ手の動き腕の動きで、食べる、父と弟、全ては、和解の世界の様で、兄と妻のセックス、いつになく、兄は妻を縛り付けてのセックス、何か変化が起こったか、妹は仕事に出ていく、路地から、路地、果たして、仕事場はどこなのだろうか、今日も戻った兄、二人のセックス、着替える前に、シャツの中に血が、慌てて裸にして、夫の傷を見つめ舐める嫁、一体何が、何も語らない兄、こうした二人の、不気味なセックス、そして、妹の仕事場、兄が店に現れて、笑み、向かいには、初めての客が兄とは、と、妹が、風俗店の娘の姿で、挨拶、そして、するしない、どっちでもと妹の軽いのり、娘は父に語る、私が悪かったのだと、実は兄を連れて行ったのだと、あの母似の女将の店、兄の同僚たちとともに、結婚式帰りの黒づくめの男たち、カウンターでおかみに紹介、そうかと父、以来、兄は、女将に母を見たか、単に美貌に、体に惹かれたか、店に通い詰め、次第に、二階の二人の間に、ずれが、兄に変容、あの血の流れもまた、その一環、女将との交わりの血、3人で見守る、ショットは消えて、嫁を心配する父、弟は、二人に刺激されたか、風俗店の雑誌を万引きして捕まって、義理の姉に引き取りに来てもらった、踏切の白いマスク姿の義理の姉、閉じた踏切、赤信号機の点滅、点燈、危ない、危ない、弟に語り掛ける義理の姉、2度とこんなことはしないでと、なんでやったのと、スカッとしたかったと弟、見つめる義理の姉は、ならばスカッとしましょうと、シャツを脱ぎ、胸を露わに、今度だけよと、義理の姉もまた、スカッとしたかったのでは、兄は、女将の店に、そして、二人残っての、秘密の部屋、縛られて、兄は、サディスティックな下着姿の女将に、鞭打たれるのだ、悶え喜ぶ兄、縛られ吊るされた喜びの兄の背、足、悶える姿、これまた喜びの女将の鞭うち、こうして、兄は戻らず、店のカウンターの中の兄とおかみ、並んで佇み正面を見つめる二人、妹は風俗勤め、妹と上司の結婚式に招かれて、3人は知る、黒づくめの姿での川縁の結婚式後の3人、妹と上司、つまりは、働く風俗の支配人、3人の驚き、理解、若くなかったと、父よりも年取って見えたと、禿げていたと、弟は、一人で勉強すると屋敷を去っていく、残された二人、嫁は、父に、実家に帰りますと語っていたが、こうして皆が去っては、父を一人残せない、何時もの父の庭前の姿、何時ものカップルには、子供が生まれた、横向いてご挨拶、父の挨拶、かくて、娘は去らずにいまだこの屋敷に、父は、実家のあなたの父もまた、一人ではと、心配に成らないかと、だが、実家の父の言葉、嫁としての仕事を果たしなさいと、この嫁の言葉を、同時に、なんと、父もまた、語るのだ、同世代の老人の同じ思いなのだろうか、一人部屋を掃除する嫁、そこに、あの夫に縛られた時のビニールひもが部屋の隅に、このひもに過去を想って兄を想って纏わり付き悶える嫁、兄を忘れられないか、拾った時の立ち姿のまま、胸をはだけ、胸を紐で擦り、横に成り、股間にまでもこすりつけ戯れる、庭に見える、灯籠、隣の部屋の父、やはり、庭には灯籠が見える、これは父の妻なのではないか、父は、隣の部屋の悶える嫁を見ている、壁越しに、嫁は嫁で、父の妻の前で、嫁として、兄を待つ、もだえながら、かくて、家を守るようでいて、この二人もまた、求め合っていないか、二人が同時に語る、実家の父の言葉の説得とは裏腹に、実は、このひももまた、嫁が、己で下の部屋に、かくしおいたものではないか、隣の部屋の父を。居るのを承知で、誘っていないか、この東京は、なんとも危ういバランスの家族の中に、母さん、いい嫁だと父の言葉、このラストの言葉の、欲望、あまりに危うい、切ない、二人、いや、家族、皆が、ともに、危うさの中に、危うい快楽の中に、ハラハラ危ない家族達、ハラハラ危ないわたし、たち、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


SASHIY エイガニッキ

2024-03-03 17:06:13 | 日記

ⅭⅩⅩⅩⅡ「マダムと女房」を見る聴く、
  郊外の漸くに住宅が建ち始めた地域、今だ田園が残り、この丘に面した、場所、その下側から、田園と高台の住宅地を捕える、カメラ、パンして、そのあぜ道後の通りを、チンドン屋が行く、こうして、音の始まり、通りの下では、新築のお屋敷を見上げる位置で、絵描きが、絵を描いている、まんざらでもない様子、そこに一人の男が現れて、劇作家なのだ、絵描きと作家、芸術家同士、絵描きのキャンパスの前に立ちはだかり、屋敷を見つめる劇作家、邪魔だとばかり、何していると苛立ちの絵描き、静かでいいなとばかりの劇作家の言葉、何がいいのだと、屋敷か絵かと絵描き、劇作家は絵を覗き、判った風な、気取った姿、溜らず、判りもしない三文文士と、詰る、馬鹿なと、これでも、そこそこの劇作家であるとの自覚の男は、名刺を取りだして絵に貼り付ける、己の絵を侮辱されて、しかも、絵の具を泥土のごとくに言われて、怒りの絵描きは、劇作家の顔に、フランス製の絵の具だと、パレットで顔に擦り付けて、かくて、劇作家の顔からは、絵の具が流れ落ち、サーカスの道化のごとく、劇作家は、そのパレットを、草原に投げ捨てる、キャンパスの絵は転がり落ち、投げ捨てられた、パレットを、求めて、二人は、草原の中、追っかけて、取っ組み合いは続き、劇作家は、逃れて、風呂やの女風呂の中に、叫び声、慌てて外にとび出した劇作家、そこに待つ、絵描きと改めて取っ組み合い、風呂やから、現れた美貌のマダムに、窘められて、恥ずかしわと、およしなさいと、ゆとりの、近代夫人に叱られて、彼女は緩やかな坂道を、着物姿で、気取った後姿を見せて立ち去っていく、見送る二人、これには、参った、笑みの二人、この諍いの前に、気に入ったのならば、あの空き家を買えと、確かに、白いお屋敷の横には、空きやの札が、なるほどと、見つめていた劇作家、去っていく女には、劇作家は、あなたは、まずは風呂に入りなさいと、男湯よと、笑みの二人は、互いに見つめ合うばかり、参った参った、トラックのクラクション、絵をタイヤで踏みつけてしまって、どうするのだ、車で轢いてしまうぞと、運転手、かくて、この空き家に引っ越してきた劇作家一家、妻と幼い子供二人、引っ越しの手伝いの仲間たち、疲れ果て、そろそろそばの時間だとばかり、妻はお蕎麦の用意が出来て、食べてくださいと、呼ばれて、食事して、深夜、困惑の妻、火鉢の前で、時計を見ると既に深夜、なんと引っ越しの手伝いの仲間たちと夫は、麻雀に、面白く無い妻、夫を隣の部屋に連れ出して、早く帰ってもらってと妻、だが、せっかく手伝いに来てもらったのに、追い返せないと夫、妻は、夫に早く仕事にとりかかってほしいのだ、火鉢の中から、コインを取りだしたばかり、生活費が、危ないのだ、妻に急かされて、そんなに金がないのかと、妻の財布、在るじゃないかと、ばかな、これは生活費、引っ越しの最中に、机の前に張られた、懸賞金の仕事を妻は、さっさと仕上げてもらいたいのだ、客を追い返して、察したか、仲間たちが帰っていく、急に笑みの甘い声を出しして、もうお帰りとばかりの妻、お調子者の妻、子供を寝かせながら、妻も横になって、夫には、直ぐに仕事よとばかり、だが何も書けないままに、そこにネズミの蠢く音、天井裏、苛立ち、猫の鳴き声の夫、煩いわねと妻、すると、こんどは、夫の猫の声に反応したか、窓の外に、本当の猫の鳴き声、これまたうるさくて、タバコの缶を投げつけて、やっと静まった、すると赤ん坊が、泣きだした、煩くて、泣かせるなと夫、しかも、今度は、姉娘が、おしっこと、妻は夫を呼ぶ、なんで俺がと夫、夫がやってきて抱くと、姉娘は、母ちゃんがいいと、何をぐずぐずしているとばかりの妻の顔、溜らない夫、おしっこを済ませて、寝かしつける夫、寝てしまっている妻、俺だって眠いと寝てしまう作家、あくる日、目覚まし時計、いつまでも起きない夫、姉娘が、父親の前で、時計で、起きろとばかり、いたずら、甲斐甲斐しく、朝の用意の妻、やっと起きだす劇作家、寝坊助と、からかう娘、かくて、また、机の前に座り、なにも書けないままに、そこに、押し売りが、何とも、人相の悪い男が、妻は困惑して、夫を呼ぶ、巧みに売り物を取しだして、語りかける押し売り、買う気のない夫は、無視しているが、押し売りが、劇作家の仕事を褒めて、まるで大作家のごとく、おだてられて、手にした品を買うことに、妻に、お金と手を差し出して、怪訝な顔の妻、全く、駄目な夫、こうして、旨くまるめこまれて、買ってしまう、夫、しかも、机の前で、何所か煽てられていい気分の夫、さて、仕事は、相変わらずに、捗らず、原稿は、書いてはまるめ、買いてはまるめの繰り返し、すると隣の屋敷から、音楽が、ジャズが、妻に行って来いと、収めて来いと、自分で、あなたが、行ってらしてと、煩いばかり、これでは仕事に成らないと、困り果て、外に出て、隣のお屋敷に、マダムが現われて、誘われて、お屋敷では、大広間で、パーティーが、着飾った、派手な人々、バンドと、音楽と、踊る人々、西洋人の美しい娘までも、劇作家は、一人着物姿で、踊にまでも、誘われ、ソファに、くつろいで、屋敷の夫人と語らう作家、いつまでも戻らない、夫に、苛立ちの妻、窓から覗くと、向かいのお屋敷の窓が見えて、そこでは、くつろいで座って夫人と語らう夫の姿が、怒り、睨み、嫉妬、ルビッチぇだ、ヒッチコックだ、見えてしまった様子に、何を見る、音楽、ダンス、マダムの歌、陽気に、西洋かぶれの近代人のお屋敷、マダムの世界、叱りつけるはずが、いい様にあしらわれて、笑みで、玄関先で、飲み物を飲み干して、酔ったままに、もどってくる夫、妻は何しに行ったのだと、ご機嫌で、机の前、相変わらずに、高なる音楽、しかし、今や、笑みで聞き入るばかりの呑気な劇作家、苛立たしくて、ならばとミシンを掛ける妻、その音には、溜らず、何をしてると夫、二人の、何をしても、空回りの、世界、が、それでも、締め切りに間に合ったか、文字で語られる、その後、無事に、仕事は成って、この郊外の丘下を、歩く家族、夫と妻と子供らと、高みの場所では、新しい建築の始まり、えんやこーら、掛け声の人たち、姉娘が真似て、よいこら、えんやこら、夫も一緒に、その様子を見ている働き手、妻は、みっともないと窘めて、近代化は、進み、スピードの時代、屋敷でマダムが歌う歌は、スピード、スピードと、今時が歌われるのだ、するとまた少女がおしっこと、判ったと夫、妻は、外では恥ずかしいと、家まで我慢と、でも出るものは仕方ないと夫、ならば私がしますと妻、そこに、飛行機が、飛んできた、少女は走り出し、おしっこはどうした、見上げる家族、これまた、近代化の夢世界、乗るのならば一緒だと夫、落ちるのもまた一緒、御屋敷からだろうか、あおぞらー、あーおそら、と、歌が聞こえてくる、仕事も成って、余裕の家族の歩み、おしっこも収まったか、226の年の映画、先日観た墨東奇譚もまた、小説は226の年、西洋のスピードスピードに絆されて、わたしたちの、我慢、我慢、コロナ禍の後、震災の後、復興支援を夢見て、我慢我慢、劇作家の、絵描きの、一獲千金、隣の西洋マダムの世界を夢見ての、夫が屋敷から戻る前の、一人、田中絹代のきんらんどんすのおびしめながらと口ずさまれる歌、西洋音楽に対しての日本の歌、なぜなくのーでしょ、そして、負けじとミシン掛け、ラストは、劇作家の仕事は目出度く解決してのハッピーエンドに見えますが、あの遠景の中、力仕事の人々、顔の見えない働きて、妻の語る、みっともない、だから、あなーたーと呼ばれ、隣ではスピードスピードと歌われ、その最中に、なぜなくのーでしょ、我慢我慢、みっともない、これが、トーキーの始まりの、日本の映画の、この時代の音、声なのです、そして100年近くが過ぎた今、私たちの背中には、相変わらずに、我慢、我慢、なぜなくのでしょ、みっともない、が、張り付いてはいませんか、暢気な、家族の背中を安易に笑みで見送ってすましていませんか、彼らは、戦争世界に歩み始めたのだから、私たちもまた、