SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

エイガニッキ SASHIY

2013-02-17 11:52:21 | 日記

Ⅰ 映画を見て、なにやら語るときに、いつも、どこか、「メカスの映画日記」の思い出が、漂っていて、昔に読んだままに、読み返しても居ないのだが、前衛映画も、ハリウッド映画も、日本の映画も、映画ならぬ日常も、惹かれるままに、差別無く、見られ、語られて、居ることの愉しさ、喜ばしさ、昨年に「メカス×ゲリン 往復書簡」が公開されたが、このメカスの映画の素晴らしさ、私映画、己自身が撮られ、家族が撮られ、スタジオが、路地が、窓から見える風景が、町が、花が、仲間たちが、散歩の様子が、そして、その光と闇と色彩が、また、なによりも、彼の笑いが、ハッハッハッと、響き渡る、事荒げて何かを主張はしない、だが、決して、何ものにも、収まり付かない、間、愚かしい編集で纏めてしまわない、自由、日々映画を見ながら、知らず、捕らわれて、何かを主張したくなる、私、それも良い、時には、元気出して、反抗しなくては、反対しなくてはなるまい、そんな私、しかし、同時に、いつも、どこかに、そればかりでは、だめなのだと、覚悟を決める、ハッハッハッ、これを諦観としてしまって、見て、聞いて、居るばかりではなにも動かないから、私も、声を荒げよう、映画を荒げよう、如何に、どうやって、判らない、が、個々の場で、個々の力で、そして、また、ハッハッハッ、こんな危うい、曖昧な、それでも、求めて、何を、何ものかを、こんな覚悟の元に、今までも、これからも、気の付くままに、メモ書きを続けて、在る、居る、どこまでも、どこまででも、その始まり、そんな始まり、


Ⅱ 「男になったら」エルンスト・ルビッチェ を見る、聞く、
 庭でブドウを摘む娘、元気娘、中庭でトランプしながら、タバコを吹かす、二階の窓から見つめる夫人、若い娘のすることかと、ご主人を連れてくる、客の青年たちは去る、夫人は娘を叱りつける、タバコなど吹かしてと、それでいて娘の置いていったタバコを吹かし笑みの夫人、滑稽、部屋の中で今度は酒をあおる娘、ご主人が叱る、堪らず、飛び出していく、ご主人が残された酒を飲み、笑み、これまた滑稽、元気娘は収まることを知らずに、舞い踊るかの如く、部屋を行き交う、窓の外の通りには若い青年たちが喝采、彼らに果物を窓から投げ与える、口で捉えようと青年たちは競い合う、またしてもご主人の出現に青年たちは去る、女に生まれて損したとばかりの娘、だが、叔父は仕事で出かけることに、留守に、残された夫人は娘の面倒を見るための雇われ人だった、云うことをきかない娘に新しい家庭教師が、なんと美青年、どこか恋してしまう娘、でも、彼女のきかん気は如何とも、でも、この家庭教師に見事にあしらわれて、堪らない娘は仕立屋さんに、男ものの服をあつらえるのだ、店の青年たちは彼女の寸法を測りに殺到、それぞれに違う場所を計って、出来上がった衣装、着替えて、外に、窮屈な服、踊りの場では、娘たちに言いよられて、人気者、そんな最中に、家庭教師を見つけ出す、彼女とデイトの最中に、嫉妬の娘は、男の格好だから、相手を誘って手を振る、怒りの家庭教師は元気娘の前に詰め寄る、が、振り返ると連れの娘は既に他の男と仲良くやっている、これが現実、残された二人は飲み始める、どこまでも、何時までも、酔っぱらって、帰り、意識もままならぬ、顔と顔が近寄って、なんと、抱擁、どちらから誘った、家庭教師か、娘か、ホモセクシャル、男同士、この誘い、不気味、過激、乗ってしまう家庭教師、乗せてしまう娘、馬車の中、またしてもキス、御者は名刺から、二人を送るが、それぞれの屋敷を間違ってしまう、何時までも起きない娘を起こそうと夫人、寝ているのは家庭教師、堪らずに家庭教師の許に連絡、直ぐにと、起こされたのは男の格好の元気娘、なぜにここにとばかり、かくて、己の屋敷に向かう、夫人に起こされて目覚めた家庭教師の戦き、直ぐに着替えて、現れた夫人、直ぐに駆けつけた家庭教師の姿に安堵とも、元気娘も戻り、男の衣装のままに髪をくしけずる、そこに家庭教師、びっくり、昨日の青年はこの娘だったとは、まんまとしてやられた、キスのことまで持ち出されて、なにも云えない、私の云うことを聞くかとばかり、受け入れるしかない家庭教師、二人は抱擁する、家庭教師の恋人を追い放し、誘い、酒を飲み、誘惑、成り代わり、全ては元気娘の段取り、元気娘ではどこにも行けなかった、男になって、自由に彷徨い歩き、男もまた窮屈だが、それでも、蠢いて、家庭教師に近づいて、連れだって、しかし、この元気娘の元気は凄いが、夫人だって、どこまで、判っている、判っていない、彼女だってタバコを吹かし笑みしているのだから、知って見ぬふりとも、叔父だって、判って出かけたとも、家庭教師も、知って、ベッドで髪にリボンまで付けて、今度は彼が女に成り代わり、立場も、在処も、入れ替わり、自由に、元気出して、彷徨い歩かないか、馬鹿なお説教の彼方に、押しつけがましい、規則の彼方に、素晴らしいです、全てが娘の采配とは限らない、周りの者たちは、知って、自由にさせて居るとも云えないか、ならば、自由とはどこに、誰の手に、この元気はどこに、どこから、遊び人の家庭教師の狙いから、娘を男に仕立てるのも、彼の思惑から発したかも、彼の抑圧から、逃れるべく元気娘は男に、この男装の娘が現れるのを待っていた家庭教師は女と連れだって見せつける、かくて、元気娘は男の手に落ちた、危うい、あまりに危うい、過激、青年に仕立てて己のものに、一体誰の采配、判らない、監督、確かに、でも、監督だって、確定は出来まい、不気味だね、さすがに、ならば、私だって、成り代わろう、何に、誰に、アメリカ人に、中国人に、北鮮の人に、アラブテロリストに、インドの暴力男性に、かくて、日本人ばかりでなく、それぞれの在処が壊れ果てないか、それは、たわいない夢さ、でも、夢見る自由の中に、中から、