SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

エイガニッキ SASHIY

2013-06-01 11:15:47 | 日記
Ⅴ「アルバート氏の人生」を見る、聞く、  
 男として生きるしかない悲しみ、痛み、貧しさ、エイガニッキⅠのルビッチェの男に成り代わり、元気に生きる力は無い、ホテル、ボーイ、客、女将、メイド、甲斐甲斐しく働く人々、傲慢な客、他のホテルでは一人の若者が、荷を落として客に叱られて、直ぐに首にと云われて、主人は首に、彷徨い歩く青年、主人公のホテルに、ボイラーが故障して修理人を頼んでいた女将、そこに知らずに若者が、あなたが修理人かと問われて、ハイと、そのままに修理に、でも、技術など無い、生きるためには、なんでも、強引にハンマーで叩いて直してしまう、偶然、それでも、女将の歓び、かくて、若者が必要とこのホテルの雇われ人に、年増のメイドは医師と関係が、何も知らない女将はこの医師に惹かれている、若いメイドの二人は、客の青年貴族に憧れる、これも又、アイルランドの近代の現実、そこに現れた若い雇われ人は直ぐに、若い美しいメイドと恋に、塗装職人が遣ってきた、女将は部屋が余っていないから、主人公の部屋に寝て貰うと、困惑の主人公、己は女、しかも、今まで貯めた大金が床下に隠されている、それでも受け入れるしかない、深夜に部屋に戻って、ベッドの横に、だが、塗装職人のシラミが、体中が痒い、起き出した主人公、塗装職人も目を覚まして、主人公の真実を知る、女であることの、困惑の主人公、仕事を失いたくない、判ったと職人、俺は眠りたいのだと、何も言わないと、翌日職人は仕事に、彼に気を遣う主人公、張れないように、大丈夫だと職人、実は彼もまた女性なのだ、大きな胸を見せて納得させる、戦きの主人公、しかも、彼は結婚までしている、理解できない世界,男に成り代わった女でも結婚も出来る、仕事も出来る、生活も出来る、でも、どうやって、判らないままに、彼を訪う、妻が、食事が、主人公は彼から過去を聞かされる、そして、己の過去も語る、孤独な過去、男たちに弄ばれて、以来、男として、仕事を得て、そのままに、生きてきた、今、貯めた金で店を持ちたいのだ、だが、一人では、彼の様に妻を持って暮らしたい、でも、その関係が判らない、理解できない、結婚してから真実を告げるのか、真実を告げて結婚を求めるのだろうか、肉体の関係を理解できないのだ、街ではチフスが、宿の客も離れていく、メイドの一人が死したのだ、女将は困惑、遣っていけない、主人公も病、だが、癒えて、元の姿に、塗装職人を訪う、彼の妻の死、二人して女装で外に、晴れて走る走る主人公、娘姿で、が、どこか悲しい、主人公は彼と共に暮らそうと、彼は妻が絶対だったのだと、この語りの後の、ベッドのショット、二人の肉体の関係、このことの意味が未だ理解できない主人公、彼は主人公に語る、あの若い娘が君の全てなのだと、求めよと、若い美しいメイドへの恋、付き合って欲しいと、娘は若者に誑かされて、モノを買って貰えと、金を貰えと、その金でアメリカに二人で行けるのだと、青年との恋故に、主人公にモノを強請り、主人公は知っていても、最後には彼女は己の元に来るのだと決意して、店を見せる、理解できない娘、しかも娘は妊娠してしまっている、娘は捨てられると思いながらも、付き従うばかり、傲慢な青年、娘をなぶる、怒りの主人公は遂に青年に飛びかかる、突き倒されて頭を打つ、皆に止められて青年は一人去る、娘を捨てて去る、主人公は部屋で死する、女将が部屋に、手帳から、金の在処を知る、かくて、大金が、ホテルを立ち直らせる、子供を産んだ娘、赤ん坊を施設に、女将は娘をあくまで働かせる段取り、金を払わずに、そんな条件で産んだのだ、塗装職人にもホテルの塗り直しを願って、遣ってきた塗装職人、理解する、主人公の事も、娘のことも、そして、娘に語りかける、俺が何とかすると、この固い決意、ロマン、だが待てよ、初めから、彼が狙っていたのではないか、塗装職人をどこまで信用して良いのだ、彼は娘をホテルの花と呼んでいたのだし、青年に子供まで作らせて、主人公を遣い、アメリカ行きを止まらせ、不能の主人公を越えて、今、娘を己の手の中に、折良く、妻も病で死した、全ては、彼の狙い通りではないのか、危うい娘、赤ん坊、アメリカと云う怪しげな希望とホテルの女将と雇われ人と客とそして塗装職人という多様なアイルランドの金持ちと貧乏人と、そして、男と女と女との関わり中、娘と赤ん坊はどこに、誰が労る、いや、何を求める、彼女自体が、娘は青年に主人公に職人に魅入られるばかり、どこまでも受動的、女将に利用されて、彼女の側からの突出は、未だ、彼女の主体は、この力が無ければ、また世間に振り回されて、主人公の様な、反復をしでかさないか、危機です、塗装職人に魅入られる希望ではなく、己の側からの主体としての意志が見いだされなければ、アルバート氏の人生を知るのは、誰、この知った痛みから、近代が、いや、改めて、この近代を見直さなくては、今まで、アルバート氏の人生を皆が知らないのだから、主人公の夢が、儚いです、小さな店が持ちたかったのです、妻が、しかし、ホテルの己の部屋で死するしかない悲しみです、男として生きるも、その肉体の歓び、関係を見いだせないままに、こうして見ると、ルビッチェの過激さが、良く理解できる、彼の映画には、男だとか、女だとか、そんな愚かしいこだわりなど遠く離れてしまっている、成りたい者に、成り変わるのだ、ルビッチェから見直せ、映画史とは、こんな多様な重なりを見直し続ける事なのだ、