SASHIY エイガニッキ

メモ書きです、遊び心です、それでも、力です、どこにも、どちらにも、収まりつかない、思いです、可能性です、

SASHIY エイガニッキ

2019-02-23 08:02:46 | 日記
ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅢ 「Blanche」1972を観る聴く、
  緑の山間の中の城、白い城、中世の音楽、裸のお姫様、お后、風呂から上がって、着飾って、宝石を顔に、頭に、美しい、これは、城に、宝石に囲われた、お姫様、檻の中の白い鳥、宴、集まってくる人々、城の主、妃である始まりの娘、主である夫と妃のキス、息子、高音の青年の歌声、演奏、リズム、ダンス、素晴らしい、色彩、空間、広間、壁が四角に開かれて、絵画の中の人物の如くに、覗く、覗かれる、映画と云う装置でも在るのでは、語らう若者たち、視線、切り返しの無いショット、そして、突き放したような、外の風景、城の外、牛が城の前を過ぎっていく、いつもの、田園風景、城の中から遠く離れて、農夫、昼の中、この城のショットが、闇の中、陽射しの中、城の内側のドラマに挿入されて、城に遣ってくる、王、使用人、主の妃に、惹かれる王、皆がこの美貌の娘を恋するのだ、なんといっても、主の若い息子こそが、母である、妃に恋して、妃もまた、林の中、小さな橋を渡って、娘の長いスカート故に、小刻みな歩みが可愛いのだ、そして、スタイルを強調した衣装、美しい、妃である娘と息子、深夜、王と使用人の若者、猿、何処にでも、神出鬼没、白い鳥と猿、王もまた、恋して夜のお忍が、王らの思惑を知ってか、待ち構える息子、息子の剣に手を斬られて、周章てて逃げ去る、王の後を追った使用人の若者も、知って走る走る、逃げる逃げる、寝床に、王が怪我して戻り、若者は、己の仕業に仕立てて、手を斬る、身代わりなのだ、これには王も感心、感動、抱き留めるのだ、笑みの若者、信頼された、信用された、若者は、何処にでも、現れ、妃を求める、困惑する妃、あの小さな橋でも、現れて、強引に、息子が出来ない、キスをする、妃を抱き留める、林の中を逃げ去る妃、城の中、お忍びの若者、飛び降り、走り去り、王は遣いの若者に命ずる、若者は馬を走らせて、林の中を疾駆、鎧を着て、待ち構える息子、決闘だ、だが、呆気ない、若者には全く叶わないのだ、倒されて、剣を突きつけられて、降参、城の中、あらためて、息子は、若者に挑む、が、あっさり楯を顔から下げ、一発で、若者に顔を剣で打たれて仕舞う、死、さて、この若者の仕業を知った城の主、妃の夫は、若者を部屋の中に閉じ込めてしまう、扉にレンガを積んで、生き埋めにするのだ、逃がさない、王らが去り、暫くして、壁を打ち割り中に、倒れている若者、連れだして、水をかけると、息を吹き返す、息子は自殺だと、わざとだと、果たして、妃である娘も項垂れて、風呂場だろうか、腕をだらりと、これもまた自死、若者は、獄門に、足を縛られて、綱に繋がれて、馬は林の中を疾走する、引きづられるままに、何処までも、生き延びられるはずも無かろう、一人、瀕死の城の主、そこに黄金の被り物の王が現れる、既に死している主、こうして、囲われた白い鳥の恋たちは、何も成就しない、主と妃の恋、妃と息子の恋、若者と妃の恋、王の恋、美しい、白い城、緑の山間、この自然の中の白い城の中の、悲劇、喜劇、白い城もまた白い鳩同様に檻の中に囲われてあるのか、その外では、いつもの民が、いつもの生活を、いや、こんな民の中でもまた、こんな愚かしい、城の中と同様な血まみれの恋が、行われているのだろうか、しかし、そんなドラマよりも、アップの素晴らしさ、娘のアップの表情、目の蠢き、何処か、囚われの白い鳥なのだが、求めて居る、求められて笑みで笑っている、欲望、誰に対する、夫に対する、息子に対する、王に対する、若者対する、単なる、受け身の女では無いのだ、この僅かの間に、女の喜びが、叫びが、情熱が、現れて、あの小走りの歩みだって、困っているのか、楽しんでいるのか、手をふりふり、腰をふりふり、息子のアップは苦悩に歪み、お猿の自由さの王の使用人の若者の笑み、そして、主の表情、全てを知っての老いた、既に、若くない、そんな老人の切なさがにじみ出て、素晴らしい、しわくちゃな顔、そこに、この主の全てが、まさに肖像画、ラストの王のアップ、これもまた、見事に、何も出来なかった王、全ては見せ付けられたばかり、恋と闘いとから遠く突き放されてしまって在るばかり、これら肖像画としてのショットは、切り返して誰かが見詰めるというのでも無いのだ、ドラマの内に、ドラマの外に、私たちに、突きつけられ、放り投げられてあるのだ、王同様に、私たちに、これらを受け止めて、さて、抱え込んで、さあ、何処に、如何に、在ってしまう、権力の関わりを、誰もが越えられはしないままに、わたしは歩き出す、あの林の中だろうか、城の下の、脇道だろうか、東京の雑踏の中でしか無い、中世とは違った権力の最中に、
 
 

SASHIY エイガニッキ

2019-02-03 07:45:26 | 日記
ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅡ「ファントム・スレッド」  過去を語るのか、娘、聞き手は誰、このシーンが何度か挿入されて、売れっ子のデザイナー、既に若くは無く、朝、屋敷の、工房のオープン、使用人、そして、姉、甲斐甲斐しく働く姉、デザイナーの主人公が見事に姿、衣装を整える、髪、顔、下着、シャツ、ズボン、靴、全て整って、朝食、若い妻、彼女の作った料理、胃にもたれるものは食べないと云ってあるだろうと主人公、初めて聴いたとばかりの妻、そこに姉、なんで、今更に、知らされていない、主人公は食事中も、己の世界に没頭、音にも敏感、全てが己の采配の中に無いと許せない主人公、姉は彼女は可愛いけれども、潮時と、店の前に待つ夫人たち、労働者、裁縫のプロたち、屋敷の中に、仕事の始まり、待ち構える主人公、そこに貴婦人が、待ち望んだ衣装の出来上がり、着せ付けられて、見事に、背中の肉を締めて、まさにこの肉の弛みこそ、年齢、華麗さ、貴族を露わに示して、それを納める衣装、宴の為の衣装、会場を歩く貴婦人、連れ添う夫、颯爽と振る舞っての宴、疾走する車、フロント、風景の美しさ、音楽、郊外のレストランの横に止まる車、主人公の朝食、そこにウェイトレスの娘、美しい娘、だが、躓いて、周章てる娘、少し間が抜けて、主人公の視線、笑み、そして、この娘がオーダーを受けに、主人公の注文、センスの良い注文、笑みの娘、この対応に主人公も笑み、覚えたろうと、オーダーの用紙を千切り取って、貰い受けるのだ、運ばれる料理、話があると主人公、食事しようと、直ぐにメモ用紙を差しだす、己の連絡先を差しだす、娘の段取りの良さ、かくてディナー、通りに待つ娘、車が、二人で出掛けるレストラン、食事、娘の衣装、二人は車に、そのままに主人公の屋敷に、仕事場に、主人公のアイデア、裸にして、娘をモデルにして、デザインの始まり、主人公は今までも、こうして、美貌の娘を街中に見いだし、モデルに仕立てて、衣装を考案してきたのでは無いか、貴婦人ばかりでは、思い浮かばない、結婚衣装を中心にして、客の中には傲慢な客、華麗から遠く離れた伯母さんたちも、ビジネス、金、店を運営するためには、彼等にも衣装を作らなくては、時代は、貴族お抱えのデザイナーから、王宮のデザイナーから、ビジネスのデザイナー、ブルジョアのデザイナー、だから、貴族たちがデザイナーの屋敷に、工房に、出向いてくるのだ、王女までも、かくて、若い娘は、屋敷の中に、いつものことなのだろう、姉は理解する、花嫁衣装を作ることの呪い、結婚出来ない、姉も主人公も未婚のままに、娘との生活、娘はディナーの最中に、あなたは乾いていると、誘い、セックス、この言葉には主人公もどうしようも無く、惹かれ、引きつけられて、主人公も男なのだ、仕事ばかりでは生きられない、ならば、姉だって、体の内側には、これを押さえてのこれまでの生活、ビジネス、次第に屋敷の生活に慣れて、身勝手な娘、朝食でも、パンにバターを塗る音、お茶の音、苛立ちの主人公、朝から、諍いを起こしたくないと席を立つ、気のせいよと娘、果たして、始まりの、主人公と姉と妻の三人の関係の反復、これで、この娘も追われるのか、裁縫の夫人たちも、料理の使用人も全ては沈黙の中に、何も語らない、語らせない、言いつけ通り、朝の食事も、沈黙の中、娘も、言いつけ通りに、静けさの中に、相変わらずの主人公の仕事、姉の視線、受け入れたか、この現実を、娘の姿、静けさの中の三人の関係、何処まで、いつまで、娘は林の中、キノコ狩り、娘の料理、急に病に伏せる主人公、何が、娘の仕業か、まさか、瀕死の夫を労る娘、二人の関係、娘の采配の中に、全ては、娘の采配の中、キノコを細かく刻み、粉末状にして瓶に詰める娘、こんな主人公の元に王女からの結婚衣装の依頼、更に貴婦人からの依頼、使用人の一人として働く娘、娘は依頼主の横に、顔を出す、姿をさらす、何処か邪魔しているかの如くに、いや、デザインの出所は私なのだと自覚しているのでは無いか、私無くしては、主人公は何も作り出せない、アイデアは浮かばないのだとばかり、キノコの粉末、料理、王女の結婚衣装が出来上がった、最後の確認、だが、納得出来ない主人公、しかも、肉体が思わしくない、ドレスの上に重なるように倒れ込んでしまう、驚きの夫人たち労働者、主人公は運ばれて、しかも、明日が締め切りの衣装、明日までに仕立て直さなくては、出来ていた衣装は、主人公が踏みつけ、汚れ、破れてしまった、かくて、姉の指図で徹夜の仕事に、もくもくと働く夫人たち、素晴らしい、手つき、姿、動き、主人公は倒れたままに、姉が尋ねて、大丈夫と娘、姉は医師に診せなくてはと、問題無いと娘、それでも遣ってくる医師、若い医師、何も病の要因は見いだせずに、この主人公の病の最中の二人の関係、ビジネスからも、姉からも離れて、二人の世界、娘の思い、肉欲、主人公もまた、この欲望の世界に、填まり込んでいく、娘の語る結婚、今まで、正式に結婚していなかったか、持ち直す主人公、いつもの生活に戻ったか、朝食、いや、娘は音も平然と、パンも、お茶も、姉の前でも、主人公は何も云わない、云えない、何故に、次第に、娘の采配の中に、かくて、娘の料理、キノコ料理、知ってか、食べる主人公、飲み込む主人公、そして、横に、倒れたか、死したか、主人公の顔を、頭を、抱える娘、サロメの絵画の如くに、首を手にした絵画の如くに、己の恋した男の首は己のもの、時代は、貴族の時代かにブルジョアの時代に、そして、今や、労働者の時代、娘はブルジョア主人公を殺したか、破壊したか、いや、抱え込んだのだ、資本主義の中、労働者の手立ての中に、だが、これで、デザインを生み出せるだろうか、ブルジョアの繊細から、狂気から、遠く離れて、毒キノコを遣っての計画計算の世界、嬉々として語る、娘、聴き入る若い医師、さて、資本主義の成れの果てとは、その外の見いだせないままに、それぞれが、互いに、個々の毒キノコを調達して、塩梅して、生きるとも、死するとも、その関係とは、デザインとは、いかなる所へ、何が始まる、いや、終わりなのでは、しっかり終わらせなくては、