ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅥ「真人間」を見る聴く、
デパート、万引きの夫人、店員の娘は目にとめて、押さえて、連れて、語りかける、困惑の夫人、二人は連れ添って、エスカレーター、降りてくる男、この主人公と目配せの娘、手を触れあって、恋人同士か、娘と夫人の前にマネージャー、万引きのシャツなのだが、商品にシミが在ったと巧みに誤魔化す娘、笑みの夫人、二度としないようにと娘、男の店員、缶切りを売り、手さばきは、金庫の鍵の開閉の扱い風、まさに犯罪者、驚きの客の夫人、そんな彼ら過去のある店員の一人の前にやくざ者、なにやら犯罪に誘われて、驚き、不安顔、待ち合わせの指定、主人公も誘われたが、今や、改心して、まともになる気の主人公は行く気など無い、この店の社長の気持ち故に、過去のあるものたちを信用して遣っているのだ、働かせて貰って居る彼等、頑張れば、過去を払拭して、実績が持てる、次なる仕事にもありつける、主人公は、予定の日数を見事に過ごして、仮釈放から明けるのだ、社を辞めて、いよいよ、真っ当な仕事に有り付いて、可能性の始まり、だが、恋人とも別れなくては、いや、仮釈放の身の上だから、恋愛など出来るはずも無かった、あくまでも、己の一人の心で焦がれていたばかり、いよいよの別れ、社長にも別れを告げ、二人でバスステーションに、バスに乗り込み窓から見詰める主人公、窓の外で、見送る娘、動き始めるバス、娘は私と結婚してくれると思ったのにと、語りかける、荷物を投げ、運転手にバスを止めさせて、降り立つ主人公、まさか、真っ当な娘が、己と結婚など、出来るはずも無いと、思い込んできた、だが、娘は誘ってくれた、求めてくれた、受けないわけが無い、斯くて直ぐに結婚、娘の部屋、大家夫婦、深夜の二人の前に怒鳴り込んでくる、結婚と聞いて、怒りは収まって、娘が男を連れ込んだから許しがたくて怒ったが、笑みで去って行く、娘は主人公に耳打ち、会社では、社内結婚は御法度、内緒にと、娘は巧みに語ってやり過ごすが、実は己もまた、仮釈放の身、しかも、主人公の様に、未だ期限にならずに、恋愛も、何も出来ない身分、役人に張れたら、大変、こうして二人の生活が始まる、店に戻った主人公、社長の笑み、が、社長と話す一人の店員、彼は社内結婚をして居るようで、ならば、社内の結婚が御法度とは、不審、主人公は晴れて、皆に話したいのだが、そんな娘の元に役人が、未だ仮出所のだから、定期的に様子に見に来るのだ、娘は女将に会社からの視察だと、女将は旨く誤魔化す、が、結婚は御法度では無いと知った主人公の大いなる不審、娘は、あなたの話している社内結婚の人は、社長の遠縁なのだと、だから、認められているのだと、この言葉にあっさり乗ってしまう愚かしい主人公、始まりから、娘の言葉に、巧みな言葉に、皆が乗せられて、斯くて安心、やはり娘は信頼できる、クリスマス、もと仲間のヤクザが皆を集める、過去の事、監獄での楽しい出来事、仲間意識、リズム、歌、音楽、過去の付き合い、やって来てしまった主人公、しかも、歌を仲間の歌を聴いてしまった、リズミカルなドアのノック、監獄の暗号、しかし、彼らの企みには乗れない、社長の店を襲うのだと、大金が手に入る、拒む主人公、が、語られてしまう、娘の仮出所の話し、娘の過去、まさか、俺を騙していたとは、項垂れて部屋に戻る主人公、娘は料理に余念が無い、そこに主人公の問い、答えてしまう、中に何年居たと、3年と、答えてしまう、しまった、既に遅い、騙されていた、静かに怒りを抑えた主人公は、仲間の元に、仕事に出向く覚悟、仲間たち、親分、娘は如何ともしがたく、止めるべく、社長の許に、仲間たちが、店に乗り込む、社長以下、出迎える、チクったなと主人公、だが、しっかり社長に意見されて、明日は皆いつものように出社しろと、そうすれば、今日のことは無かったことにすると、社長の去った後、怒りの仲間たち、そこに娘が、話し始める、強盗の割の悪さ、数値を用いて、親分の取り分、経費、全てをさっ引いて、手に残るのは僅か、しかも、犯罪者として追われて、貴方たちには過去が、今度掴まれば、二度と外には出られない、そんなリスクを負うのかと、何処が採算が合うのだと、娘の解説にしっかり聞き惚れてしまう仲間たち、愚かしさ、滑稽、誘ったやくざ者は、親分たちに始末されて、殺されて、仲間たちも、彼に着いていっていたら同様な眼に、助かった、娘の言葉で、取り返しのつかないと想ったか娘は去ってしまう、消えた娘を追って、しかも娘が妊娠して居たと知って、己の子供なのだ、主人公は探す、仲間と共に、やっとの事で見つけ出し、ベッドの娘の横に、赤ん坊は看護師にだかられて現れる、ボーイだ、笑みの主人公、晴れて二人の結婚、さてさて、映画は、皆が犯罪者なのが凄い、始まりの客も、売り子も、男たち店員も、社長だって判らないでは無いか、妻はなんでこんな人たちを雇うのかと、怒り、しかし、社長もまた、妻もまた、怪しいではないか、役人達だって、怪しくないものなど在るのだろうか、過去の仲間、役人、警察、皆が危うい犯罪者、そこから始まるのだ、だからこそ、真人間とは、どこかに居るのでは無い、可能性の中に、そう、映画の観客の私もまた、私たちもまた、仮出所の最中にあるのだ、危ない、危ない、全くもって、言葉一つで、がらっと変わってしまう、場、間、主人公の思い、バスから飛び降り、結婚し、疑い、他の社員の結婚は社長の遠縁と語られ、抱きしめ、娘の仮出所を聞かされ、怒り、強盗に、しかし、あっさりと説得されて、追い掛け、晴れて結婚、赤ん坊までもうけて、でも、赤ん坊は主人公の子供だろうか、危ない、危ない、真人間達、