ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅣ「唐手三四郎」を観る聴く、
大学の唐手道場、先生と、一門の者たち、主人公と同級生、美しい娘、鍛錬に余念が無い、構え、打ち、大学前の並木道、一人の娘が現れて、そこに主人公が、娘は皆の為にケーキを持ってやって来た、下宿の女将さんの娘さんなのだ、しかし、主人公は腹が減ったと誘い、一人で全てを平らげてしまう、笑みの娘、汚れた主人公の唇を拭く娘、離れてその様子を見てしまう同級生、嫉妬顔、怒りの形相、まるで抱き合っている様な二人姿を見せ付けられて、そして、道場、試合形式の稽古、相変わらずに鬼の形相の同級生、互いに技は決まらずに、分け、そこに後ろから同級生が主人公に近づく、狙ったのか、偶然か、サッと振り返り拳を決めてしまう主人公、同級生は倒れ、運ばれる、稽古の最中に、相手を打つとは全くの違法行為、先生に呼ばれて、叱られて、先生は己の過去を語る、同門の遣り手と張り合う羽目に、相手を倒し、彼は腕を失って消えて仕舞ったのだ、今でも、彼の事を探しているのだと、見つからずに、何処で何をしているかと心配顔、主人公の行為は何処か沖縄の反発、嫉妬もまた大和の奢り、下宿では、貸し賃の取り立ての男が、女将さんは上の部屋を学生たちに貸しているのだが、彼等もまた貧乏学生、満足に払えずに、家賃は滞納が続いてしまっている、様子を知った取り立ての男は、大屋でもある街のボスに娘を紹介すると、一度会ってくれれば、それで済むのだと、困惑顔の女将、そして娘、主人公は謝りに病院に、連れなく拒む同級生、二人の間はどうもしっくりこない、沖縄と大和、主人公は何とか、同級生の入院費を払うために、アルバイトを探すのだ、横浜の港に、肉体労働者として、仕事場の長は、何やら運動家と不審に思って拒んでいるが、主人公は経済学部の学生なのだから、しかしどうやら、真っ当な働き手と想って雇うのだ、船が港に、沖縄から、横浜で芸者として働いてきた娘は漸くに沖縄に戻ることに、そこに入れ違いに新しい娘が、これが沖縄の現実、本土に、娘たちが、働きに出なくてはやっていけないのだ、港では主人公が昼の弁当の最中、船の中で諍いが、主人公は走る走る、悪さする男たちを簡単に始末してしまう、この様子を見ていた長、沖縄の料理店、主人公と労働者たちと、街のボスと女たち、沖縄の娘の髪を頭の中央にまとめての髪型、踊り、音楽、長はボスに、主人公は使えますぜと、判ったとばかりのボス、早速に誘う、ボスの元には沖縄に帰る予定の女が、ボスの女なのだろうか、新人の娘を紹介する、ボスに呼ばれた主人公、連れ行かれた倉庫、何やら怪しい仕事を任されて、ジャンパーを着せられて外に、主人公は察して戻ってきて、辞めますと、ボスは、俺に逆らうのかとばかり、そこに現れた片腕の不気味な男、先生と呼ばれる片腕の男、飲んだくれたままに、始末して下さいと、ボスと長の話、先生は直ぐに殺めてしまうから困ると、だから、主人公を雇ったのだが、今、話を聞いた後に辞めますでは済まされない、だが、闇の取引の時間故か、一味は去る、病院では、大学の先生が怪我した同級生に話す、主人公の事、そこに手紙が、アルバイトで稼いだ金が入っている、こんないい奴なのだと先生、下宿屋の女将の所の娘が着飾って取り立ての男に連れられて、病院から戻った同級生が、不審に思って外に、タクシーの二人、同じくタクシーで追い掛ける同級生、主人公もまた、同級生に挨拶しようと下宿を訪れたか、同級生がタクシーに乗るので、不審に、主人公はアルバイトを始めてから、横浜に出向いて、下宿には戻っていないのだ、取り立ての男は、タクシーをホテルの前に止めて、何も知らずに降り立つ娘、ボスの前に紹介、追ってきた同級生が、娘に呼びかける、周りを見るとホテル街、周章てて、騙されたと、同級生は手下達と格闘、怪我をしているから、直ぐに倒されてしまうのだが、そこに現れた片腕男、ボスは彼に学生の始末を頼むが、前の時の支払いも済んでないと片腕男、ボスの連れ込んでいる娘に何か、気がかりが、娘の名を聞かされて、驚き、母親の名も問いただし、間違いない、ボスは、片腕男の知り合いと知って、立ち去るのだ、主人公は片腕の男こそ、大学の先生の探していた男と知り、興味が、その男の門を叩くのだ、汚い部屋の中、飲んだくれの男、弟子にと、何故だと男、三角飛びをご指南いただきたいと、何故に知って居ると、大学の先生の事を語る、男は怒りを口にする、なんで俺が手を引いたのに、下宿屋の女将さんをこんな惨めなままにしているのだと、必ずや、仕留めてみせると、すると立ち上がり、主人公の前で、中腰で手を構え、さっと舞い上がり、離れた場に静かに降り立つ、これが三角飛びだと、見詰める主人公、沖縄の店で芸者に気に入られ、飲まされて、彼女の部屋に、女の恋、これまでは、ボスのような男に弄ばれてきた、大和の男に、今は恋、沖縄の青年に恋、しかし、如何とも出来ずに、道場の美しい娘もまた、この沖縄の店の中、花を売っている、皆が、何処か貧しく、苦しんでいる、主人公は、こんな女たちに何もできないのだ、下宿の娘にしても、主人公も、同級生だって、憧ればかりで、未だ学生、養いも出来ない、ボスに連絡が、警察の手入れ、事務所を始末し逃れる算段のボス、倉庫街の路地に、片腕男も、大学の先生は、主人公から聞かされて、片腕男を訪う、やっと見いだした、だが男は先生の言葉も待たずに、何故に今の下宿の女将さんを幸せに出来なかったと、襲いかかる、決闘に、構え、拳、手技、足技、二人の展開、動き、ボスは銃を構えて、狙う、が、誰を狙った、悪さを知る一味である片腕男か、その敵の大学の先生か、大学の先生が撃たれて、男は立てとばかり、起きられない先生、警察のパトカー、もはや逃れられないボス、主人公も大学の先生を慕ってやって来た、花売り娘はなんと警察官、ボスの悪さを捜査していたのだ、今、主人公は倒れた大学の先生に代わり、突堤で決闘する、片腕男と主人公、互いに技を交わしながら、突堤の先へ、先へと、じりじり蠢く、緊迫、構え、拳、手、足、髪、腰つき、突堤故の、背景の海、主人公は後ろに後ずさり、ワイヤーに足を取られて、行き詰まる、危機一髪、その瞬間に、舞う、飛ぶ、男の額を蹴り、男は倒れ血を流す、覚えたな三角飛びをと男、沖縄への船の中、芸者と主人公、恋した女と恋された男、二人は沖縄に戻るのか、いや、別れなのだ、主人公は船を下り、そこに警察官の娘が、君は怖い人だったのだねと主人公、笑みの娘、娘は二人の恋を見て、一人孤独に歩き去る、主人公は女たちの恋を何も理解していない、なんで、沖縄娘と帰らない、警察官の娘の恋を察して誘わない、下宿の娘にしても、戯れるばかり、同級生も、何も出来ない、これはまた、過去に、大学の先生が、片腕男が何も出来なかったことの反復、おろかしい、嫉妬と遠慮ばかりで、沖縄も、大和も、救えないのだ、結果ボスのような悪人が、現実を制してきているのだ、ラストの波止場の片腕男、おろかしい戦後大和を結果として支えた闇の片腕男、正義は警察に、大学に、だが、経済は、ボスが居なくてやっていけるのだろうか、大学の先生は撃たれ、警察官の娘は孤独に歩き、女将さんのやりくりは一向に代わるまい、主人公と同級生も、何も判らず、頼りない、沖縄の芸子達の行き帰りもまた繰り返されるままに、さてさて、この空白の中、今日もまた、何も変わっていない、ままに、大学、港、沖縄芸子の居る酒場、下宿屋、病院、倉庫、片腕男の部屋、船着き場、船、突堤、空気、匂い、生き生きと、楽しいです、日本です、