ⅩⅩⅩⅩⅩⅠ「ハドソン川の奇跡」を観る聴く、
時制が入り組んで、事故、取材、調査、ホテルに缶詰にされてのパイロット、主人公と副機長、不安、眠り、夢、女性キャスターの語り、英雄ですか、詐欺師ですか、この問い、女性キャスターからの視線、安心出来る視線を求めて、妻と語らうが、缶詰にされていて直接会えずに、いつも、携帯で話すばかりで、出会えない、抱き合えない、遠く離れて、この不安を生きること、その最中で、生還すること、最前線物語、だから、事故も含めて、どのシーンが、現実なのか、夢なのか、調査の過程なのか、過去を思い出しているのか、全く判らない、事故のシーンも、主人公の再現なのか、副機長の再現なのか、アテンダントの再現なのか、客観描写か、いや、ドラマに置き換えた段階で、既に作り物、だから、この全ては作り物でしかないことの自覚、しかし、それでも、機長たちは、その曖昧さの中で、生き延びたのだ、過去の経験、若かりしころの教官からの教え、戦闘機の事故の最中の帰着、こうしてみると、やはり、機長自身の錯綜の中の映画なのだ、過去が、現実が、調査のデータが、テレビが、酒場で、主人公のサリーがあっちにもこっちにもと、確かに、ガラス窓の前に佇んで、ビルの中、落下して炎上する飛行機を観る主人公、夜の闇の中、ハドソン川に不時着の戦闘機を見いだす主人公、乱反射、どこに実体が、皆に、晒されている、テレビのコミカル有名キャスターインタヴュー、これだって、いつのことだ、全てが終わった後のこと、いや、このホテルにいる缶詰の中では、未来の希望ではないのか、だから、ラストの調査の世界も、これは現実と言えるか、これもまた、主人公のホテルでの、夢の中では無いのか、絶対の自信だろうか、いや、危うい未来では無いのか、偶々、彼らに優位に事が運んだ、確かに、会社は、機長の運転ミスに仕立てたい、保険の問題もあるから、これがビジネス、あの事故の後の生還同様に、陸に降り立っても、また、生還のための戦いが続くのだ、どこまでも、これが現実、パイロットとは、舵を取るとはこの事、皆の視線に晒されて、結果では無いのだ、この晒された、現実を生きるしか無い私たち、機長は確かに生還した、し続けている、が、私は、その私とは、全くもって危ういものなのだ、いつまた、新事実として、何やらいかがわしい問いかけが、現れないとも限らない、取材として、マスコミとして、そこでもまた、しっかり生還し続けようでは無いか、
ⅩⅩⅩⅩⅩⅡ「三姉妹」を観る聴く、
母を早くに失った三姉妹、父と祖母との五人暮らし、長女は母代わりで皆の面倒を見てきて、一家の大黒柱、皆が良いように使ってきたから、結婚出来ずに、家庭の中で甲斐甲斐しく働くばかりの毎日、祖母はそれが心配、父はまだまだといつまでもこのままが続くと思い込んでいる、次女と三女は故に、長女に家事を任せて自由奔放、恋も、遊びも、学校も、始まりは歌で、三人の歌で始まる、ミュージカル、楽しいのです、見事です、祖母の嘆き、連れない父、それでも、祖母の言葉にしたがって、友人を集める、仕事場の、きっと良い花婿が居ると祖母の思い、だが、集まったのは、老人ばかり、覗く次女と三女と祖母、呆れる祖母、あんたは何をしているのだと、友人を集めろと云ったから集めたと傲慢な父親、溜まらず、祖母は、奔放な次女に話して、共に長女を連れ出せと、斯くてハイキング、今までは女性の歌ばかり、ここでは、青年が高らかに歌うのだ、ロケ地の高原、素晴らしい、だが、ここでのドラマの転回は今ひとつ曖昧で、何か脱落があるのだろうか、この歌ばかりで終わってしまって、実際は長女と青年らに何か在ったのだろうが、斯くて、またの日に、やって来たパーティー、ダンス、音楽、次女は直ぐに男らとダンス、一人困惑気味に居場所の無いままの長女、若者たちは、年増の長女をからかって、誘って、溜まらず弄ばれていると思って、次女のボーイフレンドの彼と共に先に帰ってしまうのだ、長女の怒りに、祖母はまたしても落胆、こんな最中に、長女が一人通りに、買い物か、ロケの愉しさ、当時の町の空気、これだけで映画だ、ドキュメント、忙しさにぼうっとしていたか、車とぶつかって倒れる娘、慌てて抱き起こす青年、が、互いに詰り在って、あなたが悪いと、君が悪いと、屋敷まで、力シャーで送って貰って、青年は困ってしまって、それでも家まで付いてくる、謝りに、だが、一向に相手にしない長女、が、翌日も、その次の日も、花束を持って繰り返し訪れる優しい青年、家族らも、気に入って、次第に笑みの長女、互いに惹かれ在って、でも、自由な次女は己から誘って連れ出すのだ、車に乗って、いつものボーイフレンドはバイクで遣ってくるが、相手にされずに、そこには三女が言い寄るばかり、彼女もまた自由人、こうして長女を差し置いて次女と青年のデイトが続く、しかもついには、婚約話にまでも、祖母の怒り、長女が先に結婚しないなどとはあり得ないと、祟りがあるとばかりに、そんなものは迷信だと父、祖母の反対に、怒りの次女、長女までも反対して、私に対するさや当てだと、全ての様子を伺う三女、仕方なしに祖母は親戚の屋敷に長女を預けようと、あの屋敷には息子ばかりだから婿も見つかるかも知れないと、父も受け入れるしか無い、次女の婚約話には、父も驚き己の責任を感じているのだ、今まで長女のことを余りに考えなかったが故にと、斯くて長女は親戚の屋敷に、ここには幼い少年が、甲斐甲斐しく面倒を見る長女、長女から手紙が、面倒を見るその息子の名と、キスと抱擁、ベッドを共にするとの話しに、聴き入る次女の婚約者の驚き、こうして、初めて己の真に恋する相手を認識する、斯くて、三女と祖母の企み、青年に嫉妬させ、お屋敷に尋ねさせようと、こうしてやって来た青年、手紙のことを問いただす青年、何故にあなたに答える必要がと、愛しているからと、この言葉に笑みの長女、そこにこの一家の家族が皆現れて、しかし、長女の手紙の相手の名の息子が未だに、現れない、穏やかで無い青年、幼い少年が遣ってくる、初めて知る青年の笑み、祖母らもやって来た、次女の嘆き、そこにはいつものボーイフレンドが、晴れて、長女と青年の抱擁、美貌の三姉妹、歌在り、ダンス在り、娘さんたちが綺麗で素晴らしいです、少し古いインドネシア映画ですが、楽しいのです、まだまだ、私たちは、いや、わたしは映画を何も知らない、