しゃちくんは野良猫ブログ

30年以上前になりますが自分探しのためにバイクで日本一周。
そして今、会社を畳んで田舎暮らしの準備中です。

必要とされない悲しさ

2016-03-08 00:10:20 | 仕事のはなし
Kちゃんと喧嘩した訳ではありませんので期待しないで下さいね(笑)

真面目な仕事のはなしなのです。


うちの在庫に桧の二寸角があります。



こう見えても立派な芯持ちの角材なんです。

6cm×6cmと細い小径木は森林を手入れする時に発生する間伐材です。

従来の木材市場には製材所から届く荷物にこの間伐材がセットで送られて

セリで安く売られてました。

使い道を考えるのは材木屋の仕事だと教わりました。

欲しい木材だけを買うのではなく、日本の植林事業の中で発生する

この間伐材も責任を持って買い取り、林業を支える役目も担っておりました。

当然、ホームセンターでは売ってません。

従来からの流通業者はこういう部分に誇りを感じていたのですが

最近の住宅建設事情からは必要とされませんけど(-_-;)


木工作好きの近所のお肉屋さんの旦那から二寸角を二つ割にしてと頼まれた。

60mm×30mmなら輸入材でホワイトウッドが在庫にあるので奨めたが

どうしても桧が欲しいとの事で加工します。

芯持ちを割ると曲がりが出てしまう旨も説明した。

クセのある間伐材の加工は注意を要します。

電動マルノコの定規を3cmにセットして切断深さも3cmにして

裏表ひっくり返して切断しました。



これは切断面をすでに自動カンナで仕上げた後の写真です。

切断作業を始めると角材はXの字に曲がるのが普通なのに

右側の角材は逆に曲がりマルノコの歯が喰われて悲鳴をあげた。

切れ目にくさびを入れて何とか切断出来たけど

とても危険な作業なのです。

奥に帯鋸(バンドソー)もありましたが間伐材ばかりを加工して壊してしまいました。

こうした木材加工の知識や経験も必要とされなくなりましたね。


最後の宮大工と言われた西岡常一氏も

木造建築とはクセで組むとの名言を残してます。

クセの強い木材は使い方を間違えなければとても頑丈だ。

500年、1000年持ちこたえている法隆寺等の歴史的な建造物は

こうしたクセの強い木材で作られている。

それを作る職人達も人間としてとてもクセの強い人物ばかり。

クセの強い木材をクセの強い職人達で組みあげた建物だから

今でも風雪にも耐えて残っているのです。

クセの強い職人をまとめあげるのが宮大工の棟梁の仕事だそう。

私の憧れの職業でもある。


大量に仕入れて安く販売しないと生き残れない時代の中で

もがき続ける自分。

悩み続けてます。。。

コメント (2)
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