こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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お年寄りは、甘いものがお好き。

2012-02-02 22:56:54 | 訪問看護、緩和ケア
甘いものを好きな人は多いですが、特にご高齢の方は、ダイレクトにお砂糖とかが好きな人多いように思えます。

昔、私の祖父はご飯にアンコとか、ご飯にお砂糖とかかけているのを見たことがあります。

インスタントコーヒーにも、白糖をスプーンに山盛り2杯とかいれているお年寄りもよく見かけました。

さすがに、最近は白糖は入れないようですが、コーヒーシュガーは入れないと飲めないという方、けっこういらっしゃいます。

うちのおじいちゃんも、アンコは食前食後でいけちゃいます。

いつも登場する私の患者さんも、毎日コーヒーシュガーのスティックを、そのまま6本は食べています。
手のひらに、スティックをざっと開けて、ぺろぺろなめては「うまいね~。上品な甘さだよ~」とご満悦です。
ちなみに、主食はアンパンで、チビチビなめている日本酒にも、コーヒーシュガーが入っています。

別の患者さんで妻と夫別々に、ご夫婦で訪問看護に入っている患者さんがいます。

夫の認知症はかなり進んでいて、未だに担当の看護師をよくわかっていません。
なので、当然訪問日も気にしていないので、訪問すると出かけてしまっていないことが頻繁です。

出かけるときは、奥さんを連れて行きたがるので、奥さんの訪問日にもいないことがよくあり、いくらカレンダーを置いていても、声をかけておいても、そんなことはすぐに忘れてしまいます。

先日、担当者が訪問したところ、間一髪で出かけるところだったそうで、とにかく出かけたいご主人について、お散歩を始めたそうです。
でも、いつもと違うコースをどんどん歩いてき、どうしても留守番している妻にケーキを買っていくといい、とうとうケーキ屋さんまで行きました。
そして、かれはケーキを6個と別に12個包んでくれと言ったとか。
「なんでそんなにたくさん買うの?」
「あんたのお土産も買うんだ。」
「私のはいらないので、ご自分の食べれる分だけ買ってください。」
「いやだ。買うから持って行け!」
「だめです。ご自分のだけにしてください。」
の押し問答で、6個だけにしてもらい、何とか自宅に連れて帰ったそうです。
でも、ケーキ6個だって、二人で食べるには多すぎます。
家に帰ると妻が「あなた、もう毎日ケーキ買ってくるから冷蔵庫の中入りきらないじゃない。」といいます。
みれば、冷蔵庫に入りきらないケーキの箱が周りにも置いてあり、もちろん冷蔵庫の中はケーキだらけ。
他のスタッフが「じゃあ、食べきれずに捨てるのね?悪くなっちゃうしね。」というと、担当は「ううん。食べると思う。だって、毎朝の食事はお餅10個だし。」って・・。

ウーン。

ここまで来ると、甘いものが好きとか嫌いとかじゃなくて、認知による暴走食欲って感じでしょうか。

ちゃんと食事指導をしないのかと言われそうですが、これだけフットワークの良い認知症の方は、訪問看護が一日入ったからと言って、止められるものではありません。

だけど、思うのですよ。

この年まで糖尿病にもならず、抱えている病気は認知症程度なら、本人がそれで毎日気分がよければそれでいいんじゃないかと。
お金もあるし、好きなもの食べて、愛する妻と気ままに暮らせたら、ケーキ10個食べようが、最悪お餅が詰まって亡くなったとしても、それはそれで幸せな人生の終わり方なんじゃないかと。

それに、うちのおじいちゃんにせよ、このご夫婦にせよ、コーヒーシュガーのおじいさんにせよ、内臓は至って丈夫なんですよ。
羨ましい限りです。
よほど、耐糖能がいいんだなと感心。

でも、仮に糖尿病があったとしても、年齢から考えれば、好きなものを食べられないでストレス感じて過ごすより、多少高血糖でもストレスフリーで過ごしたいなと、私は思ってしまいます。

ちなみに、私も若いころより甘いものが好きになってきました・・。怖い。