こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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あったらいいな。「転んだら起こし隊」

2012-02-10 23:58:44 | 訪問看護、緩和ケア
患者さんをめぐっては、「あったらいいな」がたくさんあって、今日はスタッフと盛り上がってしまいました。

ご夫婦ともに認知症があって、危険や異常にあまり気づくことが出来ない場合があります。

Aさんは、神経系に異常があって、あまり上手に歩くことが出来ません。
身体も大きいし、転倒するととても危険です。
でも、何度お願いしても平気で歩こうとします。
夜中に水風呂入ってしまったり、二人で出かけようとして団地の階段で立ち往生したり・・・
先月は頭を切っていて、あとでわかってCTとったり大騒ぎになりました。

今日も、担当ナースが行くと奥さんはいつもの通りで、夫はベットの下に上を向いたまま転んでいて、尿でびちょびちょの中で、布団もかけずに固まっていたそうです。
奥さん曰く「オムツ変えといたわよ~。」って言うのですが、ズボンも畳もびっしょりでどうやら中の尿取パットだけ変えたようでした。
「いつからここにいたの?」「おとといから」
いやいや、昨日もヘルパーさんが来たら転んでいたというので、それはないですね。
たぶん朝からだと思いますが、身体は冷え切っっていて、膝が曲がらなくなっており、担当ナースは必死にベットに上げた際に、背中を痛めてしまいました。

帰ってから、一人では絶対に無理しないで、応援を呼ぶように伝えましたが、こう何度も転んだり落ちたりしたのでは、困りますよね。

実際、こういう方は多くて、一人で動いて転んだり、トイレから出れなくなったりして、夜中レスキュー読んだり、近所の人に出してもらったりというのは、よくあることです。
でも、レスキュー隊もこんなことばかりやっていても仕事にならず、怒られたりしてお願いは無理そうです。
近所の方も、よほど関係がよければいいでしょうが、失禁にまみれた巨体の移動をお願いするのも無理があります。

こんな時、「転んだら起こし隊」みたいなボランティア組織があったらいいなーと。

ビジネスとして考えてみても、会員登録しておいて年会費とか取っておいて、転んだら起こしに来てくれたり、家から玄関先の車椅子に運んでくれたり、階段を担いでくれたりして去っていく人たちがいたら、結構受容があるんじゃないかと思ったりして。

実際は、保険の問題やリスクの問題でなかなか難しいかもしれないけれど、そこを何とか誰かやってくれないかなぁ・・。

ついでに、ウンチ吸引装置なんてのも欲しいねって、話していました。

ヘルパーさんや看護師は、ずっとついているわけじゃないので、誰もいないときにウンチが出たら、キューンって吸い取ってくれる器械。
尿の場合は、スカットクリーンとかがあるけれど、さすがに便はないですよね。
ウンチすいとっても、お尻汚れてたら元も子もないですしね・・。

残るは、介護ロボットですか。
一家に一台、介護ロボット。いったいいくらレンタル用取られるんだろう???

そんなことで、ちょっと盛り上がってしまいました。

話は変わりますが、今日はかねてから行きたかったラーメン屋さんに、訪問帰りに行ってみました。

Yamamoto先生のブログにも紹介されていた「野永や」
食べログの評判は、いたってよいです。
あの辺は、ラーメン屋さんが多くて、「壱六屋」も結構おいしいです。

今日はここ。厚木街道沿い、大和のちょっと手前です。

私は、豚骨醤油ラーメン からし高菜トッピング。

  トン骨なのに、臭みが全くなくてものすごく美味しい!
ちょっと塩分は気になるものの、かなりのグレード。

たぶん、右腕がご不自由な息子さんと、お母さんの絶妙なコンビで、接客も良いですよ。
お勧めです。

摘便は、コミュニケーションツール。(*^_^*)

2012-02-09 23:41:15 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護と摘便は、切っても切れない間柄です。


本来は、食生活の改善や水分の確保、緩下剤の調節や地道な排便誘導で、自然排便に持って行ければ一番いいのですが、これがなかなか難しいのが現状です。

特に、介護力が乏しかったり、独居だったりすれば、変な時間に便が出てしまったり、下痢をしてしまったりすると、誰かが来るまで便の中で待っていることになりかねません。

それに、高齢であることや、臥床状態であること、水分摂取が少ないことから、かなりの確率で便秘になります。

初回訪問で、「毎日ちょっとずつは出ていますが、なんだかすっきりしないみたい。」とか「便を自分でかき出してしまうんです。」などという場合は、直腸内に粘土質の便がぎっしり詰まっていることがよくあります。

ちょっとずつ出るのは、たまってい物が押し出されるだけで、ちゃんと出たとは言えないのです。

施設や病院では、ちょっと出ただけでも排便(+)とか書かれて、もうそれで出たことになっていて、帰宅後に訪問するとお腹がパンパンなんてことも珍しくないのです。

で、緊急訪問で排便の処置に伺う事もよくあります。

初回訪問から、苦虫をかみしめたような表情で、ろくに返事もしてくれなかった患者さんが、夜にひどい便秘で苦しんで、緊急訪問で摘便ですっきりした途端、もうその看護師は神様のようにあがめられちゃうこともあります。
これは驚くくらい劇的で、「ウンチ良ければ、全てよし!」って言う感じでしょうか?


今日も、夕方電話がかかってきました。
「家内がポータブルトイレで便を出せなくて苦しんでいるんだよ。お腹をひどく痛がっているので、みてほしいんだ。」
最近はすっかり元気になって、大きな問題もなく過ごされていたM子さん。
ご高齢の夫が、それは良く介護されています。

このご夫婦、私は大好きなので、しばらくぶりの再会にワクワクしながら伺いました。

M子さんは認知症なので、もちろん私の事などすっかり忘れていますが、誰が伺ってもいつも楽しいおしゃべりをしてくれる、とってもラブリーな患者さんです。
そして、夫はそんな妻をぼやきながらも、それはそれは優しくて、いつもほっこりしてしまうおうちなのです。

ポータブルトイレにはまって、ヘロヘロになっていたM子さんは、途中まで出かかってにっちもさっちもいかなくなった便のために、だいぶ体も傾いていました。
「お腹痛い。苦しい。痛い。」

オイルを塗ってそっと肛門周囲をマッサージしながら少し摘便、を繰り返しある程度出たところで浣腸を30CCほど入れると、それは立派なものが大量に排出されました。

こういう場合、急に腹圧が下がり、ショックをおこすことがあるので、表情に注意が必要です。
たかがウンチ、されどウンチ。

案の定、時々こみあげてくるのか、えづくようなしぐさがあります。
そして額には、脂汗、顔色も白くなっています。(後で血圧を測ったら、やはり80代まで下がっていました。)

すぐにお尻を洗って、ベットに戻すと笑顔が出てきました。

「あー。お腹痛かったわ~。こんな痛いの始めて。お産より痛かったわ~。でも治ったわ。あなた、神の手ね!」
「ええー。神の手ですかー!ありがとう~。」
「そうよ、神の手よ。こんど近所でお腹痛い人いたら、紹介するわ~。」

夫に「お父さん。M子さんすごいの出たよ。見てみて。」と声をかけると、
覗いた夫は「あー。そりゃあこいつ、このぐらい食べてるからなぁ。」そう言って「ちゃんと分けて流さないと詰まるなぁ、」って、にっと笑ってトイレに消えました。

M子さんは認知はあっても笑いのツボはしっかりわかっていて、時々とんでもないことまで言って笑わせてくれます。
実は、夫のことは父親だと思っているので、話もさらにややこしくなるのですが、そんな会話も本当に楽しい。
「だって、こんな体になっちゃって、笑わないとやってけないでしょう?」って、言っていました。


摘便って、ちょっと引っかかる言葉ではありますが、実は患者さんとの距離を縮めてくれる、すご技なんですよ。
あー、おもしろかった。

手探りなのが在宅療養

2012-02-08 23:18:36 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護を含めて、在宅での支援は本当に手探りのことが多いです。

今日午後から訪問したGさん。
奥様はかなり認知症が進んでいます。
Gさんは、いつものようにすごく元気だったのですが、妻のSさんは顔色も悪くて、頭が痛いと言ってぐったりしています。
「このところ、頭がずっと痛いんだよ」Gさんも心配しています。
血圧を測ると、いつもよりだいぶ高め。

足も見てやってほしいとGさん。私は、Gさんの訪問看護で入っていますが、奥さんも認知があっていろんなアクシデントがあります。
でも、奥さんあってのGさんですし、二人で一人みたいなベストカップルなので、訪問看護師としては必ずご様子は伺います。

見ると、足先が紫色に腫れています。
でも、ご本人はすっかり忘れており、「痛くない。」といいますし、どこでやったかもわかりません。

ちなみに、Gさんも奥さんほどではありませんが、認知症状はあります。

Gさん「そういえば、昨日庭で転んだって言ってたよな~?」
「頭打ってない?」
「わからない。でも、ここが痛いのよ。」と、妻は後頭部をさすります。
特に傷は見当たらないものの、限局していたがっています。足は紫・・。
でも、頭は先月も痛いって言ってて、近所のクリニックでロキソニン貰って治ったと言ってました。
そのうち、Gさんは「昨日、庭でで転んだ。」から「一昨日庭で転んだ。」に変わり「いつだったかな。2,3日前かな~?おい、お前いつ転んだ?」「知らない。」
という会話になっていきました。

とりあえず、最悪の事態も考慮して、CTのある脳外科に行ってもらう事にしました。
お子さんのいないお二人ですが、ものすごくフットワークの良いケアマネさんに連絡したら、10分後には迎えに来て、即受診しに行ってくれました。

そのクリニックも素早い対応で、混みあっているのに、5分と待たずCTを撮ってくれたそうです。結果は、いまのところ異常なし。
でも、転んだらしいことは確かだし、1か月後に再検査をして下さることになりました。

お年寄りで、特に認知症のある方は転倒などで頭を打っても、すぐに忘れてしまうので、意識レベルが下がったり、痙攣が始まったりして病院に行くと、実は頭を打っていたらしいことが分かったりします。
ですから、いつもと様子が違ったり、転んだかもしれない時など、頭の中をよく確認して、傷がないか見ておく必要があります。

そのあと、最後の訪問は急遽依頼された患者さんです。
とにかく、なるべく早く入ってくださいと言われ、最終の時間で初回訪問をしました。

消化器癌で化学療法をやるためにかなり遠い大学病院に通院されていたようです。
独居ですが、娘さんが泊まり込んでいます。
この方も、ほんの数日前道で転倒をして、そのあとからほとんど寝付いてしまったと言う事です。
もう、化学療法に病院に行くのは無理とのことで、急遽往診医が入り、往診医が即訪問看護を入れてください!とケアマネに指示しての導入になりました。

ご本人は、どういうわけか言葉がうまく出てきません。
まるで、失語症のようにも思えます。
でも、ご家族の支えで、トイレまで行けているとか・・。
転倒時は、頭を打ってはいないとのことです。

とりあえず、今後のことを考えないといけませんので、今までどんな説明を病院からされていたのか聞いてみました。
が、何も聞いていないというのです。

「いつも先生は、採血の結果を見て、化学療法は『まだできるな。』と言って、点滴をしてくれました。けれど、今病気がどうなっていて、この先どうなるのかは、聴いたことありません。とても忙しい先生で、患者さんがいっぱい来ているので。」とのこと。
入院時と退院時にムンテラがあったあとは、ずっと外来で治療中も、検査データ―で判断するだけだったそうです。
実際、患者さんはかなり衰弱していましたし、実は外来通院もやっとやっとの状態だったそうです。
在宅往診医にお願いするにあたり、その先生から診療情報提供書が在宅医のもとに届いたのですが、それも中身は病名と○○で化学療法中。と書きなぐってあっただけだそうです。
血液データーすらなかったとか・・・

いったい、こんな情報で、在宅でどうしろって言うのか??
しょうがないから往診医は採血をして、手探りでの診療が始まりました。
そんなわけで、療養全般これからの支援をどうしたいのかを聴かれても、先が全く分からないご家族には、何をどうしていいかもわからず、ただただパニックになっていました。
とりあえず、みんなでフォローするから大丈夫。
一つずつ解決していきましょうね、とお伝えしました。

原因も不明、経過も不明、見通しも不明ですが、在宅ではこういうことがよくおこるのです。

それにしても、化学療法をする、しない。」という事だけでしか、治療ができないのは、おかしいですよね。
出来なくなったら急速に興味がなくなるのでしょうか?
まして、自分が診てきた患者さんを、次のドクターに託すのに、病名と化学療法の薬品名だけなんて、あまりにも無責任ですね。
県下では、医療連携や緩和ケアの勉強会なども積極的に主催したり、連携室もしっかりある有名な大学病院なんですが・・。

それでもなんでも、手探りから始まめるのが私たちのお仕事です。
不安はなるべく取り除いて、穏やかにお家で過ごせるように、お手伝いをしたいと思います。

頚損の排尿管理は、膀胱瘻?

2012-02-07 22:31:23 | 訪問看護、緩和ケア
ずっと以前、脊損の患者さんをたくさん診ている泌尿器科のドクターの講演で「頚損の患者さんは、自律神経過反射の影響が大きく、昔からある叩打圧迫による排尿は、とても危険なので膀胱瘻がいい。」という話をされていました。

確かに、膀胱直腸障害で排尿トラブルが多い頚損の患者さんは、いつも尿路感染と追っかけっこで、うまく尿が出ないと血圧が激しく上下して、嫌な汗をかいていたりします。
頚損でも、手が使える方は自己導尿をされたりしますが、上位頚損だと人に頼らざるえません。
ベット上では、コンドームタイプのコンビーンやユリドームなどの採尿器を使用するにしても、長時間外出時はバルンカテーテルを入れることになります。

バルンは、どうしても尿路感染のリスクが高いですし、浮遊物で詰まりやすかったりします。
さらに、バルンの入れ替えを訪問看護師に依頼することがあり、男性の導尿は原則医師という問題もあって、「やって下さい。「」「出来ません。」って言う話になったりします。(緊急時はしますが・・)

今日も頚損の患者さんが「車椅子で座っていると、バルンが詰まって尿漏れしちゃうんですよ。」と言っていました。

長く叩打圧迫をしたりすると、膀胱自体が変形することもよくあると聞いたことがありますし、憩室などがあると、そこに沈殿物がたまって感染が悪化しやすいなんてことも聞いたことがあります。

うちの患者さんは、ここ数年頻繁な叩打圧迫はしなくなっていますが、どうしても残尿を絞り出すため軽くトリガーポイントを叩いたり、最後に圧迫をするかたはまだまだいらっしゃいます。

でも、このところ大きなリハビリ病院では、頚損の方は最終的に膀胱瘻を造設することが主流になっているそうです。
今日も、患者さんが「膀胱瘻のしようかな・・」と悩んでいました。

膀胱瘻だと、入れ替えは比較的簡単になりますが、尿路感染は同じようにおこしますよね。

でも、流出が順調であれば、自律神経過反射のリスクもなくなるので、やっぱりその方がいいのかな??

うーん。どっちがベストなんだろ??

訪問看護の診療報酬改定

2012-02-05 23:36:32 | 訪問看護、緩和ケア
24年度から、訪問看護の診療報酬が変わりました。

まず、24時間連絡体制であることを条件に、20分の訪問看護が285単位から316単位に増えました。
これって、どういうときに使うのかな??
緊急訪問が多いのか、もしくは巡回型を意識しているのでしょうか?
うちのステーションでは、20分の訪問看護は未だありませんが・・。
ちなみに、30分は472単位とアップ。90分は1138単位と60単位も下がってしまいます。
90分しかとりません!というようなステーションもあると聴きましたが、これはかなり痛手です。

近年、訪問看護ステーションの形態で、訪問リハビリを行う事業所が、訪問看護より短い時間で回数をかせいでいるために、介護保険をかなり圧迫していることが、実は問題になっているそうです。

たとえば、訪問看護30分から60分では830単位ですですが、看護師はほとんどの場合時間いっぱいケアを提供しますし、患者さんからも時間いっぱいのサービスを望まれます。
でも、訪問リハの場合、多くは最初の契約で訪問リハビリ40分で契約をするので、請求は60分でも実質40分で抑えて、その分訪問の回数を増やせるから、一日の訪問は訪問看護より明らかに多く回せるわけです。
これでどんどん訪問すれば、月の訪問件数は相当な回数になります。
なので、近年病院立の訪問リハが、訪問看護リハビリステーションに早変わりするところもたくさんありました。

さすがに、これがものすごい件数となり、介護保険を圧迫したためか、訪問看護ステーションからの訪問リハは。一回当たり20分を316単位とし、2回訪問にした場合は2回目を90/100としました。

実は、ずっと不公平感を持っていましたが、これで少しすっきりしました。

そもそも、訪問看護と訪問リハでは役割分担が違うのだから、一緒にすること自体無理があるのだと思います。

加算に関しては、ターミナルケア加算の算定要件を、見直していく。と言う事だそうです。
これから、在宅看取りを増やしたい、国の配慮とでもいう事でしょうか。
うちは、ターミナルの方が多く、昼も夜もない勤務をやっているのでありがたいことです。

すごくありがたいのが、退院時共同加算600単位が新規に加算されることです。
今まで、特別管理を要するものだけに退院時の訪問は認められていました。
今まで退院日の受け入れや、状況確認などに無料で訪問していましたが、私たちの役割を理解していただけたと思うと、うれしいですね。
そして、すでにヘルパーでは認められていた初回加算。
これも300単位の加算が認められました。

介護保険のサービスは、実は訪問すればいいわけではなくて、その裏で山ほどの書類を書き、あちこちにそれを送り、ケアマネとの調整やら医療機関との調整やらをしなくてはいけないものなので、これも訪問看護の仕事を認めて頂けたのだと思います。

もうひとつ、大きく変わったのが特別管理加算と緊急時訪問看護加算が、介護保険の区分支給限度額の算定対象外となったことです。
訪問看護は、ただでさえ単位数が大きいので、ケアマネさんに敬遠されがちです。
さらに、特別管理加算(特別な管理の内容により250単位か500単位)と、緊急時訪問看護加算540単位と、限度額をどんどん圧迫してたのですが、この二つが単位を圧迫することなく加算できることになりました。

ここまでが、現行の訪問看護に関することで、あとは「看護・介護職員連携強化加算」250単位
そして、定期巡回型・随時対応型訪問介護看護事業所との連携に関する評価と加算です。
これに関しては、うーん、ちょっと動向を見なければわかりません。

定期巡回型・随時対応型訪問介護看のまるめの報酬が、人件費を賄えるものであるのかどうかは、はなはだ疑問です。もちろん人材の確保すら、難しいかもしれませんね。

ということで、実際やってみないとわかりませんが、この加算が1割とはいえ実質患者さんからいただくものである以上、それに見合った内容のサービスでなければいけません。
訪問看護の存続もかかってくるものですから、冷静に判断しながらより良い看護を提供しないといけませんね。

瀬谷区医療・福祉セミナー「糖尿病困難事例の在宅アプローチ」

2012-02-03 23:51:49 | 訪問看護、緩和ケア
年に一度の、瀬谷区訪問看護ステーション連絡会のセミナーが、聖マリアンナ横浜医科大学西部病院で行われました。

西部病院ホームケア、瀬谷ケアマネット代表、瀬谷区役所高齢福祉課との合同連絡会で、1年間練りに練ってのセミナーです。

事例紹介の後、いつものように多職種でのグループワークも行われ、グループごとに「自分たちだったらこう考える、こういう計画を立てる」などを話し合ってもらいました。
そして、いろいろな意見をグループ単位で発表して頂きました。

この事例は、妻がいないことが理解できず、ひどい時は3分おきにケアマネに妻の所在を聴くために電話をしてくる状態で、亡くなったことを告げるとそのたびに初めて知ったように驚くと言う事を繰り返していました。
生活はめちゃくちゃで、薬はほとんど飲めていず、薬が減らないので受診をしないという悪循環。
食事は、水浸しの謎の食品が放置されており、何を食べているかわからない状態。
サービスはことごとく拒否。かろうじて週2回のヘルパーのみで、夜中に入浴しては出られなくなり大騒ぎをして、近隣からの苦情も多く、ケアマネが悩んで訪問看護が導入されたケースです。

グループワークの発表では、「在宅の限界を考える必要がある。施設の入所を検討するべき。また、デイサービスやヘルパー利用を増やす、寂しさを軽減できる対応を。」とか、「病態をもっと把握して、そこを改善するべくプランを立てるべき。」という意見がありました。
違うう意見としては「低血糖の危険をさければ、あまり神経質にならず、生活を楽しめるような支援を、考えつつ訪看やヘルパーで見守っていく。」「多職種やインフォーマルな支援も入れて、連携することで、在宅を継続させる。」という意見などがありました。

          

その後、実際の経過と援助内容、結果、考察を発表し事例検討は終了しました。

実際は、訪問看護と往診医を入れ、医療の目を入れたことで、関わるヘルパーやケアマネの安心感につながり、並行してサービス事業者に病気についての説明をし、内服の一包化や整理、食事内容の検討、食事量の把握を行う事で、徐々に生活を立て直していくことが出来ました。
介護拒否も徐々になくなり、デイサービスも当初は激しく抵抗したものの、行ってみると友人もでき、身体も良く動かすようになりQOLが改善し、当初9.1あったHBA1Cも6台まで下がり、ケアマネへの執拗な電話もなくなったそうです。

今回、発表者は訪問看護師と、依頼したケアマネの二人そろっての発表でした。
違う事業所の二人が、それぞれの立場から、同じPPを使って仲良く発表をしたことが、この地域の連携の在り方を語っており、地域で支援するということの重要性を浮き彫りにしました。

総評をして下さった西部病院看護部長は、「私は、在宅を全く知りませんでしたので、この事例を聴いただけで、在宅なんてとんでもない。施設しかないだろうと思いましたが、一緒にグループワークに入ったことで、あらゆる可能性があることを知りました。そして、実際在宅での支援が可能であることを聴き、感銘を受けました。今回、病院しか知らなかった私にとって、とても勉強になりました。」という内容で、お話をしてくださいました。
また、そのなかで今後病院では、在院日数をますます減らす方向であるという話もあり、会場からも驚きの表情がみられました。

そのあとは、管理栄養士の方から、基本的な糖尿病の栄養管理についての講義もあり、とても充実したセミナーになりました。

最近では、泉区や旭区の訪問看護ステーションやケアマネさんもたくさん来てくれて、今日もほぼ満席となり、うれしい限りです。

参加してくれる職種も、看護師はもちろん、ケアマネ、ヘルパー、訪問入浴、施設職員、医師と多岐にわたっていて、このセミナーが地域に根差しているのだな~。と感慨深い思いになりました。

セミナーの後の懇親会は、みんなリラックスムードで、本当に肩の荷が下りました。
司会も、無事にお役目を果たせましたし、よかった、よかった!

また、来年にむけて連絡会も頑張ります。

地域の一体感を味わえたセミナーでした。

お年寄りは、甘いものがお好き。

2012-02-02 22:56:54 | 訪問看護、緩和ケア
甘いものを好きな人は多いですが、特にご高齢の方は、ダイレクトにお砂糖とかが好きな人多いように思えます。

昔、私の祖父はご飯にアンコとか、ご飯にお砂糖とかかけているのを見たことがあります。

インスタントコーヒーにも、白糖をスプーンに山盛り2杯とかいれているお年寄りもよく見かけました。

さすがに、最近は白糖は入れないようですが、コーヒーシュガーは入れないと飲めないという方、けっこういらっしゃいます。

うちのおじいちゃんも、アンコは食前食後でいけちゃいます。

いつも登場する私の患者さんも、毎日コーヒーシュガーのスティックを、そのまま6本は食べています。
手のひらに、スティックをざっと開けて、ぺろぺろなめては「うまいね~。上品な甘さだよ~」とご満悦です。
ちなみに、主食はアンパンで、チビチビなめている日本酒にも、コーヒーシュガーが入っています。

別の患者さんで妻と夫別々に、ご夫婦で訪問看護に入っている患者さんがいます。

夫の認知症はかなり進んでいて、未だに担当の看護師をよくわかっていません。
なので、当然訪問日も気にしていないので、訪問すると出かけてしまっていないことが頻繁です。

出かけるときは、奥さんを連れて行きたがるので、奥さんの訪問日にもいないことがよくあり、いくらカレンダーを置いていても、声をかけておいても、そんなことはすぐに忘れてしまいます。

先日、担当者が訪問したところ、間一髪で出かけるところだったそうで、とにかく出かけたいご主人について、お散歩を始めたそうです。
でも、いつもと違うコースをどんどん歩いてき、どうしても留守番している妻にケーキを買っていくといい、とうとうケーキ屋さんまで行きました。
そして、かれはケーキを6個と別に12個包んでくれと言ったとか。
「なんでそんなにたくさん買うの?」
「あんたのお土産も買うんだ。」
「私のはいらないので、ご自分の食べれる分だけ買ってください。」
「いやだ。買うから持って行け!」
「だめです。ご自分のだけにしてください。」
の押し問答で、6個だけにしてもらい、何とか自宅に連れて帰ったそうです。
でも、ケーキ6個だって、二人で食べるには多すぎます。
家に帰ると妻が「あなた、もう毎日ケーキ買ってくるから冷蔵庫の中入りきらないじゃない。」といいます。
みれば、冷蔵庫に入りきらないケーキの箱が周りにも置いてあり、もちろん冷蔵庫の中はケーキだらけ。
他のスタッフが「じゃあ、食べきれずに捨てるのね?悪くなっちゃうしね。」というと、担当は「ううん。食べると思う。だって、毎朝の食事はお餅10個だし。」って・・。

ウーン。

ここまで来ると、甘いものが好きとか嫌いとかじゃなくて、認知による暴走食欲って感じでしょうか。

ちゃんと食事指導をしないのかと言われそうですが、これだけフットワークの良い認知症の方は、訪問看護が一日入ったからと言って、止められるものではありません。

だけど、思うのですよ。

この年まで糖尿病にもならず、抱えている病気は認知症程度なら、本人がそれで毎日気分がよければそれでいいんじゃないかと。
お金もあるし、好きなもの食べて、愛する妻と気ままに暮らせたら、ケーキ10個食べようが、最悪お餅が詰まって亡くなったとしても、それはそれで幸せな人生の終わり方なんじゃないかと。

それに、うちのおじいちゃんにせよ、このご夫婦にせよ、コーヒーシュガーのおじいさんにせよ、内臓は至って丈夫なんですよ。
羨ましい限りです。
よほど、耐糖能がいいんだなと感心。

でも、仮に糖尿病があったとしても、年齢から考えれば、好きなものを食べられないでストレス感じて過ごすより、多少高血糖でもストレスフリーで過ごしたいなと、私は思ってしまいます。

ちなみに、私も若いころより甘いものが好きになってきました・・。怖い。

もうすぐ瀬谷区医療・福祉セミナー

2012-02-01 22:29:02 | 訪問看護、緩和ケア
今日から、常勤で一人仲間が増えました。

う・うれしい・・・。

ここ数年で、うちのステーションの平均年齢もかなり下がって、なかなか元気になってきています。

新しいスタッフは、訪問看護は始めてで、初日でかなりカルチャーショックは受けたようですが、きっとすぐに楽しくなってくれると思います。

そして、なんだかんだしているうちに、あっという間に2月3日がせまっています。

そう、2月3日は聖マリアンナ医科大学横浜西部病院ホームケアと瀬谷区訪問看護連絡会の恒例行事「瀬谷区医療・福祉セミナー」があります。

この瀬谷区訪問看護連絡会は、横浜市訪問看護連絡協議会の西部ブロックで、瀬谷区内の訪問看護ステーションと、瀬谷区役所の高齢福祉課と、ケアマネットからの代表、そして地域の中核病院の連携室である西部病院のホームケアとで結成している連絡会です。

年に一度持ち回りで、事例発表を行い、それに関連する医療セミナーも織り交ぜてのセミナーです。

今年は、妻を亡くしたことで認知症が悪化し、糖尿病コントロールが出来ず、生活に混乱をきたした患者さんに、訪問看護が導入され、チームケアにより病状、生活状況ともに改善されたケースをあげました。
プレゼンは、原っぱ訪問看護ステーションの管理者と、「介護相談センターひとはな」のケアマネジャーの小松さんです。

在宅チームの関わり方を、グループワークで話し合います。

そして、もう一つは目玉でもある医療セミナー。
今年は、西部病院管理栄養士のかたから、「糖尿病の栄養管理」を分かりやすく講義して頂きます。
場所は、西部病院3階講堂、時間は18時30分からです。

まだ、お席があります。
当日でも結構ですので、参加ご希望の方は西部病院のホームケア科、瀬谷区メディカルセンター訪問看護ステーションまでご連絡くださいね。

ちなみに私は、当日司会をします。
間違えないようにしないと、笑われちゃいます・・。(~_~;)

それにしても、今年は寒さが答えます。

地震もやたら多いし・・。

何だか、怪しい気配が漂っていますが、いろんなことに注意しながら、負けずに頑張ります。

昨日のポリぺクのおかげで、今日は本当は白粥か素うどんのみのはずで、しかも2日間仕事は休まないといけないらしい私ですが、そこはそれ、私は強いので大丈夫です。

明日はしっかり食べるぞ!!