気がつけば思い出Ⅱ

日々の忙しさの中でフッと気がついた時はもう
そのまま流れていってしまう思い出!
それを一瞬でも残せたらと...。

秋蝶をお題にした母の句~風に舞う

2020年11月04日 | 伊代の俳句

※たつや.Photo/pakutaso.com

秋蝶や余命預けて風に舞う

終焉まじかの秋蝶が その残り少ない飛ぶ力を秋風に委ね まるで舞を舞っているようだ

季語は秋蝶:秋(三秋)

三秋(さんしゅう)とは秋季の3か月。初秋・中秋・晩秋。陰暦の7・8・9月 ※goo国語辞書

少なくなっていく花、落ちていく葉🍂などの周りの風景と相まって、春や夏に見かける蝶から比べると、冬に近づいた頃に飛ぶ蝶は、その飛ぶ姿にもどことなく寂しさを感じます。

蝶の寿命は種類、成虫になる時期、生息する地域でも違うということらしいので、母の詠んだ蝶は(関東の地で秋に飛ぶ)アゲハ蝶なのではないかと思い、取り敢えずアゲハ蝶で調べてみました。

アゲハ蝶の母親は、幼虫が食べられる葉っぱを探して卵を産み付け、幼虫は自分の生まれた葉っぱの種類以外のものは食べることが出来ません。

1週間で孵化し、1ヵ月で蛹になり、2週間で羽化するアゲハ蝶はそこからわずか2週間しか生きることが出来ません。

短い命で一生懸命子孫を残そうとする姿は美しい以外何物でもありません。

※アゲハチョウの研究室butterfly-beautiful.comより

晩秋に弱弱しくなった蝶が、秋風にふらふらと飛んでいる姿を詠った句だと思います。

        ※kei.photo/写真AC

秋に生まれた幼虫は蛹になって冬を越すらしいので(越冬5か月)冬の蝶は見られないようです。

これから春になるまで、飛んでいる蝶の姿は見られなくなるのでしょう。

      

今の私は、母さんの用意してくれた葉っぱを食べ尽くしまだ少しある命のために同じような葉っぱを探し生きている・・・のかなぁー!

ちょっぴり寂しくて切ないけれど、素敵な句です。母さん

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