「自画自賛はほどほどに」
『 Every cook commends his own sause. 』
⇒ どの料理人も自分の作ったソースを自慢する
という英語のことわざです。
日本にも 『手前味噌』 ということわざがあります。
⇒ 自分の作った味噌を “これはうまい!” と自分でほめる
( 自分のやったことを得意気に自慢すること )
自信が自慢に変わり ・・・ 自慢が過信に ・・・ 過信が勘違いに ・・・
そして大きな失敗が ・・・ これは戒めにもつながる言葉かもしれません。
「もっと本当のプロに出逢いたい」
素人さんが家で作ったソースや味噌なら、“これは美味しい!” と自慢して
楽しめば良いと思います。ただし、プロともなれば、それだけでは困ります。
プロとして自信は持つべきです。( 自分に自信が無ければプロじゃない! )
自慢もほどほどなら許されます。( 自惚れても誰も共感はしませんが・・・)
しかし、過信は身を滅ぼします。( 勘違いがお客を遠ざけ自滅を呼び込みます )
よく “一流の道具を持ってても腕(技術)が伴わなければ意味がない” といった
内容の戒めをプロの方は口にします。確かに一理あります。しかし裏を返せば、
“腕(技術)のある自分は一流の道具が使える(似合う)” と言いたいわけです。
そこに驕りがあり、過信となって勘違いが起こる ・・・
( 腕を組んでいる人の言うことなど信用するな! )
私は今まで飲食業を中心に、たくさんのプロ(職人)の方と出会いましたが、
「本当のプロ」 と思えた方は数えるほどです。料理の経験や知識が豊富で、
お客様に美味しい・素晴らしいと言ってもらえる味付けや盛り付けができる ・・・
そんなプロの職人なら街場のレストランでもそこそこ出逢うものです。
( すぐに有名になって、すぐに消えたプロの職人が何人いたことか ・・・ )
しかし、「本当のプロ」 とは何か? と考えるに、やはり、お客様はもちろんのこと、
周囲の人間(スタッフや業者、あるいはご近所さん)に、その(人生の中の)時間、
その(偶然あるいは必然として訪れた)場所で出逢ったことを感動として与えたり、
その後の人生に影響を及ぼしたりする存在ではないでしょうか。
( これは感覚の問題ですので、一概には言えませんが ・・・ )
“腕(技術)が上がってから良い(高い?)道具を” と、考えている若い職人たちに、
“本当のプロを目指すなら、今すぐ本当に良い道具を使え!” と私は進言しておき
ます。もちろん、良い道具を使えばすぐに腕が上がるというわけではありませんし、
頭の堅い(悪い?)先輩からは白い(やっかみの)目で見られるかもしれません。
しかし、敢えて ・・・ ( 周囲の目などまったく気にするな! )
冷静に考えれば判ることですが、良い道具は良い道具を作れる腕のある職人が
作っています。その 「本当のプロ」 の仕事(道具)を手にする(実際に使う)ことで
得るものは大きいはずです。そう信じて早目に自ら手にする(借金してでも買う!)
ことで、自身も良い仕事をする(いい加減な仕事はしない)心構えになるものです。
( しょぼい先輩は早いこと追い越せ! )
たくさんの 「プロ」 と出逢いたい!
もっと、たくさんの 「本当のプロ」 と出逢いたい!
■ 二升五合 ■
人を育てることの難しさと
人が育っていく素晴らしさ
物事の対極にあるようで
アンニュイな感覚に襲われる
昔とは正反対のことを
整然と発する自身にも驚く
しかし、
まず自身がプロでなければ
人に教える仕事などできやしない
そう信じて ・・・
第五大成丸