バルちぁんの徘徊 (М78星雲)

バルちぁんの「自己満足・自己陶酔・妄想徘徊」

鬼の執念 (後編)

2011年09月05日 19時51分01秒 | 子ども
男に逃げられた鬼は「いつかは必ず命を奪ってやる」といい姿を消した。

生きた心地がしない男は陰陽師を尋ねたところ物忌をするよう指示された。
物忌していると弟が訪ねてきた「母上が亡くなられた」といい玄関を開けるように訴えた。
しつこさに負けて男は玄関を開け入れた、しばらく静かに話していたが、ふいに二人は喧嘩を始めた。
物音に気が付いた妻は「どうなさいました」と声かけると男は「刀を持って来い」と叫んだ。
妻は、弟に傷つけてはならぬと迷った、迷っている間に弟は「うれしや」といい、男の首を喰いちぎった。

安義橋で追いかけた一つ目の鬼だったのです。
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鬼の執念

2011年09月05日 07時45分54秒 | 趣味
近江の国のある屋敷に、若い男たちが集まっていた。
「安義橋を無事に通り過ぎた者がいない」という噂が話題となり、一人の男が「いい馬があれば渡れる」といった。
名馬は屋敷の殿様が貸してくれた。

人里はなれた山間に橋はあった、恐怖心があったが引き返すわけにもいかず渡り始めた。
橋の途中に、綺麗な女がいた薄紫の衣に濃紫の単に袴という姿だった。

男は橋の途中に一人で女がいるわけがないと鬼だと思い無視して通り過ぎようとした。
女は「どうして、そんなにつれない、人里まで送ってほしい」と頼み込んだ。
男は怖くなり馬を走らせた、女は「薄情者」と大声で叫びながら追ってくる。

振り向けば、身の丈2.7mの鬼の姿になっていた。

「出雲国風土記」より


(山の中の1人でいる美人は鬼です)
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