赤い玉子

天之日矛は新羅の王子です。
垂仁天皇の時代に日本に渡来したという。

天之日矛の妻は卵から生まれたという。

あるとき新羅の阿具沼のほとりで１人の女が昼寝をしていた。
日光が女の女陰に射し懐妊し赤い玉子を産む。

それを見ていた男は、女に頼み込んで赤い玉子をもらった。
男は山の谷間に広い田を持っていたので、いつでも腰に玉子をつけて作業していた。
この男は牛を連れて山に入ろうとしたところ天之日矛に質問された「この牛を殺して食べるであろう?」
男は慌てて「違います」と否定したものの信じてもらえず、困った。

しばらくして、丁寧に会釈して、腰につけていた玉子を刺しだし許しを得た。
天之日矛は、この玉子を棚に置いたところ、赤い玉子から女の子が生まれた。

やがて美しい娘になったので自分の妻にしたという。