「子どもたちがのめり込む学習」それは、問いからスタートする学習。といってもその問いは、できれば教師が用意する問いではなく、教師が提示した内容から、生徒たちが「おや?なんでだろう?」と自ら感じて、学び始める学習のことです。
それを、毎時間設定するのは至難の業です。ですから、時にはこちらから問いを提示することもありました…。(実は、その方が授業の進みが速いのですけどね。)
さて、中学校三年の理科も残りわずかになったある日、どういうわけか生徒たちがざわざわし始めたのです。
そして、ある生徒が、「先生の授業…つまんねえ~」と大声をだしたのです。23歳になったばかりの私は凍りつきましたよ。
確かに、その時は1年間のまとめの授業をしていたように思います。私の表情を見て、教室がしい~んとなりました。
何秒立ったでしょうか。
教室の静けさをやぶって、「そんなことないよ。先生の勉強の教え方、…僕はいいと思うよ。ミツバチが交尾する時、なんで空高く飛ぶのかって…そういう話、本当に楽しかったよ…」という声がしたのです。
もう、40年も前の話なので、その続き、彼がなんといったか忘れましたが、彼に救われ、命からがら授業をつづけたように思います。
初めての、生徒からの洗礼でした。 生徒って、子どもって優しいなあ…と思いました。
私の教師生活は、まわりの先生に励まされ、子どもたちに助けられて続いてきたように思います。
教師生活の思い出は尽きないので、また折にふれ書いてみたいと思います。
次号は、今現在の日々の思いをつづりたいと思います。