「激変緩和措置」の削除は、職員への制裁?
一昨日、9月定例会が終わりました。
ごみ問題・公共施設再編計画問題・包括予算制度問題などなど、書きたいことはさまざまありますが…。
憲法で保障された労働基本権を無視し、法令・条例、人事院の勧告も無視した修正案が、鎌倉市議会で可決されたこと。
これは、鎌倉市議会議員の資質が問われる大きな問題であると強く感じています。
9月定例会で、鎌倉市職員の「新たな人事・給与制度」が条例改正案として提出されました。
「職務給の原則」にのっとり、わたりの解消をし、「均衡の原則」にのっとり、他市に比べて平均給与が高い状況を是正するため、労使の誠意ある交渉の末妥結した内容であり、合意内容は実に妥当なものです。
それは、修正案賛成議員も評価しているところです。
ただし、新たな給与制度をそのまま導入すると、全職員3分の1にあたる408人の突然の大幅な削減となり、具体的には、一般職では最高一か月14.2%の削減、年間で16.5%の削減となること。技能労務職にあっては一か月15.5%、年間では17.9%の削減となるため、段階的に削減していく「激減緩和措置」を導入することが原案に盛り込まれたわけです。
そもそも、この「激変緩和措置」は、
① 民間においても、国の制度においても現に認められています。
② 今年8月に人事院から出された勧告においても、給料引下げに伴う経過措置として「現給保障」(新しい給与になるまで据え置く)を2018年3月まで認めています。
③ しかしながら、鎌倉市においては「現給保障」より厳しくし、この10月から減額を開始し、減額率を徐々に上げながら、新しい給与につなげていくというものです。
ここまで労使合意ができたこと自体高く評価されるものです。
また、2013年12月3日、総務部は、鎌倉市の顧問弁護士に相談しており、その中で顧問弁護士は
「他市の事例においても『現給保障』をしない例はあまりない。最高裁の考えも『激変緩和』である…」
と回答しているのです。
また、労基法・第91条では、「就業規則で、労働者に対して減給による制裁を定める場合においては、その減給は、不祥事一回に付き平均賃金の一日分の半額まで、不祥事が複数であっても、賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と書かれています。これは公務員には適用されてはいませんが、市の条例に明記されています。
つまり、現給による制裁であったとしても、労働者の生活を維持していく範囲を超えてはならない、生活を脅かしてはならないということ示しているわけです。
しかしながら、9月12日、この議案審議が付託された総務常任委員会で、「激変緩和措置」を削除する修正案が提出され、削除する理由として提案者二人(岡田・保坂)は
① わたり解消は以前から指摘されていながら、今までサボっていたのだから仕方がない。(岡田)
② もともとダメと言われていたものなのだから、直ちに改めるべき。(岡田)
③ 生活を変えて下さいとしか言いようがない。(岡田)
④ まだまだ市の財政は厳しいのだから…。(保坂)
等々…
「激変緩和措置」を削除する論拠に乏しく、未成熟な審議の中での採決・全会一致可決となりました。
憲法で保障された労働基本権は非現業公務員においては、一定の制約がなされているとはいえ、労使が誠意をもって団体交渉に当たり、合意に至った結果は、給与条例主義とはいえ最大限尊重されるべきものです。
具体的妥結内容に議会が踏み込んで修正をかけることができるのであれば、議会が、職員の給与を決定することさえできることになります。
憲法で保障された労働条件に関わる労使交渉の結果に踏み込んで、市職員の生活を脅かすような修正をかけることは、なされるべきではありません。
本会議での、「激変緩和措置を削除する修正案」賛成者(上畠・永田・渡辺・保坂・渡辺・山田)の意見は
① 給料がトップクラスなのだから、緩和措置は必要ない。
② わたりの人間が逃げ切ることになる。
③ 財政効果が表れるのが遅い。
④ わたりは違法であったのだから、不当利益なのだから、今までの分を返すべき。
⑤ 暫定削減していた時と比べて、給料がリバウンドしてしまう。
⑥ 今まで、わたりを解消してこなかったのだから仕方ない。等々。
「激変緩和措置」を外すのは、給与制度の改正が遅いからという理由の制裁なのですか?
市の職員は、2年間、平均7.7%の暫定削減をしてきています。
「激変緩和措置」を外すのは、財政効果を上げるためなのですか?
我々議員は8月から、暫定削減をやめて、通常の給与に戻っていながら、言えることではありません。
(ついでに言わせていただければ、議員の給与削減を今年度継続するかどうか、無会派の私には議長から
何の相談もありませんでした。)
今回の鎌倉市議会が出した結果は、法令を順守し、国や他市の事例に学びながら、冷静に客観的な視点を持ちながら判断するべき議員として、その資質が問われる問題です。
最後に。誤解のないように。修正案反対の6人は、わたり解消原案に賛成です。
一昨日、9月定例会が終わりました。
ごみ問題・公共施設再編計画問題・包括予算制度問題などなど、書きたいことはさまざまありますが…。
憲法で保障された労働基本権を無視し、法令・条例、人事院の勧告も無視した修正案が、鎌倉市議会で可決されたこと。
これは、鎌倉市議会議員の資質が問われる大きな問題であると強く感じています。
9月定例会で、鎌倉市職員の「新たな人事・給与制度」が条例改正案として提出されました。
「職務給の原則」にのっとり、わたりの解消をし、「均衡の原則」にのっとり、他市に比べて平均給与が高い状況を是正するため、労使の誠意ある交渉の末妥結した内容であり、合意内容は実に妥当なものです。
それは、修正案賛成議員も評価しているところです。
ただし、新たな給与制度をそのまま導入すると、全職員3分の1にあたる408人の突然の大幅な削減となり、具体的には、一般職では最高一か月14.2%の削減、年間で16.5%の削減となること。技能労務職にあっては一か月15.5%、年間では17.9%の削減となるため、段階的に削減していく「激減緩和措置」を導入することが原案に盛り込まれたわけです。
そもそも、この「激変緩和措置」は、
① 民間においても、国の制度においても現に認められています。
② 今年8月に人事院から出された勧告においても、給料引下げに伴う経過措置として「現給保障」(新しい給与になるまで据え置く)を2018年3月まで認めています。
③ しかしながら、鎌倉市においては「現給保障」より厳しくし、この10月から減額を開始し、減額率を徐々に上げながら、新しい給与につなげていくというものです。
ここまで労使合意ができたこと自体高く評価されるものです。
また、2013年12月3日、総務部は、鎌倉市の顧問弁護士に相談しており、その中で顧問弁護士は
「他市の事例においても『現給保障』をしない例はあまりない。最高裁の考えも『激変緩和』である…」
と回答しているのです。
また、労基法・第91条では、「就業規則で、労働者に対して減給による制裁を定める場合においては、その減給は、不祥事一回に付き平均賃金の一日分の半額まで、不祥事が複数であっても、賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と書かれています。これは公務員には適用されてはいませんが、市の条例に明記されています。
つまり、現給による制裁であったとしても、労働者の生活を維持していく範囲を超えてはならない、生活を脅かしてはならないということ示しているわけです。
しかしながら、9月12日、この議案審議が付託された総務常任委員会で、「激変緩和措置」を削除する修正案が提出され、削除する理由として提案者二人(岡田・保坂)は
① わたり解消は以前から指摘されていながら、今までサボっていたのだから仕方がない。(岡田)
② もともとダメと言われていたものなのだから、直ちに改めるべき。(岡田)
③ 生活を変えて下さいとしか言いようがない。(岡田)
④ まだまだ市の財政は厳しいのだから…。(保坂)
等々…
「激変緩和措置」を削除する論拠に乏しく、未成熟な審議の中での採決・全会一致可決となりました。
憲法で保障された労働基本権は非現業公務員においては、一定の制約がなされているとはいえ、労使が誠意をもって団体交渉に当たり、合意に至った結果は、給与条例主義とはいえ最大限尊重されるべきものです。
具体的妥結内容に議会が踏み込んで修正をかけることができるのであれば、議会が、職員の給与を決定することさえできることになります。
憲法で保障された労働条件に関わる労使交渉の結果に踏み込んで、市職員の生活を脅かすような修正をかけることは、なされるべきではありません。
本会議での、「激変緩和措置を削除する修正案」賛成者(上畠・永田・渡辺・保坂・渡辺・山田)の意見は
① 給料がトップクラスなのだから、緩和措置は必要ない。
② わたりの人間が逃げ切ることになる。
③ 財政効果が表れるのが遅い。
④ わたりは違法であったのだから、不当利益なのだから、今までの分を返すべき。
⑤ 暫定削減していた時と比べて、給料がリバウンドしてしまう。
⑥ 今まで、わたりを解消してこなかったのだから仕方ない。等々。
「激変緩和措置」を外すのは、給与制度の改正が遅いからという理由の制裁なのですか?
市の職員は、2年間、平均7.7%の暫定削減をしてきています。
「激変緩和措置」を外すのは、財政効果を上げるためなのですか?
我々議員は8月から、暫定削減をやめて、通常の給与に戻っていながら、言えることではありません。
(ついでに言わせていただければ、議員の給与削減を今年度継続するかどうか、無会派の私には議長から
何の相談もありませんでした。)
今回の鎌倉市議会が出した結果は、法令を順守し、国や他市の事例に学びながら、冷静に客観的な視点を持ちながら判断するべき議員として、その資質が問われる問題です。
最後に。誤解のないように。修正案反対の6人は、わたり解消原案に賛成です。