稲村ガ崎下水放流事故、対応は適切だったか?
4月14日―鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区東側の崖が崩落し、国道134号沿いの歩道が陥没。
4月22日午後3時―地下に埋蔵されている下水管のつなぎ目から、下水が漏れだしていることを確認。
つなぎ目をコンクリートで固めたが、漏水。
根本的な対策が必要なため、緊急措置として、送水ストップ。
午後7時より、17,000世帯分、一日22,000立方メートルの下水に、次亜塩素酸ソーダ―を投入し、
坂ノ下より海に放流開始。同時に仮設下水管設置工事開始。
4月24日―水質検査開始。
下水放流口から50メートル地点での大腸菌群数が、海水浴場水質基準をはるかに超える。
52,000 MPN/100ml(海水浴水質基準:1000MPN/100ml)
4月28日―全員協議会で経過報告。
4月29日―仮設送水管工事2本完了。送水全量の半分しか送水できないこと判明。海への下水放流継続。仮設送水管増設工事開始。
5月6日―下水放流を最小限に抑えるため、鎌倉処理区17,000世帯に節水協力を求める。
5月11日―滑川河口地点の水質検査結果3,600 MPN/100ml。
5月14日―防災無線にて注意喚起。「入水を控えるように」
5月23日―漁獲物細菌検査。
5月24日―仮設送水管工事3本目完了。送水開始。
5月26日―4本目完了。
5月27日―海への下水放流停止。
これまでの市の対応は、最善且つ適切であったのか考えてみた。
①仮設送水管工事について
そもそも、鎌倉処理区から送水される22,000立方メートルの下水は、直径80センチメートル管で、西部中継ポンプ場に入る。
その後、七里ヶ浜浄化センターに送り込むために、圧力がかけられ、直径35センチメートルの管3本で送水されている。
仮設管工事にも35センチ管を必要としたが、搬入に時間を要するため、汎用品である直系25センチの管2本で対応することとした。
この段階で、すべて送水できるのかと言う疑問がわく。
さらに、今まで地下を通っていた下水を、一端地上の仮設管に送るため、下水の抵抗が強く、流れにくくなったという条件も重なり、
下水量の半分しか送ることができない事態が生じた。
市は「計算上の見込みに誤りがあった」と説明している。
初めから、25センチメートル管4本の設置工事していたならば、下水の放流期間をもっと短縮できたということである。
およそ一か月分、プール30杯分の下水が余分に流されたことになる。
②海洋汚染・漁獲物・市民への注意喚起について
5月30日の全員協議会で、「漁獲物の細菌検査結果」が公表された。
生シラス・メバル・サザエ・タコ、どれも、一般生菌・大腸菌ともに陰性あるいは基準値以下であるとの報告があった。
しかし…である。
私は4月28日、議員への報告があった後、当局責任者に、
「ゴールデンウイーク時を控え、海でタコを取って食べたり(本来勝手にとることは許されないが)
波打ち際で遊ぶ観光客もいるので、生物の細菌検査をするべきであること」
「入水注意をするべきであること」を進言した。
しかし、当局責任者は、
「現在(前日の27日の調査で)大腸菌は検出されてないから必要ない。」
「放射能と違うので、生物への蓄積調査は必要ない」との答えだった。
前日に、大腸菌が検出されなかったから、注意喚起も、生物への蓄積調査も必要ないという判断は、
果たして適切な判断といえたのだろうか。
風評被害の心配も理解はするが、何も知らない市民が、稲村ガ崎の海岸で、
大腸菌を含んだタコやサザエを採取して食することの方がよほど問題ではなかろうか。
担当職員は、
大腸菌は、2~3日で死ぬ。
大腸菌が体内に残るのは、消化管のみであるから、洗って食べれば大丈夫。
と言う。
ならば、この間、ご家族が、稲村ガ崎の海岸で、タコを採取した時に、食べたであろうか。
家族が水際で遊ぶ姿を、見過ごしたであろうか。
今現在、被害が出ていないことだけが幸いである。
4月14日―鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区東側の崖が崩落し、国道134号沿いの歩道が陥没。
4月22日午後3時―地下に埋蔵されている下水管のつなぎ目から、下水が漏れだしていることを確認。
つなぎ目をコンクリートで固めたが、漏水。
根本的な対策が必要なため、緊急措置として、送水ストップ。
午後7時より、17,000世帯分、一日22,000立方メートルの下水に、次亜塩素酸ソーダ―を投入し、
坂ノ下より海に放流開始。同時に仮設下水管設置工事開始。
4月24日―水質検査開始。
下水放流口から50メートル地点での大腸菌群数が、海水浴場水質基準をはるかに超える。
52,000 MPN/100ml(海水浴水質基準:1000MPN/100ml)
4月28日―全員協議会で経過報告。
4月29日―仮設送水管工事2本完了。送水全量の半分しか送水できないこと判明。海への下水放流継続。仮設送水管増設工事開始。
5月6日―下水放流を最小限に抑えるため、鎌倉処理区17,000世帯に節水協力を求める。
5月11日―滑川河口地点の水質検査結果3,600 MPN/100ml。
5月14日―防災無線にて注意喚起。「入水を控えるように」
5月23日―漁獲物細菌検査。
5月24日―仮設送水管工事3本目完了。送水開始。
5月26日―4本目完了。
5月27日―海への下水放流停止。
これまでの市の対応は、最善且つ適切であったのか考えてみた。
①仮設送水管工事について
そもそも、鎌倉処理区から送水される22,000立方メートルの下水は、直径80センチメートル管で、西部中継ポンプ場に入る。
その後、七里ヶ浜浄化センターに送り込むために、圧力がかけられ、直径35センチメートルの管3本で送水されている。
仮設管工事にも35センチ管を必要としたが、搬入に時間を要するため、汎用品である直系25センチの管2本で対応することとした。
この段階で、すべて送水できるのかと言う疑問がわく。
さらに、今まで地下を通っていた下水を、一端地上の仮設管に送るため、下水の抵抗が強く、流れにくくなったという条件も重なり、
下水量の半分しか送ることができない事態が生じた。
市は「計算上の見込みに誤りがあった」と説明している。
初めから、25センチメートル管4本の設置工事していたならば、下水の放流期間をもっと短縮できたということである。
およそ一か月分、プール30杯分の下水が余分に流されたことになる。
②海洋汚染・漁獲物・市民への注意喚起について
5月30日の全員協議会で、「漁獲物の細菌検査結果」が公表された。
生シラス・メバル・サザエ・タコ、どれも、一般生菌・大腸菌ともに陰性あるいは基準値以下であるとの報告があった。
しかし…である。
私は4月28日、議員への報告があった後、当局責任者に、
「ゴールデンウイーク時を控え、海でタコを取って食べたり(本来勝手にとることは許されないが)
波打ち際で遊ぶ観光客もいるので、生物の細菌検査をするべきであること」
「入水注意をするべきであること」を進言した。
しかし、当局責任者は、
「現在(前日の27日の調査で)大腸菌は検出されてないから必要ない。」
「放射能と違うので、生物への蓄積調査は必要ない」との答えだった。
前日に、大腸菌が検出されなかったから、注意喚起も、生物への蓄積調査も必要ないという判断は、
果たして適切な判断といえたのだろうか。
風評被害の心配も理解はするが、何も知らない市民が、稲村ガ崎の海岸で、
大腸菌を含んだタコやサザエを採取して食することの方がよほど問題ではなかろうか。
担当職員は、
大腸菌は、2~3日で死ぬ。
大腸菌が体内に残るのは、消化管のみであるから、洗って食べれば大丈夫。
と言う。
ならば、この間、ご家族が、稲村ガ崎の海岸で、タコを採取した時に、食べたであろうか。
家族が水際で遊ぶ姿を、見過ごしたであろうか。
今現在、被害が出ていないことだけが幸いである。