9月議会一般質問で「鎌倉市におけるヤングケアラーの実態調査」について質問した。
大津市の自宅で、小学1年の妹を、蹴るなどして死なせ、傷害致死の疑いで逮捕された無職の少年(17)は、
捜査関係者に「妹の世話をするのがつらかった」との供述をしていた。
仕事で家を空けることの多い母親に代わって、妹の世話を日常的に続けてきた少年は、まさに、
「ヤングケアラーであった」と言えると、専門家はみている。
新聞記事では、家の前で「仲よく遊ぶ兄弟の姿をよく見た」と言う女性が
「こんなことになる前に、気付いて挙げられていたら」と話したと書かれていた。
ヤングケアラーを支援につなげるには、まず、周りの人たちが気付くことである、ということを
改めて認識させられる思いがした。
質問→今年、6月議会一般質問において、ヤングケアラーに関する質問で、部長答弁では、「ヤングケアラーの
周知の向上に努めたい」とのことであった。その後の取り組みを伺う。
部長答弁→生徒指導対策協議会、教育相談コーディネーター連絡会、初任者研修等で周知を図った。支援につながるよう、
具体的な情報提供をした。
質問→国の、「ヤングケアラー支援に向けた福祉、介護、医療、教育の連携プロジェクトチームの報告書」によれば、
地域や民間の眼でヤングケアラーの早期発見把握が重要である…と述べている。特に、地域の中では、
民生委員児童委員による気付きが重要である。今後の取り組みの予定を伺う。
部長答弁→民生委員・児童委員に活動報告を上げてもらっている、それを福祉につないでいるが、ヤングケアラーの項目はない。
10月に話題提供していく。
ヤングケアラー周知は、大人だけではなく、子どもに伝えていく必要がある。ヤングケアラーは、本人が、そのことに気が
付いていないことがあり、また、気づいていても、相談するところが分からない、と言った「困りごとを抱えこんだまま」
の子どももいるからである。
海老名市では、子ども用のヤングケアラー理解を深めるパンフレットを作ったり、子どもを対象に、アンケートをする予定だ
と聞いている。ホームルーム1時間で、できる程度のアンケートで、アンケート結果から、教師自身が、その存在に気付く
ことができるとのことである。
質問→鎌倉市では、ヤングケアラー実態調査の必要性についてどのように考えているか。予定はあるのか。
教育長答弁→現時点では、鎌倉市独自の実態調査の予定はない。今後国の調査では不十分となったら、検討する。
調査の必要性は、誰が判断するのか。必要性を感じているのはヤングケアラー本人ではないか。
ヤングケアラー自身の困りごとは、現在進行形である。
ヤングケアラーを所管している厚生労働省は、
「ヤングケアラーの問題を明らかにするためにも、調査することが大切です。」
「現在、調査の予定がない自治体も来年度には、調査を検討してほしい」と述べている。
厚労省子ども家庭局家庭福祉課 自治体支援係の方の話によれば、来年度予算編成に向けて、
「ヤングケアラーの実態調査や研修の事業費を補助するため、8月末に概算要求をしたとのことだ。
質問→、鎌倉市において、ヤングケアラーの実態調査に向けて、準備を進めて頂きたいがいかがか。
部長答弁→他市事例を参考に必要性があれば対応する。
ヤングケアラーが今日も苦しい思いを抱えながら、学校に来ているかもしれない。
鎌倉市ににおいても、早期の実態調査をするべきであると考える。
鎌倉市長選挙にあたって、松尾市長はマニュフェストのなかで、
ヤングケアラーや老々介護などの支援のために、
(仮称)鎌倉市ケアラー支援条例を制定する。
と述べている。
条例制定については評価するところであるが、
実態調査は、その後でというわけにはいかない。